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「水素は怪しい」読めば変わる、そのイメージ!①水素の凄さをカンタン解説

水素は怪しい…そう思っている方が少なからずいる。でも医師としては、やはり正しく理解してもらえたらなぁと思っていまして、せっかくnoteを書いていますし、水素についてのやさしい解説をしてみたいと思います。

もしご自身、または身近に重度軽度の疾患を抱えている人がいれば、参考になる話があるかもしれません。昨今「超発展途上の水素治療」について、どうぞお付き合いください🍀

1.水素とは?

みなさんは「水素」について理科の授業で習ったことを覚えていますか?

◎水素(H2)はこの世で一番小さな分子(※)。
◎酸素(O)と結びつくことで、水(H2O)になる。

※分子:物質特有の性質を示す最小の粒のこと。(下記参考)

分子

実は、この2つのポイントが、体にとって素晴らしい働きをする肝になるのです。読み進める前に、ぜひ覚えておいてくださいね。


2.水素のすごさを知るには「活性酸素」と「抗酸化物質」について知る必要がある

~酸化(活性酸素)が身体の不調を起こす

水素の働きを知る前に、「酸化」というものが身体に及ぼす影響をご説明します。水素について正しい理解をするために、少しだけ遠回りをさせてくださいね。

よく例えとして出されるのが、カットしたリンゴ。切ってから時間が経つほど、表面は変色していきます。この現象は、リンゴの果肉が空気に触れ、酸化することによって起こるものです。

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わたしたちの体内にも、呼吸により酸素が取り込まれると、その酸素を体内で利用する副産物として2つの物質が生まれます。
①ひとつは、二酸化炭素。私たちが吐く息として体外に放出されますね。
②もうひとつは「活性酸素」という物質。この「活性酸素」は細胞を「酸化」させ、あらゆる体の疾患、病気、老化に繋がるやっかいな物質なのです。

つまり、私たちは、もはや生きているだけで、活性酸素が細胞を劣化させているということなのです。

様々なメディアやSNS広告などでは、「活性酸素除去」という言葉が強く打ち出されるようになり、悪者に捉えられがちな「活性酸素」、実は活性度合いにより、2つの顔を持っていることが分かっています。

●善玉活性酸素(スーパーオキシド、過酸化水素、一酸化窒素)
●悪玉活性酸素(ヒドロキシラジカル、一重項酸素)

この2つです。この話は「知らなかった!」という患者さんが多いのですが、いかがでしょうか?

悪玉善玉活性酸素


🌟善玉活性酸素は酸化ストレスの活性度が低く、生理活性作用を持ちます(体の役に立つ)。例えば殺菌免疫作用、細胞間のシグナル伝達促進、成長因子を刺激するなど、良い働きをしてくれる。
また、がん細胞に対して白血球が攻撃をしかける時、白血球は善玉活性酸素を利用して癌細胞を破壊します。
「活性酸素=悪」ではなく、体にとって有益なものでもあるということがお分かりいただけると思います。

🌟一方、「悪玉活性酸素」は酸化ストレスの活性度が高く、細胞障害作用を持っています(体に害を与える)。上記図の通り、体に悪い影響を与え、がん、動脈硬化、心筋梗塞、アルツハイマー、そして肌の老化など、あらゆる疾患・体の悩みの原因とされています。
「悪玉活性酸素」(ヒドロキシラジカル)が増えてくると、体内の酸化・炎症・糖化の現象が起こり、細胞はダメージを受けていくのです。

また、呼吸をすることで活性酸素が発生すると書きましたが、それだけでなく、わたしたちが知らぬ間に、最初から「悪玉活性酸素」を発生させてしまっていることがあります。その原因・環境は

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・紫外線
・放射線
・大気汚染
・ウィルス
・化学物質
・タバコ 
・薬剤
・酸化された物質
など、体にとって有害なものは、ダイレクトに「悪玉活性酸素」の発生に繋がります。

また、脂質過多、運動不足などの悪い生活習慣でも「悪玉活性酸素」ヒドロキシラジカルは生まれます。これは酸化力が異常に強く、DNA、細胞内器官、細胞膜などを酸化させてしまうものです。

~からだを守る「抗酸化物質」

このように、常に私たちの体の中では「活性酸素」が生まれ、それが細胞を酸化・老化させることがわかりました。

反対に、その酸化から体を守る機能はあるのでしょうか?

ここに登場するのが「抗酸化物質」です✨

抗酸化物質は、活性酸素の発生を抑えたり、細胞などへのダメージを修復しながら再生するという働きをしてくれます。例えばβカロテン、ポリフェノール、リコピン、ビタミンCは食品からとれる「抗酸化物質」の一部ですが、もともと体の中に備わっている「抗酸化酵素」という物質たちも自己防衛機能を担います。双方がうまく働くことで、私たちの体は健康を保つことができているのです。

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~実は「抗酸化物質」は善玉活性酸素をも攻撃してしまう!⚠️

「抗酸化物質」が活性酸素を攻撃してくれる、私たちの味方ということが分かりましたが、この「抗酸化物質」は攻撃すべき活性酸素を選択することができません。

つまり、体の中で良き働きをしてくれる「善玉活性酸素」まで攻撃してしまうことがあるのです。

例えば、がん治療に使われる治療法のひとつに、「高濃度ビタミンC」投与があります。がん細胞の中に入った「抗酸化物質」ビタミンCは善玉活性酸素のひとつである過酸化水素を作ります。そしてその過酸化水素によって、がん細胞を劣化・死滅させます。そこまでは、良いのです。

ところが❗️このプロセスで「悪玉活性酸素」であるヒドロキシラジカルが発生してしまうのです。言ってみれば副作用のようなもの。このように多くの「抗酸化物質」は、すべての活性酸素を消してしまうか、攻撃すべき活性酸素を選択することができないのです。これは私たちにとっては困りものです。

~“選択的”抗酸化ができる唯一の物質が「水素」

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この問題への救世主、それがズバリ「水素」。
水素には強い抗酸化作用があります。そして何よりすごいのが、「悪玉活性酸素」のみ攻撃することができるということです。

2007年の『Nature Medicine』(医師・研究者のために重要な最先端研究に特化した生物医学の超一流ジャーナル)で発表されたのですが、水素は選択的抗酸化力を持ち、「悪玉活性酸素」のみに反応する物質であるということが分かっています。

水素は「悪玉活性酸素」と結びつき、それを無害な水へと変化させることができます。そして初めにおさらいした通り、最も小さい元素なので、人体のあらゆるところへ簡単に到達でき、悪玉活性酸素を攻撃できるという特殊能力を持っているのです👍

水素ができることは、「悪玉活性酸素」を除去すること。
とてもシンプルな機能。体内に取り込まれた水素が使われなければ、そのまま呼気として排出されるのですから、当然副作用もないと言えます。

この世で最も小さな分子、水素って素晴らしい物質だと思いませんか?
「怪しい!」と思っていた方の疑問を払拭できたでしょうか(笑)!

さて後編は、実際にどのように医療現場で水素が使われているのか、その導入例をご紹介しますのでどうぞお楽しみに。

3.まとめ

1.水素はこの世で最も小さな分子。酸素と結びついて水に変わる物質。
2.体の疾患、不調、老化は、細胞の酸化(活性酸素)が原因。活性酸素の中でも、「悪玉活性酸素 ヒドロキシラジカル」があらゆる疾患を引き起こす。
3.活性酸素には、善玉活性酸素もあり、体にとって必要な作用をする大切な物質。
4.体にとって有害な活性酸素を攻撃する働きを持つ「抗酸化物質」は善玉活性酸素までをも攻撃する。しかし水素は体に有益な善玉活性酸素には反応せず、悪玉活性酸素のみに狙いを定める抗酸化物質。かつ余剰分は呼気から排出され、副作用は一切ない優れた物質。
【参考セミナー】
株式会社セリスタ主催 Sunday Wellness Breeze
「医療現場での水素ガスの可能性」
医療法人社団医献会 辻クリニック 理事長
一般社団法人 臨床水素治療研究会 代表理事 辻 直樹氏
【参考文献】
『なぜ水素で細胞から若返るのか ~抗酸化作用とアンチエイジング』
辻直樹著/PHP文庫
辻先生の知見のシェアリングに深謝申し上げます。

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