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「カップ焼きうどん」というジャンル

 スーパーの中を歩いていて、珍しいものが目にとまる。その上で自分でも買えるような値段の安さだったら、カゴに入れる。多くは飲料だったりもするが、それは次の機会に行ったら大体がすでに姿を消していて、2度と目にすることもない。そんなことも多いから、なるべく気になったら買うようにしている。

 それは、貧乏な物欲といっていいものだと思うから、ちょっと恥ずかしいのだけど、それで少し視界が広がるようなこともある。

のりたま

 売り場の列の先頭というか、テーブルで言えば、いわゆる誕生日席のような場所に並べられている商品は、販売側の〝すぐに売りたい〟という意志を感じる。

 そこにあるものは、いつも自然に目に入ってしまうから、気になったら、つい買いそうになるけれど、値段によっては手を出さない。「のりたま」「明星×丸美屋」「焼きうどん」「数量限定」「カップ麺」。そんなたくさんの要素が揃っていて、中でも「のりたま」は、ふりかけの中では自分にとっては一種のブランドだったけれど、思ったよりも数多く食べたわけでもないのに、その名前のせいか、ずっと印象が強いままだ。

確か、100円台の前半だったから買った。安く売られていたのだと思う。

できたら、妻と一緒に食べたいと思って2個買った。

のりたま焼きうどん

  しばらく廊下の隅の、カップラーメンやカップそばや、カップうどんを入れているプラスチックの外からは見えない箱に入っていた。その中にあるものは時々、消費期限が切れそうになっているものもあるから、中身をチェックする。

  そうしたこちらの気持ちとは関係なく、ある昼に、妻が、これ食べない?と言ってくれたのが「のりたま焼きうどん」だった。

 珍しくて、つい買ったのだけれど、食べる機会をなんとなく引き延ばしにしていてそうやってきっかけを作ってくれたので、昼食にした。

 二つカップを並べる。

 作り方は、カップ焼きそばと同様で熱湯を入れて、5分待った。ただ、5分は少し長いかもしれない。

 それから、お湯を捨てる。

 そこにソースを混ぜる。

 焼きうどんなのに、お湯で加工するのは変だと思ったけれど、カップ焼きそばもそういえば同じだった。

 ただ、焼きそばの場合には、お湯を入れる前に、「かやく」と書いてある袋に入っている乾燥したキャベツなどを入れるから、この「焼きうどん」は、シンプルに麺だけなのかと思って、それはそれで潔いかも、などと思っていたら、かき混ぜていると、キャベツなどがあらわれてきたので、最初から入っていたのかとちょっと意外だった。

 最後に、のりたまをかける。

 これで完成だった。

カップ焼きうどん、というジャンル

 妻と一緒に食べた。

 おいしかった。

 カップラーメンは、ラーメンとは違って、カップラーメンの味として独特のジャンルになっているように思えるし、同様にカップ焼きそばも、焼きそばとは違うジャンルになっている。その上で、メーカーによって味が微妙に違うので、それぞれにファンがいるような存在になっているようだ。

 カップうどんは食べたことがあった。それは、当然、お湯を捨てないで食べるけれど、もちろんカップうどんの味だった。それも、メーカーによって微妙に特徴が違う。

 初めてカップ焼きうどんを食べたけれど、不思議なことに、カップ焼きそばよりも、ちょっとシャープで、だからうどんよりも、こちらの方が焼きそばでは---とも思うくらいだったが、その味はすっきりしていた。

 それがダシ醤油味なのだろうとも思ったが、何しろ麺がつるつるした食感だったから、それがうどんを感じさせた。

 食べ終わった。

 カップラーメンでもなく、カップ焼きそばでも、もちろんカップうどんでもない、これはカップ焼きうどん、というジャンルとして独特の味になっていると思った。

 いつも私よりも味に対しては繊細で独特な感想を伝えてくれる妻も、似たような印象だったので、それだけ特徴が強いのだと思った。






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