AI時代の責任をとらない大人たち
「おい、どうやらAのやつ、辞めさせられるらしいぞ」
「まじかよ! いったいどうして」
「実はAが主導で動いていたプロジェクトが失敗したらしいんだ」
「あのAが・・・あんなに周りが持ち上げていたのに」
「ああ、成功しているときは持ち上げるだけ持ち上げて、失敗したらコレだ。世知辛いね」
「いままではみんな、ずっとAのいうことを信じてきたっていうのに…」
「まったくだよ」
「Aは最初から成功と失敗は半々としたうえで、投資になるとして提案したプロジェクトだったらしいのに、ひどいもんだな」
「じゃあ、Aはまっとうな判断をしていたっていうのか・・・」
「そうでも株主は失敗や損を許さないからな」
「しかし、ここでAを切るなんてな。今後もっと大きな成果を出すかもしれないのに」
「そうだな。しかし、誰かが責任を取らないと株主は納得しないんだよ」
「やれやれ、じゃあ体面のためにAは切られるっていうのか・・・」
「そういうことだ」
「後任はどうなるんだ?」
「どうやらBというのが入ってくるらしい。最近業界で鳴り物入りの奴さ・・・・」
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「というわけで、いままで使用していたプロジェクトAI「A」の利用を停止し、今後はAI「B」を弊社では使用することにします。
AI「A」はビックデータの活用、解析から弊社プロジェクト推進に多大な貢献をしてくれておりましたが、一部予測数値に大きな乖離が見られたことにより信頼性が低下したため、やむを得ない判断となりました。
後任のAI「B」は昨今ニュースでも取り上げられているニューロプランテック技術を利用した最新AIで○○が××で・・・・・」
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