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現代人の悩み「ドライアイ」にお困りの方へ!

日本は乾燥の季節、シンガポールは常夏…共に暖房やクーラーの効いた室内でスマホやパソコンをしていると、無意識のうちに、目が痛くなったり、しみたり、徐々に見えづらくなっていませんか?それがいわゆる「ドライアイ」のサイン。その原因と対策をかんたんにご説明します!

涙は3層でできている。そのバランスの欠如がドライアイを招く

ドライアイは、角膜を覆っている「涙」の蒸発のし過ぎが原因であるケースが多くみられます。実は涙は、大きく分けて、3つの層からできているのをご存知ですか(下記図参照)。
最も外側にあるのが「油層」、次に「液層」、そし角膜の真上にあるのが「ムチン層」です。

涙

① 油層:水層の蒸発を防ぎ、涙の張りを担う
② 液層:角膜や結膜を潤し、細菌などの進入を防ぐ
③ムチン層:水層の広がり方を助ける。角膜から分泌される粘液。

それぞれの成分やそのバランスに異常をきたすと、涙が不安定になります。では、なぜ涙が不安定になるのでしょうか?次の2つが現代人ドライアイの大きな特徴です。

✅コンタクトを長時間使用することにより涙が奪われてしまう。
✅パソコンやタブレット端末などのモニターを見続けることでまばたきが減少し、涙の交換がうまくいかなくなる。

これに加えて、自覚症状が現れるとドライアイという診断になりますが、実は自覚症状のないドライアイの方が非常に多く、検査をしてみると既に角膜に傷ができている方もいます。

暖房冷房で室内はかなり湿度が下がっているので、その中で、パソコン、スマホや読書などをしていると、瞬きの回数が少なくなり➡開眼している時間が多くなり➡涙が蒸発し➡ドライアイを引き起こしてしまうのです。

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瞬きの回数は、会話などリラックスしている状態で、1分間あたり16回程度、それがパソコンなど物を凝視している状態では、なんと6回程度まで減ってしまいます。
いかに空調の効いた環境下での眼の酷使がドライアイに直結するか、ということですね😢
また、残念ながら加齢により涙の分泌が減り、ドライアイとなっているケースもあります。

ドライアイにも種類がある。気になる方はぜひ受診を!

さて、ドライアイにも様々な病態があります。今は診察時に、涙が乾き角膜が露出するまでの時間や、涙のどの層に異常が起こっているかを調べ、そのドライアイがどんな病態なのかが分かるようになりました。
また、それを基に治療していく(涙の)層別治療が主流になっています。
例えばこれは、油層の形成が不十分でドライアイになっている方には、油分を追加するのがドライアイの改善につながるのであって、そこに水だけを補充していても、かえって涙の量が多すぎてしまい、視力の質を下げることになってしまうからです。
症状にお悩みの方は、ぜひ早めに眼科専門医にご相談くださいね。

症状の改善に有効な方法と目薬👀

ドライアイにお悩みの方が日常生活の中でできることをご紹介します。

瞬きを意識的に多くする。

就寝する部屋の空調はオフにし、他の部屋から暖気・冷気をもらう。

③まぶたからの油の分泌(マイボーム腺)を潤滑にし、内側の水分の蒸発を抑える。そのために、1日1-2回、ホットアイマスクなどの市販製品を用いて、まぶたを温める。(※ホットタオルはすぐに温度が下がってしまうため、温めることを目的としたアイマスクをお勧めします・下記写真参照

コンタクトレンズの方は、眼鏡に変えたり使用時間を短くする。

⑤環境・必要に応じ、加湿器で室内の湿度を保つ

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★ マイボーム腺(油)からドライアイ研究をしているLIME研究会(https://www.lime.jp)で、上記を比較検討した結果、「あずきのチカラ」が一番、効率よく、コスパがいいことが学会で発表されました。

そして、ドライアイのケアや霰粒腫(マイボーム腺の異常により油が出ずまりをして、しこりができる)がよくできる方に、ぜひお勧めなのが
瞼の洗浄「リッドハイジーン(Eye Lid Hygiene:瞼の洗浄)」。

アイシャンプー(メディプロダクト:下記写真)やティーツリー(ホワイトメディカル社)が安価で、ネット販売で入手できますし、使用方法など眼科でご相談されるのも良いと思います。

愛シャンプー

アイシャンプー(メディプロダクト)

点眼薬としては、主治医の方にご相談をおすすめしますが、一部ご紹介します。

① 日本でも処方されることの多い「ヒアレイン®(日本)0.1%/0.3%」、
「Hiarid®(シンガポール)0.1%/0.3%」

ヒアルロン酸点眼は水層を補う一般的な点眼薬です。(シンガポールでは街のドラックストアでも販売していますので、試していただいても良いと思います。コンタクト装用時でも点眼可能になりました。)
0.1%と0.3%の違いは、ヒアルロン酸の濃度の濃さで、0.3%の方がややとろみがありますが、逆にベタつく、という評価もあります。角膜の傷を修復する力はほぼ同等という臨床結果も出ています。どうぞお好みで。

ひあれいん

②日本で主流となっている最新のドライアイ点眼薬「ジクアス®」
日本で開発され、世界で初めて水層ムチンを補い、涙の量を増加させ、涙の安定力を作ることができる画期的な点眼薬です。この点眼薬は、某テレビ番組で紹介され「視力が回復する目薬」として話題になり、翌日の眼科外来は大変混雑したということもありました。
涙液が安定したことにより、日常生活での見え方(実用視力)が改善したことで視力が回復した、と言われました。
※シンガポールでも処方が可能です。

ジグアス

② 胃薬から開発された「ムコスタ点眼UD 2%」
胃の粘膜を保護するムコスタ錠からさらに研究が進み、眼表面の粘膜保護に役立つムチンを強化する働きがあります。
多少の抗炎症効果もあり、「上輪部角結膜炎」には特によく作用します。

むこすた

⑤ 水分の蒸発を防ぐ点眼薬「カティオノーム®」
涙の一番外側の「油層」を安定させる点眼薬です。こちらもシンガポールではドラッグストアで販売していますが、日本では現在のところ未発売となっています。

カティおのーむ


究極は、自分の涙を溜める「涙点プラグ」

涙は、目尻にある涙腺で作られ、目元にある涙点という排水口から、
涙小管という排水管を通って、鼻の横で合流し、喉の奥に流れていきます。
よく目薬をした後、苦味を感じるのがこの構造によるものです。

眼の構造


涙は、保湿、免疫、治癒力に優れているので、これをまぶたに溜めるために涙点をやわらかいシリコン性のプラグで蓋をする、または、コラーゲンを注入して、根詰まりを起こさせる、などを行うと、涙がたまり、眼が潤います。
半永久的で、眼科に行けば何回でも取り外し可能で、装着時間は30秒。
痛みをほぼ感じず
、処置がおわります。

涙点プラグ

まとめ

1.ドライアイの原因は、3層からなる涙の成分・バランスが不安定になること。加齢や、湿度の低い室内・乾燥した場所で瞬きが減ることで、涙が不安定となり、ドライアイが発症します。

2.眼に優しい生活習慣に改めたり、意識的にまぶたを温めるなどして、ケアを続けること、また眼科専門医にご相談の上、適切な点眼薬やプラグなどを使用することにより、改善が期待できます。

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