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雨水に関する「二つの選択肢」。

 ここ何年か、雨が激しく降ることが多くなった。
 空のフタが壊れたように、一気に雨が大量に落ちてくる。
 
そんな降り方になった気がする。

 それは、ちょっと怖い。

雨水

 そんなとき、家のすぐ前の道路の脇に水がたまる。

 昔、車イスを利用していたときに使っていたプラスチック製のステップが置いてあるのだけど、それが、たまった水で浮いて、ちょっと遠くに行ったりする。

 道路脇の水が、しばらくそこにたまってしまい、なかなか、なくならないときは、道路の脇の「フタ」を開けて、水を流したりすることもある。

 けっこう重い。

 ただ、そういうものだと思って、多少の不便はあるけど、仕方がないと思ってもいた。

行政

 それが、あるとき、同じように、たまった雨水に不便を感じる人が、そのことを伝えて、それが結果的に、区役所にまで届いたようで、作業をする人がきた。

 何人も測量をしているみたいで、最近は、いろいろな詐欺も多いので、聞いてみたら、どうやら、その水がたまることを改善するための工事をするようだった。

 そんなことができるのだろうか。という微妙な驚きと共に、それはありがたいのだけど、もしかしたら、気がついたら、こちらが費用を負担することになっていないだろうか。

 そんな不安がわいたので、また数日後、作業に訪れて、何人も輪になっている作業服を着ている人たちに、費用のことを聞いたら、笑顔で、それは大丈夫です、と言われる。

 自分が、せこいような気がしたけれど、やっぱり、なんだか安心した。

二つの選択肢

 そのことを、しばらく忘れていたら、その工事の説明をしてくれる、という話になった。午前10時に、家の前。微妙に緊張するけれど、なんだか、ちょっと面白い。

 その日に、その時刻にチャイムが鳴った。

 最初に、このあたりの水がたまってしまうことを伝えて、工事に繋げてくれたご近所の人だった。

 家の前の道路で、区役所の人が二人。それから、私たち夫婦とご近所のご夫婦。

 区役所の人が、やや小さめの声だけど、今回の工事の説明をしてくれる。

 実は、どうして、わざわざ説明するのだろうか、という疑問があった。
 通常は、工事が決まったら測定をして、その日程についてのチラシがポストに投函される、という段取りで、このように途中で説明が入ることはほとんど記憶になかったが、話を聞いていると、その理由がわかる。

 時々、難しい言葉が入るのだけど、どうやら選択肢が二つあることがわかった。

 一つは、雨水の流れをスムーズにする方法。

 道路の脇は、側溝というようなことで、水を流す役割をしているらしい。それで、そこが、ちょっとくぼんでいる理由が、初めて納得できた気がする。やや鋭角な角度であれば、そこに水が来て、傾いていれば流れるはずだからだ。

 そして、その流れを、もっとスムーズにするために、下水につながっている雨水マスに向かって、もう少し側溝の傾きを強くする方法。そうなると、これまでよりも雨水をより早く、除去することができるようだ。

 ただ、これだと、うちの前や、ご近所の家の前の雨水側溝を、高くすることになる。


 もう一つは、雨水をとりいれる雨水マスを、増やす方法。

 これは、雨水が流れ込んで、下水までつながる場所を新設し、流れ込む場所を増やすことによって、結果として、雨水がたまりにくくなる、という方法。

 これだと、雨水側溝自体は、長年の使用によって、あちこちにズレのようなものができているから、それを、修繕し、水が流れやすくする、という工事は必要だけど、側溝を高くしなくてもいいらしい。

結論

 こちらが知りたかったのは、どちらが雨水がたまりにくいか、ということだった。

 それで、何度か会話が交わされたあと、どうやら、新しく雨水のマスを作る方が、水が溜まりにくくなるかも、ということがわかった。なんだか、区役所の人が言いにくそうにしていたので、あくまで目安を聞きたいし、どちらが効果があるかを知りたいだけで、ここで、言ったことに対して、実際に雨が降った時に、違う、といった苦情を言うわけではないので、という話をしてから、少し会話がスムーズになった。

 それで、ご近所の方とも話をし、結局のところは、雨水のマスを新設してもらうことになった。

 その工期に関して、さらに尋ねると、工事自体は、それほど期間がかからないはずだけど、新しく雨水のマスを作ると、そこから、下水道につなげることになり、そうなると、下水道局への許可などが必要になると、その日数がわからないので、という返答だった。

 勝手な想像だけど、ハンコ欄がたくさん並んでいる書類が、あちこちに動いて、そのことによって、時間が経っていくイメージが頭に浮かんだ。

 毎日のように目に入っているのに、あまり注目していない道路の脇で、こうして、さまざまな繊細な検討と、技術が注がれていることを、初めて知った。

 これから、ちょっと側溝というか、道路の隅への視点が変わるかもしれない。



 

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