【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十話 後編 エルムス山脈越え
[第三十話 後編]エルムス山脈越え
ウェイストランドの北西から南東までをぐるりと囲むようにしてそびえるエルムス山脈。
それはかつてリヴォルタの旧研究所の爆発事故によるコピアの流出から他の地域を守る役目を果たした。標高平均2,000kmの高い壁が爆風を閉じ込め、ハプサル州の一部の地域のみにコピア汚染の被害を抑えた。
そのエルムス山脈の西端を今まさにカズラ達は越えようとしていた。
ゴツゴツした岩肌をジェシーが先頭に立って皆を引っ張る。
「ニッキー」
大きな岩