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台湾生活記

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生活が「せいかつ」から「Shēnghuó」になるまで
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你好,再見

你好,再見

投稿の止まったSNSアカウントを交換するのは、私とその人の間に関係の記憶という細い糸を伸ばすかのようだ。

外を歩くだけでもクラクラするくらい暑かった台北の夏は、中秋節を過ぎたあたりからはいつの間にか涼しくなっていた。
日本に住んでいるみんながあのぎゅっと冷たくてあたたかい風吹く秋の始まりをSNSで知らせる中、こちらは日々梅雨のように雨が降っていた。

9月17日(四)は中秋節だった。
新月を1日

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語学、言語、言葉、人、人、人

台北という新たな土地での暮らしをまるで映画のようだと感じていたのは、登場人物の少なさにあったかもしれない。
少しずつ、少しずつ、私の生活物語の登場人物は増えていた。
登場人物が増えるとそれは生活になっていく。

語学学校が始まって2週間が経つ。
中国語を学びに世界各国からたくさんの人が集っているという、今までの私の人生で全く出会わなかった初めての光景に圧倒された。
母語が違う私たちが中国語を勉強す

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台北流行音楽中心|アジア音楽フェス「JAM JAM ASIA」

台北流行音楽中心|アジア音楽フェス「JAM JAM ASIA」

アジア音楽のフェス「JAM JAM ASIA」

二回目の禮拜天(日曜日)、台湾に来て初めての音楽イベントに行った。
「JAM JAM ASIA」は台湾を中心に日本、韓国、タイ、ベトナムなどのアーティストが集結するアジア音楽のフェス。
場所は台北市の少し外れにある「台北流行音楽中心」で行われ、会場は室内メインという、まだまだ夏が続く台湾ではありがたい形で見られるフェスだった。

「台北流行音楽中心

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禮拜一から禮拜天

禮拜一から禮拜天

地下鉄の駅を出たら夏が続いていた。
飛行機に乗ってしまったらもう降りられない。始まるしかない新しい生活は飛行機の機体がバック走行ができないのと同じようなものだ。
川が流れていくように身を任せ、辿り着いた台北という場所では感傷さえ忘れるほどけたたましいバイクの音が鳴り響く。
太陽が照りつける時間、歩いているだけで何かを吸い取られていきそうなくらい暑いこの地での一週間はあっという間に過ぎた。

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