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透明日記「雷の町」 2023/08/26

朝から耳が痒くて綿棒でほじると、奥の方で膿が出てた。前日にほじりすぎるとたまに出る。これが出ると痒くてほじり甲斐はあるが、程々にする。程々にしなければ、バイ菌が脳に行って人を殺すという。数年前に海外で死んだ人があった。それでも私はほじり続ける。リスクがあるとて、止めれるわけではない。

ただ、昔に一回だけ起きていられないほど、耳がジンジンしたことがあった。耳だけでなく、頭半分ジンジンした。目も開けていられなかった。布団で耐えてそののまま寝たが、恐ろしかった。

この経験を踏まえた上で、耳の穴を攻める。気持ちがいいので仕方ない。顔面は最大に弛緩して、心が現実を離れる。どこでもない耳ほじり特有の閉じた世界にいざなわれるのだ。

朝起きてすぐ現実を離れたわけだが、戻ってきてからは勉強をした。Java silverなる資格勉強の復習をして、二つ目の模擬試験を解く。結構できた。ちゃんと苦手ポイントを復習したから当たり前だ。それに気付くと、白けてくる。

点数を競うテストは面白くない。勉強したらできるようになるというのは、当たり前すぎてダメだ。基礎には暗記することが大事なんだろうけど、覚えていたら解けるような試験の勉強は飽きてくる。基本情報技術者試験のときもそうだったが、ある程度勉強を進めると飽きる。飽きた頃が試験の受け頃かもしれない。

夕方はまた雨が降った。雷がゴロゴロ鳴って、激しかった。雨が止んだあとの空は雲がいい色で浮いていた。淡くて、灰色がかった青色で、心にしみいっと染みてくる。夕方の東の方の青空は、水々しくて見ているだけで魂が潤う。

夜になってコンビニに行く途中、遠くの空では稲光が雲の中にくぐもっていた。黄色っぽく雲を染める。オレンジのときもある。夜空に光る雲の陰影が美しかった。

雷鳴とどろく夜の町を歩いていると、魔界みたいでカッコいい。散歩する柴犬が車に威嚇していた。魔界の犬っぽくていい。路地の向こうの十字路を過ぎるバスが、暗い影になっていた。行き先不明のバスのようだった。

昨日のカレーは魔界とは無関係に、カレーうどんとなる。昨日修理した引き出しも魔界とは無関係に、木工用ボンドで引っ付いていた。明日も魔界とは無関係に、訪れるのだろう。

そう言えば、詩もつくった。

「空模様」
   くっきりしていて
   さわがしい
   張り裂けそうで清々しい
   裏切り者の積乱雲
   
   あわく切なく
   うるわしい
   眩暈がするほど懐かしい
   なみだ色した夕間暮れ
   
   ふれられなくて
   くるおしい
   儚さばかりが愛おしい
   浮力をもった星の空

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