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2019年3月の記事一覧
「カエルのいる森」解説
この作品はキャプロア出版刊週刊キャプロア出版第16号「家」編収録のために書いた作品です。
前回noteに投稿した作品では、「家」というテーマを「地球」というモチーフで書きました。
その作品をボツにして、その次に思いついたのが、この作品。「家」とは、帰る場所であり、家族のつながりであるという解釈です。
さて、枕が変わると眠れないなどの話をよく聞きますが、ぼくもそのクチで、昔から旅先や、ス
「スポットライト」解説
この作品は、キャプロア出版刊週刊キャプロア出版第12号「夢」編に掲載されました。
このときのリーダーは、テーマが「夢」ということで、もっとポジティブな作品が出てくると想像していたのかもしれません。
その意味では、申し訳なく思っています。
この作品を書いた当時、ハマっていたミュージックビデオがありました。その作品の世界観を描いてみたくて書いた作品でもあります。
SFやファンタジーな
スポットライト(1600字)
学園祭の看板を横目で見ながら車で校門前を通り過ぎた。もう終了する時間のせいか、夕焼けが残る景色には人の姿はない。敷地のフェンスを越え、1本目の角を曲がって車を停める。娘と待ち合わせだった。
本当なら娘は学園祭終了後に後夜祭の予定だったのだが、娘から後夜祭には出ずに帰るからと妻に連絡があった。何かあったな。わたしは車で迎えに行くと娘に伝えた。
車の時計を確認する。娘との待ち合わせまではまだ10分
「ひきつれ」(1600字)
視界が燃えていた。夢なのに私は炎の熱さを感じていた。声を出してはいけない気がした。更に炎が近づく。我慢が限界を超え私は泣き叫んだ。
自分の声で目が覚めた。パジャマが汗で濡れている。胸の谷間までグッショリになった。またか。もう何回同じ夢を見ただろう。
のどが渇いていた。ベッドから降り部屋に備え付けのキッチンの蛇口をひねる。コップに水を汲み、立ったまま飲み干した。
火事にあい両親を失ったのは本当のこと