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仲間先生の笑いが好き~『高校生家族』3巻 2021/10/15の日記

 最近、必ずと言って良いほど人にオススメする漫画がある。それが『高校生家族』。高校に入学する主人公と一緒に、40代のお父さんとお母さん、そして、8歳の妹は飛び級で高校に進学し、果ては飼い猫まで。家族そろって高校に入学するという破天荒なギャグマンガだ。

 作者は仲間りょう先生。偶然、立ち読みしたジャンプがちょうど連載が始まるモノで、運命的な出会いも演出して、僕は本作を好きになった(「どうせなら、『ハイキュー』とか『呪術廻戦』が良かった」、って言葉を口の奥でかみ殺す音)。

 その最新巻を呼んだのだけど、家族がみんな真っ当に青春していてウケる。家谷一郎(父)はバレー部に入部してレギュラーを奪取するし、静香(母)は爽やかに自転車通学を決め込むし、春香(妹)はお金を稼ぐためにアルバイトに明け暮れるし、ゴメス(飼い猫)は喧嘩して警察沙汰を引き起こす。あれ、光太郎(主人公・高校生)どこいった?

「おっさんが高校入学したっていい…」

 これをキャッチコピーにして、DIVERSITY(多様性)を謳う本の帯もまた面白さがある。それぞれが、それぞれのやり方で青春を謳歌するすがたには、SDGsの精神が垣間見える(ない)。

 仲間りょう先生の前作『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~』に遡って読み込んだ。おこがましいことを言うけれど、仲間先生は突っ込むべきポイントを自然にスルーするのがめっちゃ上手いと思う。読者を圧倒的に置き去りにして、ワンテンポ遅れて笑いへと誘う。「ちょっと待って、あれってなに?」ページを戻って、「は?」となって笑う。そんな笑いに溢れている。

 店長の瞳の綺麗さは何?なんで羽生えてるの?猫がベビーカーに乗ってるってどういうこと?

 読んで無いひとは分からないだろう?(笑)ぜひ、確かめるために本屋に立ち寄ってほしい。冒頭で少し皮肉を言ったけれど、間違いなく僕の2021年最推しマンガだ。

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