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偏愛未満コレクション:フローティングペン

コレ、なんで集めているんだろう。

こんにちは。86400"の山本です。
この記事では、「偏愛」というほどではないけれど、なんとなく集めているものや、ついつい集めてしまう「偏愛未満」なものを紹介しています。

つまり、登場するのは、大いに語ることがあるマニアでもなく、すごくたくさん集めているコレクターでもない、いわば”普通の人”。
”普通の人”の”普通の暮らし”をみてみようという企画です。

さて、今回は僕が集めている「フローティングペン」について。



フローティングペンって何?

まずはフローティングペンについて、ごく簡単にお伝えします。

RED LIGHT DISTRICT “あの”ヌードペン系(アムステルダム/オランダ)
・傾けるとオイルの中をキャラクターなどが移動するボールペン
・“あの”ヌードペンでお馴染み
・端から端まで、約6秒間の浮遊体験
・1951年にデンマーク(ストアメルローズ)のエスケセン社が開発
・きっかけはエッソという石油会社がオリジナルグッズのために発注
・正規品はすべてデンマーク製



最初の1品

きっかけは、雑誌「Casa BRUTUS」を年間購読したときのこと。その際の特典としてフローティングペンが5本セットで送られてきました。
これが僕のフローティングペン第1(〜5)号です。

名作チェアが色づいていく絵柄
名作チェアが色づいていく絵柄 その2
名作チェアが色づいていく絵柄 その3
名作照明が色づいていく絵柄
カーサブルータスのロゴ・キャラクター

いや、思い返すと、そんな「おまけで届きました」というようなものではなくて、実際はこのフローティングペンに惹かれて年間購読を決めたような気がします。

何がよかったんでしょうね。
当時の僕は建築を学ぶ大学生で、何か建築やデザインの雑誌を定期購読してみたいという気持ちがあったところに、このgroovisionsのポップなデザインが背中を押したんでしょうね。


しばらくは特に集めるというようなこともなかったのですが、数年後にドイツへ留学することになり、そこでいくつか見つけてからがコレクションスタートです。

市章にも描かれる熊がまちをカッポしてる(ベルリン/ドイツ)
熊じゃなくて、飛行機(ベルリン/ドイツ)
飛行機じゃなくて、観光バス(ベルリン/ドイツ)
エルベ川の遊覧船(ドレスデン/ドイツ)
ウラ面は、地名など絵柄の説明が記載されている


留学中の1年間、ヨーロッパをうろうろするうちにいろんな観光地のものが集まっていきました。やはり、スーベニアショップで見つけることが多かったです。

セーヌ川クルーズ(パリ/フランス)
青の洞窟(カプリ島/イタリア)
ゴンドラで、水上散歩(ヴェネツィア/イタリア)
ウィーン名物のスペイン乗馬学校(ウィーン/オーストリア)
テムズ川の遊覧船(ロンドン/イギリス)
タワーブリッジとテムズ川の船(ロンドン/イギリス)
あの4人とアビーロード(ロンドン/イギリス)
ロンドン名物2階建てバス(ロンドン/イギリス)
ウェストミンスター寺院とのぼっていくバラ窓(ロンドン/イギリス)
ウェストミンスター宮殿と蒸気ボート(ロンドン/イギリス)
ユングフラウを行く犬ぞり(ベルン/スイス)
クライネ シャイデックの登山鉄道(ベルン/スイス)
アルプホルンを吹く人とユングフラウヨッホ(ベルン/スイス)
ティンゲリー美術館(バーゼル/スイス)
おそらく実在しない木靴の舟と風車(オランダ)
運河クルーズ(アムステルダム/オランダ)
バイキング船(デンマーク)
アマリエンボー宮殿の衛兵交代式(コペンハーゲン/デンマーク)
観光客?(コペンハーゲン/デンマーク)

こうやってみると、ペンの中で動くのはやっぱり乗り物が多いですね。
特に船はフローティングと相性がいいので。
でも、たまに変なのが混じってて、ストーリーを考えるのも楽しいポイントです。
(バラ窓がのぼっていくのとか、よいです。)


その後、日本や海外でも探すのですが、ヨーロッパほどは見つけられません。
キャラクターものはチラホラ見かけます。

キングコング(ニューヨーク/アメリカ)
アラスカクルーズ(バンクーバー/カナダ)
三鷹の森ジブリ美術館
バーバパパ
チーズスイートホーム
Dick BrunaのPaperback
ビームスとセブンイレブンのコラボ



小さなこだわり

フローティングペンの形状は数タイプ存在するみたいなのですが、僕が持っているのはすべて「ロングサイズ」という最もクラシカルなものばかりです。
同じものが揃っているというのは僕にとってすごく気持ちいいことです。

なので、「ニュースタイル」など、フローティング部分がより大きいタイプもあるのですが、僕は手を出していないです。

すべて大きさと形状が一緒。
ということは、持ち手部分と頭部分の色がついているところを入れ替える「着せ替え」ができるんです。

大体、売っているときは「この絵柄にこの色じゃないんだよなー」という状態で見つかります。
おそらく、発売当初はもっとカラーバリエーションがあったんでしょうが、数十年経ったいまでは数本売れ残ったような感じで売られています。
限られた色から選ばざるを得ない。

ということで、勝手に着せ替えています。
新しいものを買ってきては、持っているものとの着せ替えを楽しんでいます。


刻印にもいくつかパターンがあるらしい

今回調べてみてわかったのですが、僕が持っているものの中でクリップに刻印のないものがいくつかありました。これはどうやらエスケセン社がつくったのではない非正規品ということみたいです。

ただ、それも着せ替えてしまっているため、結果、どれが正規品でどれが違うのかもはやわかりません。
すみません…



あなたにとってフローティングペンの魅力は?

さて、僕はフローティングペンのどこに魅力を感じているんでしょうか。
自分でもあまりよく分からずにこの記事を書き始めました。

例えば、フローティングするさまが好きなんでしょうか。
これはありますね。動くものを見ているのは結構好きです。

バイキングが船から飛び出す

でもペンは普段奥にしまってあって、特段持ち出して動かしたりはしないです。
今回、10年以上ぶりにじっくりみました。


では、ペンが好きなのでしょうか。
文具は決して嫌いではないですが、フローティングペンをペンとして使ったことはおそらく一度もないですね。ペンという認識はないです。
どちらかというと、おもちゃですね。
僕はおもちゃが大好きです。

ファビュランドシリーズのレゴ

おもちゃといえば、レゴブロックで遊び育った僕にとって、このいかにもヨーロッパっぽいポップなカラーリングはついつい惹かれてしまいます

そう考えると、最初の1品がポップなカラーの5本セットだったことや、絵柄にあうように着せ替えをしていることも、なんだか納得できました。


ただ、世の中にはもっとたくさんのフローティングペンがあります。
僕が持っているのはわずか40本ほど。
いまやオークションサイトなどでいろいろなフローティングペンが買えるのに、さほどあまり興味がありません。

ということは、そのモノよりも、その場所に行って探す・発見するという行為そのものが好きなのでしょうか。
それもありそうです。


もしくは、思い出や記念品としての価値をこのフローティングペンに感じているのでしょうか。
今となってはこれらをいつどんなお店で買ったのか、全く思い出せないです。
ただ、絵柄そのものというより、その地域での思い出は蘇ってきます。

他にも集めているものはいくつかありますが、思い出が価値になっているものも多いですね。
僕にとって思い出は重要なキーワードなんでしょうね。

なるほど。こうやって改めてペンを眺めてみることで、少し自分のことを整理できたような気がします。



さて、今回は僕が集めているフローティングペンについてのご紹介でした。

僕は特別フローティングペンについて詳しいわけでもなく、熱い思いがあるわけでもないので、自分との関係について書き連ねてしまいました。

モノについて考えていたはずなのに、気づけば自分のことについて話している。

強調された偏愛でなくても、偏愛未満の”普通の暮らし”にだって(むしろ、普通の中にこそ)その人らしさは潜んでいる、そんな気がしました。

ということで、偏愛未満コレクション。
またをお楽しみに。



<この記事に登場していない商品の情報>
記事とは関係ないけど文具つながりということで、僕たちのつくっている商品をご紹介。

ペーパーナイフ

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