メモ書き程度に、考えをまとめた。
心理学、精神医学の専門家は、
患者に関われば関わるほど、
心の研究をすればするほど、
心というものが「わからなくなる」ようだ。
(ことわり書き:
薬で精神不安定が治るケースもあるが、それは器質的な要因に効いたのだろうから、ここで述べる"心"とは区別する)
心理学といえば、真っ先に名前が出てくる河合 隼雄先生。
河合隼雄先生は『こころの処方箋』の冒頭で
と、述べている。
日本を代表する統合失調症研究者の中井久夫先生。
中井久夫先生の有名な名言に
中井久夫先生の数々の著書は「精神科医のバイブル」と言われているが、「私は心の専門家だから、治せますよ」などとは安易に言わない。
精神医学と哲学の交わる領域の
『現象学的精神病理学』を打ち立てた木村敏先生。
と、「理解できなかった」反省を超え、罪滅ぼしの境地に至っている。
このように日本の偉大な心理学、精神医学は、
一同に「私は何も知らない、何も出来ないのかもしれない」と不確実性の中で、反省しつつも、
「それでも」と一歩踏み出し、踏み出し、
臨床と研究を重ねているのだ。
心の探究を文献にまとめた最古のものは『唯識』ではないだろうか。
(文献として残っていなくても、瞑想やヨガ行で行われていたかもしれないけど)
ただし、唯識では深層意識の"構造"はなんとなくわかったけれど、"内容(思考やイメージ)"というものが何なのか判明したとは言っていない。
その後も、西洋・東洋の哲学者が心の探究を続けているが
「私は、心というものを解明した」と断言した人は、未だにいないのである。
心のことは、専門家にもよくわからないようだ。
知れば知るほど、無知を自覚することはわかった。
となると、果たして、心の専門家とは何なのだろうか。
厚労省
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