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透明無題日常劇場

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これは日記。すなわち、透明無題の日常を綴る一個の人間の、魂の軌跡、生命の神秘、宇宙的エロスの三文芝居。
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#透明無題

透明無題 2023/08/07

透明無題 2023/08/07

基本情報技術者試験を受けた。受かった。試験終了後、すぐに結果が出る。結果を見て、「ああ、そうか」という感じでベルを押し、職員を呼んで席を立つ。90分と100分で疲れた心には、結果を味わう余裕はない。

結果を味わうような、余韻スペースなんかがあればいいなと思う。結果がすぐに分からない試験でも、試験後の知恵熱を冷ましたりできる。それぞれの試験のそれぞれの受験者がそれぞれの余韻に浸る。そのスペ

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透明無題 2023/08/06

透明無題 2023/08/06

明日は試験。朝から仕上げの復習をしていた。三時ごろに一通り整理ができたので、寝転んで窓に流れる雲を眺めていた。雲はじんわり流れていたが、雲にしてはすごい速さだった。順番にカーテンの縁から現れ、窓の端へと消えていく。いつもこんな感じで流れてくれたら、ずっと見ていられる。見ていると、時間ものびのび流れていく。空は気持ちいい。

空に飽きて目を室内に移すと、部屋と外の明度の落差に慣れない目は、外

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透明無題日常劇場 2023/08/05

透明無題日常劇場 2023/08/05

なんとかかんとか、宙ぶらりんの夢を見ながら生きている。

今日は暑かった。Tシャツの中で汗が流れるのを感じながら、ユニクロまで歩いた。下着と家着の半ズボンを買った。最近は穴が空いた下着とか、半分くらい裂けた半ズボンで過ごしていたから、これからの家の下半身はマシになる。見た目も心もマシになる。

今日は暑かった。建物の陰から陰へ、隠遁者のように歩いた。太陽はそんな人間を許さない。都市設計は陰が続くよ

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透明無題日常劇場 2023/08/04

透明無題日常劇場 2023/08/04

 マンションの階段を降りて行ったところで、手すりの端にGを見た。Gはテレパシーで俺の存在を悟り、羽を広げ、ジリリと羽ばたきながら飛んで逃げた。低く低く、飛んでいった。きもい速さで飛んでいった。
 ぞわぞわする。Gの羽ばたきが俺の腕に張り付いている。取れない、消えない。数秒の内に刻印された不快な動きが、俺を離れなくて思い出す夏の、じゃりんこの道。

 俺は眩いほどに美しい少年だった。友達もまた、眩い

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透明無題日常劇場 2023/08/03

透明無題日常劇場 2023/08/03

 はて、何を書いたら心は癒えるのだろうか。

 別れの電話から三週間経った。彼女に振られたのであった。電話の向こうからの、「もっと私に興味持ってよ」と、「無職の人間を通しては二人の未来が見えない」とが、私の身体を穴だらけにした。
 一年間の無職のあいだ、坂口安吾安吾全集を読み、哲学史や日本史をなぞり、切り絵をし、お昼に「ぼのぼの」を観、アクリル絵の具で絵を描いたりして呆けていた。就職と収入の目処は

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透明無題日常劇場 2023/08/02

透明無題日常劇場 2023/08/02

 水々しい夕方の空に似合わず空気は暑い。

 空に住みたい。空でタバコ吸いたい。肺ガンになったら、地に堕ちるとか。隣の町に喫煙者落ちてきたらしい。ガン細胞が飛び散っていたらしい。とか。徳島に落ちた喫煙者、生きてたらしい。だとか。

 今日は誰も降ってきていないし、そもそも空でタバコ吸ってる人がいなかった。あと、基本情報技術者試験A科目。過去問を解いた。よくできた。もう勉強せんでもええと思う。飽きて

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透明無題日常劇場 2023/08/01

透明無題日常劇場 2023/08/01

 来週ぐらいに基本情報技術者試験を受けよ思うとる。ほんでその試験にはA科目とB科目ゆうんがある。で、B科目の過去問なんか解いてたら一日が終わった。記憶がない。Bは「病気」のBかもしらん。ほな、Aは何や言うたら、これが分からん。ここんところが基本情報技術者試験の難所や思う。

 愛は難しく考えたら難しい。せやから、愛のAやないか?しかし私の勉強不足なのか、勉強中にひと欠片の「愛」も見当たらんかった。

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透明無題日常劇場 2023/07/31

透明無題日常劇場 2023/07/31

 失恋の傷を音楽に癒される。

 プリンスの「Thunder 」を聴いてはぐるぐる巡る猜疑の旋律に身を託し、ゆらゆら帝国の「星になれた」で身体が終末的な風景に溶け、ナンバーガールの「透明少女」で感電した俺の裸体は夏の彼方に投げ出さたように思う。

 なぜかそれがすごく癒される。「プリンス」「坂本慎太郎」「向井秀徳」という濃ゆい個性の劇薬が心を麻痺させるのかもしれない。俺がひねくれてるのか、定番のT

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透明無題日常劇場 2023/07/30

透明無題日常劇場 2023/07/30

 今日はさて、昨日もさて、七月十二日の別れの電話から三週間が経とうとしている。永遠みたいな寸刻のうちにITの人たらんと欲する道を敷き、レベルワンの資格を取った。ITパスポートというダサい名前の資格を。

 さてまたさて、勉強に勉強を重ね、試験問題を解けるように解けるように頑張っていやがる、俺は。くだらん日々だ。勉強して分かるようになるなんていう当たり前に、この身一つの安心を委ねてやがる。なさけねぇ

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透明無題日常劇場

透明無題日常劇場

 暑いからとて日記するなる 大阪の夏

 自分の中の諸々を諸々としたくなったのが4日前。私には諸々あった。そんな風な諸々を、半年前に飽きたnoteに寄せる。

 この日記は以下のような趣旨で書いてみる。

 すなわち、透明無題の日常を綴る一個の人間の、魂の軌跡、生命の神秘、宇宙的エロスの三文芝居。嘘か誠か、はたまた嘘か、言葉にすれば何でも嘘か、爪垢ほどの誠があればこれ幸いと。つまりは雑文、書き遊び

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