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【脳の創造性、その謎を探る】

脳の病気ではありません。東大医学部で「創造性の脳内メカニズムに関する神経⽣理学的研究」の被験者になってきました。

3月のDONNUNEで真鍋大度さん、galcidさんとのトークセッション「クリエイティブ解体新書」にご参加頂いた「芸術的創造は脳のどこから産まれるか?」の著者、大黒達也博士の研究のお手伝いでした。

脳の64ヶ所の波形を2000万円する測定器を使って測定します。

脳波を測定する時のお題は、
「下の絵(写真左)を使って誰にも思いつかない様な絵を描いて下さい」

意識を筆先に持ってくる、線だけを見つめて気持ちが良い方に動かす。頭で描こうとしない、つまり、何を描こうと思わない。そうするとこういう絵が描けます。以前、絵を描いていた時もいつもそんな感じで「何か」しか描いてこなかったから、楽勝で描けました。久しぶりに絵を描いて楽しかったです。

描き終わったら評価とタイトルをつけます。

評価はすべて「創造的」。タイトルは思いついた文字を2つ「てど」「もろ」「にり」とか抽象的にしました。間に2分間リラックする時間を取りました。これを3回繰り返します。

今までは創造的な脳は右脳と言われてきましたが、米ハーバード大学でクリエイティビティの研究をされているロジャー・ビーティー博士の最新の学説では左右ではなく、ボーっとしている時の脳の状態(デフォルト・モード・ネットワーク)と、処理をする論理的な状態(エグゼクティブ・コントロール・ネットワーク)、そして、その2つを切り換える(サライアンス・ネットワーク)の3つが高速に回っている時が創造的な状態だそうです。デフォルト・モード・ネットワークの状態がひらめきや直感を生み出す時間で、逆にエグゼクティブ・コントロール・ネットワークが強いと汎用的な安全性の高い論理思考が優位となります。

今回の実験ではボーする時間と創造性を働かせている時の脳波を主に計測しましたが、MRIや脳波測定などの技術が進むともっと脳の謎が解けてくるでしょう。人間の創造性の解明に一歩近づいたがしまた(笑)。年内中に何かしら研究結果は報告されるみたいなので、計測結果はまたの機会にお知らせします。

5月25日に開催された大黒先生とのオンライン対談
【脳の創造性とアート思考】ミニセミナー&トークセッションはこちらで見ることができます。↓


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