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涙が出る寸前、頭の中に言葉が溢れ駆け巡る

いつもそう、傷つくことを言われたとき、嫌な思いをしたとき、瞬発的に言い返すのをグッと堪えながらも、頭の中にどんどんと言葉が湧いてきて、ぐるぐると駆け巡っていて、そのどれかを、本音に一番近くて、誤解を与えず相手に伝わりやすいものをと、慎重に選んでいるうちに、タイミングを見失ってしまい、結局何も言えず、その代わりに涙がボロボロ零れ落ちる。

言い返せないまま、相手に悟られないように泣いて、気づかれないようにと誤魔化しているくせに、言い返せなかった不満はいつまでも頭の片隅に残り、蓄積されていく。それが限界にきたとき、急に態度を一変させ、自分の殻に閉じこもり、相手を遮断する。


自分ならできる、と思ってしまう。無理をしている自覚もない。誰かに任せるくらいなら、やってしまおうという自己犠牲。誰にも迷惑をかけたくない、周囲の誰より働いていないと気が済まない。とにかく皆に褒められたい。

そうして全部を自分ひとりの頑張りでどうにかしようと、最後まで誰も頼ることができず、弱音も吐かず、我慢に我慢を重ねてしまい、不意に押し寄せる不安や不満の波にのまれ涙が出る。涙は出ても言葉は出てこず、ただただ泣いている。何度か繰り返すうちに、糸が切れたように頑張れなくなり、無責任にも姿を消そうとしてしまう。全部放り投げたくなってしまう。


わかっていても、同じことを繰り返してしまう。
長女として育ったせいか、優等生として幼少期を過ごしてきたせいか、誰かにとっての都合がいい自分であろうとし過ぎてしまう気がする。自分が思ったことを言う、自分のしたいことをする、そういう当たり前のことが、誰かを前にするとできなくなる。辛さや弱さを認められないでいてしまう。できないと思われたくないし、とにかく誰からも褒められたい。みんなにいい子だと思われたい。誰にも嫌われたくない。


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