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「とても微力だけど、支援したワタリウム美術館に、やっと行けた」。

 去年、2020年、ワタリウム美術館が、コロナ禍のこともあって、経営が危なくなって、支援を募っているということを知り、それまでの、その美術館で見たいろいろな作品のこと。そこで行われたトークショー。併設するショップで買ったTシャツ。

 気持ちを支えられた、そうした出来事を、やっぱり思い出して、ワタリウムがなくなることは、寂しいと思い、自分も貧乏だけど、ほんの少しだけ支援をした。

 展覧会の時に、買うか迷ったTシャツと、招待券2枚が贈られてきた。その時は、コロナ禍が怖くて、そして、今年になっても感染者数は増大していたので、都心にあるワタリウウム美術館には、自分の気持ちの問題だけど、怖くて行けなかった。

2021年年末

 秋になり、夏には想像もできないくらい感染状況が落ち着いてきて、人にも会えたりもした。そして、年末になって、ワタリウム美術館からいただいた「招待券」を見たら、その期限が2021年の12月いっぱいだった。

 もうすぐ使えなくなるかもしれず、それは寄付をしたつもりだから、仕方がないのだけど、ちょうど、年末まで開催している展覧会には行きたいと思っていた。そして、いろいろな都合を調整して、妻とも相談して、12月中旬に、久しぶりに出かけることにしたのだけど、その日は、出かける予定の午前中に雨が降ってきた。

 とても寒かったので、やっぱり、その日はやめて、翌日に行くことにしたら、晴れてくれた。

 妻の体調も悪くないので、予定通り、午前10時30分頃に家を出る。
 とても天気がいい。雲が見えない。

 庭の柿の木は、葉っぱが散って、あとは柿の実だけが上の方に残っていて、今は小さなメジロが4羽も止まっていて、そして、細かい動きを繰り返して、柿の実をつついている。この繰り返しのため、庭には、食べかけの実がいくつも落ちることになる。
 それでも、空がきれいに青くて、気持ちがいい。

 近くのスーパーに寄って、いつもは手に取らないブドウのジュースを買った。

都会の電車

 電車を乗り換えて、都心に向かう。
 新橋駅で乗り換えて、今度は地下鉄・銀座線に乗る。

 様々な理由で多くの電車が遅れたりもしていたけれど、美術館へ乗っていく路線は影響がないようだった。電車の窓は少し空いている。

 都心部の地下鉄は、記憶にないぐらい久しぶりに乗った。

 それから、外苑前に着く。ワタリウムに向かう改札口の周りは、工事が終わって、違う場所のようになっていた。

 階段を登って、外へ出る。
 太陽がまぶしいくらいだった。
 正午に近い時間になっていた。

 ワタリウム美術館のそばのファミリーマートのイートインで、カレーパンと、メロンパンとコーヒーを買った。パンは、妻と半分ずつにして食べてから、美術館へ向かった。

ワタリウム美術館

『梅津庸一展|ポリネーター』(2021.9.16~2022.1.16)

 久しぶりのワタリウム美術館は、静かだった。
 消毒と、検温をして、そのあと、受付で、招待券を渡して、2階から、3階、4階、そのあと地下1階、という観賞の順路を教えてもらった。

 そこから、2階に上がる。
 実は、何人もの出展作家がいるのだけど、そのことは明記はされていない。絵画、立体、動画と、様々なバリエーションの膨大な作品が並ぶ。

 きれいな色を使ったり、技術的にも上手いはずなのだけど、決して、ただ気持ちがいいわけでもなく、単純に気持ちが悪くもなく、どこか、あいまいな、ちょっと落ち着かない気持ちになる。変な格好をつけないし、定まった形になろうともしていない。

 こういう場所でしか見られないものがある。

 壁も、この展覧会に合わせて、かなり広く塗っていて、それも作品に反映させているのだと想像し、その手間を考えると、なんだかすごいと思う。そして、絵画といっても、ドローイングのような無造作な絵も壁にはってある。

 2階で、77点の作品。

 3階にも立体が並ぶ。そこから、2階の作品も見えて、さっき見た時とは、ちょっと違うように感じる。

 4階までで、143点の作品。

 ここの広さはちょうどいい。じっくり見ても、1時間半くらいで見られる。

ショップ

 地下1階に降りる。
 そこにも作品がある。

 そして、そのショップにはアートに関連する書籍。グッズ。Tシャツ。他にも小物。
 他の場所ではないようなものが並ぶと、それを見ているだけで、いつもとは違う気持ちが少し刺激されるような気がする。

 だけど、とてもかっこいいと思うような本は、とても値段が高く、とても買えないので、1階に上がって、妻が何枚かクリスマスや新年のものも含めてポストカードを買うので、私も、この美術館のものや、梅津庸一が主宰する「パープルーム」のメンバーを撮影したポストカードを購入した。

必要なこと

 美術館での滞在時間は、2時間弱だったけれど、それでも、気持ちがほんの少しだけど、変わる。改めて、時々はアートに触れないと、ダメなのかもしれないと思う。

 帰りは、地元の天然酵母のパン屋さんに寄って、パンをいくつか買って、家に戻ってから、遅い昼ごはんを食べた。

 なんだか気持ちが少し晴れやかになった。行ってよかった。




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