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次の小説のうち、ひとつを読み、そのあらすじと、感想を書きなさい。(800字) 選択した小説:『キッチン』吉本ばなな

『∞』

君がこの世で一番好きな場所はどこか?母校か、押し入れの中か、それとも恋人の胸の中か。この本に出てくる主人公の答えはキッチンだそう。おばあちゃん子だった幼い頃の記憶。男友達とその母親(元男性)との奇妙な共同生活の記憶。その二つ、いやその二つ以上の記憶が彼女にキッチンを好きにさせた。

モノ、特に場所を好きになる理由の大半は誰かとの思い出だ。魅力は人が作りだし、人が味わう。数年前引っ越し会社のCMでも「家は人が住まないと死ぬ」なんてことを謳っていた。家の中でも食事を作るキッチンは特にこの気質が強いと思う。

食事は人間を物理的・精神的に保つうえで最も重要なことだと私は思う。
まず物理面。人は食べ物を口にしなくても約3か月は生きられる。だが、食べ物を口にしない三か月を過ぎてから、健康な生活を送れるかというと決してそうではない。絶食を含めた食生活の乱れは生活習慣病を引き起こし、ガンや脳卒中の発症率を大幅に引き上げる。食事は生命維持上とても大切なことだ。

次に精神面。辛いとき、よく甘い甘いパフェを食べていた。本当に辛く悲しく悔しい出来事もなぜか許すことができた。辛くない時でもおいしいものを食べると気分が上がる。人は食べることで幸せになれる。

反対に食べ物を使えば簡単に人を殺すこともできる。どこの誰が普段行くカフェのパスタに無味無臭の毒が入っていると予測できよう。

飲食とは人を幸せにして、命を救うこともできる。その反面、死に至らしめることもできる。幅広く無限大の可能性を飲食というものは持っているのだ。

君が将来、愛するパートナーのため、子供のため、あるいはお客様のためにキッチンに立つときにぜひこのことを思い出してほしい。そしてしっかりと考えてほしい。この無限大の可能性の中から何を選び、どのようにそれを表現するのかを。


※ある短大の宿題です。

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