6.コンピュータのメリット ③手順を保存できる
メリットを支えている3点は
①同じことをくり返せる
②時々違うこともできる
③手順を保存できる です。
コンピュータにはプログラムがなければ、何もできないただの箱です。逆にプログラムを作れば、何でもできる「万能の機械」になります。
さいごに③手順を保存できる を説明します。
だれでも同じ仕事ができる
これまで仕事のしかたは、「マニュアルを読む」か「研修やOJTで学び伝える」しかできませんでした。
しかしコンピュータはプログラムで、「だれでも同じレベルで、何度でも同じ仕事」ができます。「仕事のしかたが保存できる」といえます。これは画期的なことです。
また修正がいつでもできるので、「名人の技」にも近づけます。
自動運転はこれからも拡がる
プログラムによって、パソコン上の「作業」から「自動製造工場」や「自動管理倉庫」、車や電車、飛行機の「自動運転」など、できることは日々増えています。
スマホがないと生活や仕事に困る人も、多いでしょう。
コンピュータの自動化によって、危険な作業や面倒な作業から順に人間が解放されています。
すべてのプログラムは3つの構造で作るべき
だれでも分かりやすくするために、オランダ人の科学者(かがくしゃ)「エドガー・ダイクストラ」が1968年に「すべてのプログラムは3つの構造(こうぞう)でつくるべき」といい、現在(げんざい)までつかわれています。
これを「構造化(こうぞうか)プログラミング」といいます(超有名(ちょうゆうめい))。
これはどのプログラム言語でも共通の考え方です。
ゲームでもなんでもこの3つの構造でつくります。
プログラムの基本は3つの構造
これまでに出た3つの構造は、プログラムの基本です。
①「順次(じゅんじ)」は、上から順に実行
②「分岐(ぶんき)」は、条件によって処理を分ける
③「くり返し」は、ある条件まで同じことをする
プログラムの基本的構造
プログラムのつくり方には基本的な形があります。
「①前(まえ)処理」では、変数の作成や初期値を入れます。
「②主(しゅ)処理」では主にくり返しながら、計算をします。
「③後(あと)処理」では、計算結果を表示します。
この形を守れば、整理されて分かりやすいプログラムになります。
先人の知恵がライブラリ
以前と同じ内容のプログラムをつくるのは、ムダでめんどうですね。
そこでよく使う処理を先人が「ライブラリ」(図書館)に保存し、誰でも使えるようにたくさんあります。
前回「②時々違うこともできる」で5行目に「int mikuji = (int)(Math.random()*3);」がありました。この「Math.random()は乱数をつくる」プログラムでしたが、「Math(数学)ライブラリの中のrandom()というプログラム」を使いました。
「ライブラリ」や「フレームワーク」「オブジェクト指向プログラミング」等の仕組みを活用すると、時間や手間を減らすこともできます。
プログラミングを学ぶメリット
■論理的思考力が身につく
原因(処理)と結果の修正をくり返すと、日常生活でも論理的に考えるようになりミスが減ります。
■新たなサービスを生み出せる
ほかの人にない発想で、今ある仕事を改善したり、新しいサービスで生活を便利にできます。
■就職に有利になる
コンピュータが得意になれば、どの業界でも引く手あまたで、高収入が見込めます。
■独立して仕事ができる
プログラミングスキルを駆使してフリーで働いたり、会社を立ち上げることもできます。
■在宅で仕事ができる
IT系の職種はどこでも働け、働き方の選択肢も広がります。
これからコンピュータを使わない仕事はなくなるので、学ばない理由はありません。
あなたもプログラミングを学ぼう!
これからサンプルのプログラムを、練習していきます。
何度も入力すると、コツが分かってきます。
思った通りのプログラムがつくれたら、一人前です。
プログラミングの国際オリンピックも開かれています。
あなたも一緒にプログラミングを学ぼう!