フォローしませんか?
シェア
乙 まみこ
2022年7月30日 22:01
サイの目の夢は サイになる夢自分がナニモノかもわからずコロコロ転がる夢の中サイの目の夢は サイになる夢カドで立ったらどっちへ行こうかコロコロ転がる夢の中サイの目は 何を見る目サイの目は 明日を見る目サイの目は 運を天に任せるようなサイの目は 何も気づいてないような自分がナニモノかもわからず、コロコロ コロコロ夢の中コロコロ 夢の中サイの目の夢は サイになる夢コ
2022年7月29日 22:58
「ミイちゃんはみつけるのがじょうずだね」未菜子なぜか子供の頃からよくそう言われていた。父親が結婚指輪をなくした時、ふと頭の中に映像が浮かび、「お父さんのズボンのポケットにあるよ」と言い、母親がクローゼットに掛けてあった父親のズボンのポケットの中に手を入れたらそこに指輪はあった。祖父の入れ歯がなくなった時は「おじいちゃんの入れ歯、冷凍庫の中で凍ってるよ」そしてやはりそこからキンキンに
2022年7月28日 21:51
何かの気配に見上げた窓の向こうにその子は佇んでいた。白くひかる壁の家で。同じ町内で同じような年頃に見えるけれど、学校でも公園でも、近所のコンビニでもその子を見たことがなかった。見かけるのはその窓際だけだった。さみしげなというふうでもないけれど、笑顔でもなく、ただいつも外を見ていた。気配に気付いてからはなんとなく気になって、道を通るたびに窓を見上げた。雨の日は窓際のその子も空を見上げて
2022年7月25日 20:04
「ねぇ美沙ちゃん、みんな元気にしてるかなぁ。今年は何人集まれるかなぁ」「この歳になると、もういつ誰がいっちゃってもおかしくないよね」「そうだよなぁ。俺たちもそんな歳になったなぁ」美人ママ(家族的な意味と職業として)のあとを継いでスナック来夢を切り盛りしている瑠美のところには夜になると誰かしら同級生が来ていた。「ねぇケンちゃん、そろそろ本当に同窓会しない?」「そうだなぁ。そのうちそのうち
2022年7月24日 22:43
「見ちゃったよ。見ちゃったんだよ。どうしよう…」その声にビクッとなってすぐには振り向くことができず、男は二度瞬きをしてからうつむき加減にゆっくりと振り向いた。携帯電話で誰かと話しながら足早に自分から離れてゆく背中をみつけて後を追った。追跡から逃れるようにスピードを上げてその背中はどんどん小さくなり、人混みに消えていった。「だめだ。もう終わりだ。僕の人生は。今ここで見られたことをきっと警察に
2022年7月22日 22:20
何もかもが急にイヤになって私はその部屋を飛び出した。あんなにお気に入りだった水色のコートも、赤いデッキシューズも蚤の市で一目惚れしたスカーフも、全部、全部どうでもいいものに変わってしまった。不器用な私の身体の凹凸にすっかり慣らされて、やる気の抜けたブルーデニムにそろそろ二軍落ちするはずだった泥水の滲んだスニーカー。着の身着のままをわざとやってみせたような服装で、そのくせなぜだか右手には小さ
2022年7月21日 22:09
その人と会っていることは秘密だった。法に触れるだとか、別に何か問題があったわけではないけれど、きっと母はあまりいい顔はしないだろうと判断をして私はずっと秘密にしていた。電話が二度鳴って切れたらその夜はその人がやってくる合図だった。私は大袈裟に眠いふりをして早めにベッドに潜り込んだ。うっかり本当に眠ってしまわないように布団をかぶってその中で瞬きもせず家族が寝静まるのを待った。母の足音が家の