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今夜すべての、3万4千円のハイツで

目をバグらせながらぼんやりと眺める街灯や車のランプや信号機の光は、柔らかく輝く線香花火の様に優しくて美しい。 爪先までハイボールが染み込んだ、泥の様に重たい足どりで、ぬかるんだコンクリートに腰まで沈んでしまいそうになりながらも、先を歩く二条桂子(41歳)の白いワンピースから透ける水色だろうパンティーラインを微笑みながら私は追いかけた。 「今日はそこで寝るんか?」 商店街のマクドナルドの前に積み重なったゴミ袋を枕にくたばりそ

    • 下ッ下ッ下下下の下

      週5で揚げるファミチキ 捨てた筈の感情に躓き 色褪せてくれない過去に溜息 いつか作った秘密基地 あの頃のドキドキ 今も愛してるよ確かに 微かに見えた光は幻 一石を投じて掴む筈だった功績 深夜4時に笑う尿石 一向に成果出せず足踏み 風呂で済ますオナニー 当たらん天気予報良純 信じてみるか懲りずに 淋しい夜はファミチキ マジキチな毎日 空腹を満たすのは割引のお弁当と柿ピー また受け取れなかった代引き 歯ぎしりしながらお休み どしゃ降りの雨だろうと お祭りの中1人だろうと 粉

      • いなせだね

        射精後にコンドームを付けたまま眠るSEXは遠い8月の安いラブホテルでクーラーを最低温度で付けっぱなしたまま起き上がった身体はキンキンに冷えておりもう1発かましてから一風呂浴びたいところだが全くもって時間は無く急いでバイクに跨りつつも背中に全神経を集中させたのは柔らかいおっぱいが原因であり熱過ぎる股間に似た眩し過ぎる太陽に照らされてはアイスクリームがゆっくりと溶けていく様に穏やかに幸せが額を濡らす汗は2度と流れない。 財布に万札が入ら

        • 乾杯

          松本さんとこの人志君がやってはる「酒のつまみになる話」って番組が好きで酒を呑みながらよく観る。自分も参加して色々を考えるのが楽しい。今度友達にこれ質問してみようってテーマを思い浮かべる。今まで知り合いや友達、出会った人の中で1番多い名前は何ですか?とか聞きたい。そこから派生して1番変わった名前は何ですか?も聞きたい。 私の中で1番変わってる名前は真育と書いてマイク。彼を苗字で呼ぶ人を私は知らない。小学校の同級生でサッカーチームも一緒。槇原敬之似の彼は日本人で両親も日本人だが

        今夜すべての、3万4千円のハイツで

          フリーザマックス

          全国で1番TENGAが安いお店で働いていた時 お客様さんや一緒に働くバイトの人や商品を通して様々なフェチや性癖に出会った 例えば優しい笑顔で物腰の柔らかい70歳ぐらいの初老男性は完全におはぎと緑茶の方が似合うけれども完全に毎度毎度「女子高生集団レイプ」といったタイトルのAVを買っていく もちろんしっかりと頭頂部を見せるありがとうございましたをかかさずに 実際におじいがレイプをする訳ではないし何の罪もないけれどその振り幅には驚いてしまうし何故それでしか興奮できないのだろうと少

          フリーザマックス

          それでも好き

          お酒を呑む事とお風呂で本を読む事とラジオを聴きながらウォーキングをする事と銀紙の端っこに取り残された微かなベビーチーズに「僕は見逃さないからね。可愛いね。1番好きだよ」と囁きながらキスをする事が僕の趣味でカロリーが低いのに美味しいスイーツへ熱中しだしたらとうとうオカマだなあと思っている 18歳の時に太陽とはお別れしてからは夜に騙されて朝に笑われてを繰り返している 母親の「ちゃんと朝起きて夜に寝る生活しな頭おかしなるで」という愛しい忠告を無視し続けたおかげかは知らないけれ

          それでも好き

          探しています

          大学生の時に知り合った江口大揮という生き物 自称占い師 自称役者 自称ラジオDJ 大学という晴れ舞台でイケてる友達欲しさに又は自分がイケてる人種だと主張したいが為に注目を浴びる発言を繰り返してはああコイツ友達おらんねやろな中高とイケてなかったから必死なんやろながバレバレのイモ臭い奴だった 彼が言う自称の全てを僕達(僕達がイケていた訳じゃないけど。たまたま近くにいたので赤子をあやす様に)はもちろん信じていなかったけどバレバレの嘘が楽しいので泳がしていた 例えば「昨日京橋で女の子

          探しています

          せなが

          背中が臭すぎてもはや背中と呼ばれている田中との出会いは小2の頃だった 一緒のクラスになってから毎日の様に遊ぶ様になった お互いの家に泊まっては仲を深めた 一緒に飯食ったり一緒に風呂入ったり一緒に寝たりしすぎてあの子らホモちゃうかと母親同士が心配していた程だった 田中の家の電話から「今日田中の家に泊まっていい?」と自分の家に確認を取る 「あんた泊まりすぎや!帰ってきい!」 とおかんにドヤされてはよく2人で抱きしめ合って嫌や嫌やと泣いていた 田中の家に泊まれた日には必ず夜にこ

          無修正

          ネットで無料でなんぼでもエッチな動画が見れるというこの優しい時代にわざわざDVDを買うストロングスタイルなお客さんがなんぼでもいる 1本2980円とかを5、6本買う人もざらにいてうまい棒明太子味ちゃうねんからと驚く(味はええやん) でも好きってそういう事だなあと思う 自分に絶対必要な物の値段は気にしないし計算もした事がない(例えばタバコ、お酒、本) エノキが128円だと高いと感じて腹も立つがタバコが510円でも何も感じないし仕方ないで終わり それでもなぜDVDを買うのか

          ロックマン

          僕がよっちゃんと出会ったのは小4の時だった 転校生の僕に唯一全く興味を示してくれないクールでなで肩で目の細いよっちゃんに僕が興味を示した なんかわからへんけど悔しいし切ないしこいつ絶対笑かしたんねんと決意した瞬間だった 当時のよっちゃんは1人でよく図書室で本を読んでいた サッカーにしか興味の無い僕にとって図書室で本を読むという行為はえっくすかけるわいをやってるのと変わらない訳でアホやなこいつ休み時間に全然休めてへんやん 休めてへん時間やん なんちゅう無駄遣いしとんねんア

          ロックマン

          友情

          伊豆の踊子 坊ちゃん 羅生門 等 小学生の頃に国語の授業で習った あんまり本を読まなかった僕は二十歳を超えてからからそれが抜粋だった事に気付いて驚いた 教科書に載っている本文が全てで完結していると思っていたのである そんな作品達を今更読んでみようかなと思って伊豆の踊子なんかを読んでみたりするけど全然進まない 僕は先生と国語の授業が好きだったんだなあと思う 読んでどう思うかを自分で考えて答えるのが楽しかった その本になんらかの興味が無いとなかなか読めない 僕は作者が好きならその

          じいちゃん

          「次の電車が来たら飛び込もう」 じいちゃんは首を横に振って下を向いた 友達を止める事は出来なかった それぐらい戦争は恐ろしい じいちゃんは戦争の話をよくしてくれる 毎朝大きなラッパの音で起こされた話 捕虜として強制労働させられた身も心も凍るシベリアで 現地のお母さん達がこっそりと渡してくれる手料理が温かくて優しかった話 等を屁をこきながらしみじみと語る (腕の骨でも折れたんかなっていうぐらい。ボキッに近い勢いの。ボリッていうめちゃくちゃでかい屁) えっじいちゃんは今屁

          じいちゃん

          ありがとう

          そりゃ中2の頃は頭が沸いていた 洗面器に35度〜36度の人肌なお湯を張っておちんちんを突っ込み 「くぅ〜これがおまんおまんの温度だべ〜」痺れていた そんな僕でも中学校へ行けば真面目な顔をして授業を受けている 自分なんてそんな人間じゃないのに平然としている まるで街中に潜みちゃっかり平気な顔で生活している犯罪者の様 人混みでおならをかます様な気持ち良さと不純な安心を噛み締める愉快犯と似ていた 隣の席のたっけんは僕を余裕で凌いでくれる変態だった MDにAVの音声を仕込んで

          ありがとう

          ナイスツッコミ

          20歳の頃 教習所に通っていた 喫煙所でライターが無いことに気付き 側にいた同じ年頃の金髪ジャージ上下の兄ちゃんに借りる事にした 「すいませんライター借してくれないですか」 無言で横顔のままピースサインの間にライターを挟んでピッと借してくれた 身体がむず痒くなった ドロップ全巻持ってそうな雰囲気だった タバコが一緒の銘柄だったけど距離感を縮めない為に敬語でありがとうございますとだけ伝えた 車のルールが全然わからないままドキドキの路上運転 僕は車間距離は縮めれば縮める程

          ナイスツッコミ

          コバエ

          友達の嫁が新しい男を作って子供と一緒に消えた 友達は憔悴しきっていた 広くなってしまった部屋で1人うつむき引きこもる毎日 そんな彼を励ます為にその暗い部屋を訪れたある友人 部屋はゴミだらけでコバエがプ〜ンと飛んでいたらしい 手で払ってパチンと殺そうとしたら 「やめて…そいつしかおらんねん」 ぬるっとした真顔でピシッと注意されたらしい そんな彼も今は元気になって新しい彼女とうまくやっている 新しい彼女は中学時代の同級生で昔付き合っていた仲らしい 全くエロい話である とこ