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一過性の幻です。高校生の頃のiPhoneのメモにあったおはなしを中心に載せています
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#短編小説

徒然なるママに

徒然なるママに

ママへ

今まで育ててくれてありがとう。私が小さい頃からずっと私たちの為に働いて頑張ってくれてありがとう。私も自分で働く歳になってママのすごさが身に染みてわかる様になってきたよ。あなた化け物だね。

二人とも奨学金を借りたとはいえ女手一つで私と妹をなんの不自由もなく私立の大学まで入れて、毎日3食きちんと作ってくれてお弁当も持たせてくれて、おかげで私たちにとってインスタント食品やコンビニご飯は憧れだ

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夢売り

私は夢を売っている

夢は不思議で自由だ。
なんせ寝ているのだから、
そんな寝て得る方の夢を作って売るのが私の仕事、

私は夢を作るために一度寝て、夢の中で夢を考えては練る。
夢の中では時間などないから自分の納得のいくように夢を作ることが出来る。
たとえば出てくるお家の内装から服の肌触りまで全部思い通りだ。

私が起きてる間に嫌なことがあったら腹いせに怖い夢を作り、嬉しいことがあったら、ふわふわし

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塩母

僕の母は父を殺そうとしている。
腎臓病で。
僕は知っている、なぜ母が父の弁当箱に直接ご飯を詰めないでおにぎりにしてから詰めるのかを、
答えは塩むすびという名目で塩を投与することができるからだ。
ちなみにそのおにぎりにする為の米も塩を入れて炊いてある。我が母の抜かりない殺意に恐怖すら通り越しむしろ尊敬の念すら覚える
そこまでして殺したいくらいならいっそのこと離婚でもしてしまえばいいと思うのだ。
僕も

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口は災いのもと

B太郎「あーだめだめ、あいつはガサツだから」
C吉「えっあのおしとやかそうなA子ちゃんが??!」
「あいつの見た目はあてにしちゃいかんよ、あれはゴジラだよゴジラ、メスゴリラとかじゃなくてメスゴジラ、ゴリラのが世界に対して無害に生きていける分マシだよ」
A子「うふふ♡がお〜♡(B太郎を消し炭にする)」

フロンさん

桜舞う四月僕は出会ったフロンさん、何人かはわからないカラッとした性格で焦げ付いたりしないサラッとした性格、よろしく、どんな熱さにも耐える強い人、
他の人を知らない僕はこの人と永く一緒にいるんだと思った
でも僕の怠惰からフロンさんを傷つけることになってしまった
君の上で具材切ってごめん
その時付いた傷から色んな言葉がくっついてカサブタみたいになってる
使う度出会った当初のスルッとサラッとした性格は失

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