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#詩
透明日記「いと丸き屁のような詩」 2024/06/22
「エビ」
エビのかたち、意味わからん
ちょっとキモい電車みたい
乗りたい
あっ、後ろに動くんか
なんか思ったの違う
ますます 乗りたい
乗りたい乗りたい乗りたい
「光あれ」
光る生き物もいるというのに
なぜおれのからだは光らないのだ
言葉で好きと言うよりも
からだが光った方がおもしろいじゃないか
「豪遊日記」
お昼過ぎ、すごそうな人と会った
おでげすは光の速度で走れるでげすよ
こちらで
透明日記「詩を書く」 2024/04/22
詩を書く。
「信号待ち」
自転車が信号を待つ
じじいがタバコに火をつける
子どもは母と手をつなぐ
車が通り過ぎ
車が通り過ぎ
車が通り過ぎる
ぼやけた雲が街をおおう
交差点は色を失い
灰色の風景がわたしをこまかく切り裂く
一滴の血さえ噴き上げず
肉片のわたしはアスファルトに染み
路上の小さな突起となった
「女のうどん」
初対面のさびしい女が
かしこそうな教科書を肘で揉み
細切りにしてうど
透明日記「冬の夜中に真夏の昼を」 2023/12/23
「冬の夜中に真夏の昼を」
骨まで的屋になった男がひとり
ありし日の面影は影さえ留めず
テキーラ呑んで路上に溶ける
冬の夜空に燃えるのは アモーレ アモーレ
的屋の男の少年時代
少年の家のテーブルに乗って
唯一無二の友人が 回った回った
大の字になってテーブルで 回った回った
夏休みの中心が 回った回った
いつかの過去の夏休み
回転し続ける友人
路上に溶ける的屋の現在
的屋は友人にキスをした
透明日記「賑やかな詩」「灰皿」 2023/12/21
「賑やかな詩」
すみやかに賑やかになれ
すみやかに賑やかになれ
隅田さんにこれ届けてほしい
隅田さんにこれ届けてほしい
渡辺さんにもゆうといてほしい
綿菓子食うようなガキ、連れてくるな。と
渡辺さんにもゆうといてほしい
綿菓子食うようなガキ、連れてくるな。と
村田くん、これどうなった?
すす すみません すすんでいません
村田くん、これどうなった?
すすみません 右折もムリです すみません す
透明日記「絢爛の瞬き(またたき)」 2023/10/02
詩を書いた。
「絢爛の瞬き」
色ガラス
擦り切れる季節
風景は舞う
イノチ錯落と散り果てるは
絢爛の瞬き
日射し照る手摺より眩しき仮初の
雀のまばたきに酔ろう
絢爛の瞬き
惰性に塗れ、煙
化する心疾く流れ空転の
歯車に惑う褪色の瞳もて
絢爛の瞬き
移ろう人の人混みに
漂い透ける鈍色の
夜の穴倉虚ろなる風の声夢む
絢爛の瞬き