見出し画像

学問の頂点は芸術

大学生の頃、文系のことを少し下に見ていた。
理系文系とは関係ないかもしれないが、論理的でない話をする人に腹が立って仕方なかった。

その日も感情だけで話をする人がいて腹が立っていた。
そんなこともあったせいか、研究室に行き、日頃から抱いていた疑問を教授にぶつけた。

「文系の科目って必要ですか?」

社会や法律、漢字、古典、、、書籍やインターネットで検索すればすぐにわかることをなぜ勉強しなければならないのか?
理系は、知識を蓄えた上で、新しいものを生み出したり、改善できたりする。文系にはそれがないのではないかと。

すると教授は言った。
「一番偉い科目は何だと思う?」
ちなみに教授は数学のスペシャリストだ。

私は、悩んだ末「数学」と答えた。
数学がなければ、物理も化学もできず、文系科目ですら論理的にできないと思ったからだ。
現代の文明は数学が生んだ賜物ではないか。

教授は「不正解」と言った。そして続けて、
「学問の頂点は芸術だ」と言った。

「学問そのものの歴史を学びなさい。聖書や神話を学びなさい。」
と、優しい口調で怒られた。

学問について調べたところ、
芸術(アート)は崇高なもので人類が追い求めるべき領域であり、
学問の中では頂点に立つ存在であった。

ギリシア神話でも芸術が一番の学問とされており、特に詩歌、文芸、音楽、舞踊が崇高なものとして扱われている。
そのため、芸術に特化した神々が存在する。
「ムーサ」と呼ばれる学問と芸術の女神や、そのムーサの上に立つ「アポローン」と呼ばれる男神。「マルシュアース」や「タミュリス」といった音楽家、吟遊詩人の人物も登場する。
ここでは語りきれないので、興味を持った方はぜひギリシア神話に目を通してみてほしい。

ちなみに、学問のヒエラルキーで言うと、
美学・芸術を頂点とし、医学、文系の学問、それらを支えるための理系の学問 と続き、理系科目は一番下に位置している。

といっても、学問の分野に上下関係があるわけではなく、学問の歴史(神話上)としてはこうなっていたという話だ。

人間の感情を揺さぶることこそが学問の意義である。
絶対に正しいというわけではないと思うが、このような考え方があることを知った。
どちらにしても、理系が偉いという考えは間違いだ。

「なぜ勉強しないといけないか」という疑問については、また別の記事で書こうと思う。

=====
「フォロー」「スキ」「コメント」「シェア」よろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?