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【クリエイティブ解体新書】

SUPER DOMMUNE 2022/03/29 DOMMUNE SPECIAL PROGRAM「クリエイティブ解体新書」〜脳から生まれる創造性の原風景

perfumeや坂本龍一さんとのコラボやリオ五輪2016大会閉会式での東京五輪2020へのフラッグハンドオーバーセレモニーのAR映像などでもお馴染みの真鍋大度さん。脳の創造性を音楽の視点から探究する東京大学の医学博士 大黒達也さん、音の対話型鑑賞開発者モジュラーシンセの女神galcidこと斎藤レナさんと私で「クリエイティブ解体新書」というタイトルでDOMMUNEの番組を配信しました。

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真鍋さんは東大で学生に混じってネズミの神経細胞に電気刺激を与えて反応を計測するということやられているそうで、それが実際どんな作品になるのか?どうしたいのか?という目的以前に好奇心から実験を積み重ね、最終的に何か面白いものが出てくる予感を感じつつ、頭よりを手を動かしているといいます。この動画は真鍋さんを一躍有名にした動画ですが、このころから一環したテーマの様にも思えます。顔に電極をつけて、音に合わせて電気刺激で顔の筋肉が引き攣る。。。。これにいったいどんな意味があるんでしょう?一見無駄の様なこの動画から日本を代表するクリエイターが生まれてきました。


「思いついたらまずやってみる。やりながら何かが生まれてくる」
そもそも、それがアートかどうかはどうでも良いことで、アートではなくて実験だと言われようと自分にとっては関係ないと真鍋さんはいいます。

現代芸術家の栗林隆さんと話した時も「アートなんか好きではない」と言っていました。やっていることはアートなんだろうけど、アートが目的ではなく内発的にやりたいことをやっていたら気がついたらそれがアートになっていた。ということだと思います。

成果や報酬、評価が目的ではなくて、直感や好奇心、ワクワクに従うことから創造がはじまるわけで、それがアートであるか?アートでないか?はどうでもいい。それは無駄なことだったり、評価に値しないものかもしれない。それでも、素直にその感情に従うということを皆さんされています。
この事は自分の中でいつも気になっている事でアーティストやクリエイターと呼ばれてる当事者程、アートやクリエイティブという単語に違和感を感じている様人も多いと感じます。

逆にクライアントや鑑賞者、または消費者のニーズに寄れば寄る程デザインになっていき、本質的にやりたい事から、”やらされること””やらなければいけないこと”になっていく、忖度や妥協が多ければ多いほど作品性、つまりアートからどんどん離れていく。これは往々にしてある事で、本質的にやりたいことだけではなかなか成立しないことの方が多い。だからといって人が求めること程誰でもできる事になる、そこのバランスを取ることも大切です。

『芸術的創造は脳のどこから産まれるか? 』(光文社新書)、『音楽する脳 天才たちの創造性と超絶技巧の科学 』(朝日新書)の著者、大黒達也さんは東大で脳科学の視点で創造性を解明しています。

今研究しているテーマが、磁気刺激で脳の一部を刺激することで創造性が高まるのではないか?という仮説の実証実験をしているそうです。私も4月中に東大の研究室で脳に磁気刺激を当てる被験者になるので、それも後日レポートします。この研究が実証されれば、発想力が乏しい新規事業部の社員の脳に磁気刺激を与えてアイデアを生み出せるかもしれません。

真鍋さんは、外部刺激による創造性以前に、新規事業が生まれない理由はリサーチ(インプット)が圧倒的に足りていないのが原因だといいます。「ひらめき」は膨大なリサーチやトライアルアンドドエラーかから産まれてくるもので、ひたすら膨大なデータをインプットし尽くした挙句、ボーとしている時に「ひらめき」が生まれてくるものだといいます。

アート思考を自でいっているようなお2人ですが、今までにないアイデアを生み出す実践者であると同時に常に実験者でもあることが大切であるということがわかりました。


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