「コロナとオリンピック」。2021.7.24.
朝起きて、鉄道情報を見たら、いつも使う路線が遅れているらしい。
別の路線を使って出かけようと思って、焦って、支度をして、いつもよりも早く出かけようとしていたら、別の路線まで遅れが出たことを知った。
どちらも遅れるのならば、トラブルが起こった時刻が早い方にしようと思って、いつもの路線に乗ることにするけれど、家を出るのは、通常よりも10分くらい早くした。
天気はいい。
温度は高い。
ただ、歩いていると、少し水滴が降ってきたような気がした。
コロナとオリンピック
駅に着くまでに、4人のジョガーが走っている。
オリンピックと関係ないのだろうけど、スポーツする人が多くなっているようにも思う。
1000円カットの店の前には誰も並んでいない。
駅につくと、10分早いだけで、ホームには、こんなに人が少ないのだろうか、と思っていたら、次の電車が来るまでに人が増えていって、ほぼ人がいなかったのに、20人くらいになっていた。
車内は空いている。
窓が開いて、冷房が強め。この2年の基本スタイルになっている。
それでも、今日は暑い。
小さい扇風機を持った人が毎週増えていて、今日は乗り込んできた若い男性が持っていた。
電車が揺れて、グラっときて、左手でドアのそばのバーを持ってしまった、と思った。この1年ほど、電車の中のつり革を持っていない。
車内で、久しぶりに新聞を読んでいる人がいた。
「東京五輪 コロナ下の開幕」。
そんな見出しが見える。
本当は、コロナとオリンピックは両立しないのに、と思った。
オリンピック開幕
オリンピックを取材してきた記者が、こんな発言をしていた。こういう言葉を出さざるを得ないようなことを、取材を通して、見続け、聞き続けてしまったのだろうと、想像できる。
私もとても昔、スポーツの取材をして、原稿を書いて生活をしていたこともあった。
オリンピックも、オリンピアンも特別な存在だと思っていた。
今も、アスリートには敬意を持っている。
だけど、いろいろなことがあり、オリンピックというムーブメントは、もうやめた方がいいのではないかと思うようになった。
オリンピックが始まっていた。
開会式は、数分だけ見た。
乗り換え
電車を乗り換える。
降りてから走ったのは、電車が遅れている、という情報があったので、少しでも早く、という気持ちがあった。いつもよりも周りがゆっくりと移動しているので、初めて、土曜日の、人の流れの中で、ほぼ先頭に立った。
改札を抜けて、また改札に入った時は、次の電車が来るまでは3分ほどあって、だから、アルコール除菌もゆっくり使えた。今日も一人だけど。
もう、電車の遅れは解消され、通常の運転になっている。すごく急いだので、ちょっと戸惑いはあったけれど、遅れなくて、よかった。これで予定よりも早く着くと思った。
電車が来た。
二つの車両の真ん中くらいにいて、どちらにしようかと思って、迷って、ホームから見て、窓が開いているのが分かっている方の車両に乗る。
2人の若い男性の会話の声が聞こえてくる。
一人は座席に座り、一人はその前に立っている。
立っている男性がアゴマスクで、話す。
会話が続いている。
マスクをあげても、鼻は出ている。
と思ったら、次はマスクはアゴにかかる。
彼らから、少し離れて座っている、短パンでカジュアルな格好をした若い男性は、不織布のマスクの上に、ウレタンのマスクを重ねている。
ずっと前を向いている。
PC R検査
こうした報道で、20代や30代の人が新たに感染した、ということを毎日のように聞いてきたが、もし、自分が20代だとして、コロナ感染の疑いがあったとして、PCR検査を受けるだろうか、と改めて想像する。
自分が、若くて健康であれば、重症化のリスクは少ない。だけど、検査を受けて「陽性」になったら、少なくとも「社会生活」が、しばらく止まる。
そんなことを思えば、自分の周りに高齢者がいなくて、若くて健康だったら、そこから「見えない」人への感染のリスクまでは、想像は難しくて、検査を受けない、という選択をするかもしれない。
そうであれば、20代や30代で、まずは検査を受けていること自体が、かなり利他的な行為ではないか、とも改めて思う。
立ち姿
大きな駅に着いて、大勢の人が降りていく。
車内は空いてきて、ドアが閉まって、電車が走り出すと、窓の向こうに、2リットルのペットボトルを掲げて、直接口をつけて飲みながら、ホームを歩いているスポーティな姿の若者が見えた。そういう姿を見るのは久しぶりだった。
一人が立って、一人が座っている若い男性二人は、車内が空いてから二人で並んで座って、会話はずっと続いている。
自分の目的の駅に着いて、降りて、ホームを歩いていると、電車の発車を見守る女性駅員の立ち姿が、少し遠くで、シルエットになり、片足が少し前に踏み出されて、なんだか格好良かった。
駅の改札を出て、歩く。
ノーマスクの若いビジネスマンが、知らないうちに、そばを通って、ちょっと驚く。
階段を降りて、道路を歩いていたら、鉄道の施設の柱の上にハトがとまっている。そこに、違う一羽が来て、押しのけるようにとまって、立っている。
ワクチンとオリンピック
通りかかる公共の建物の前には、今日は、明らかにオリンピック関係者の格好をした人が何人もいる。
これまでは見たことがない光景で、オリンピックが始まったのは分かるが、同時に、関係者に「陽性」という報道を思い出して、やはり気持ちが構えてしまう。
そして、ロープのようなもの一本で仕切られているところの奥に「選手用入口」の文字が見えるドアがある。
同じ建物では、先週はワクチン接種が行われていた。その時に持っていたボードには、「7月31日まで」という日付けが書かれていたのに、今日は、行われていない。
とにかくオリンピックが優先されるのだろうか。この1年くらいで、あらゆるものを踏みつぶしていくのが「オリンピック」というムーブメントの印象になってきている。
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