サーシャ

Alexandra Clara Chocolatski/通称サーシャSasha/理系分…

サーシャ

Alexandra Clara Chocolatski/通称サーシャSasha/理系分野に手を染める文系/米と肉がないと生きていけない/Electro Swing❤️

マガジン

  • 【連載】黒煙のコピアガンナー

    化学実験施設の爆発事故から30年。汚染地域の外れで生まれ育ったアマンダ・ネイルは偶然にも化学物質コピアの使用者コピアガンナーに選ばれる。その力で父がボスを務めるギャングに入り、人々をある運命に巻き込んでいく。

  • 役者志望者のためのセルフプロデュース講座 資料集

    役者志望者のためのセルフプロデュース講座で使う資料をまとめたものです。演技論やキャラクターの属性まとめなどを文章で知りたい人はどうぞご活用ください!

  • 【連載】ヒーローは遅れてやってくる!!

    地球が悪の組織に征服された日、吉郎は家でゴロゴロしていた。そこへ妖精ユキルがやってきて、吉郎こそが最強のヒーローだと告げる。しかし、既に地球の文明は滅びた後だった。情けないヒーローが地球奪還を目指すヒーローコメディ開幕!!

  • すきま時間の掌編小説集

    3分くらいで読めるショートストーリーを時々アップします。 全編無料です。

  • 【脚本】様々なシチュエーションにおける短編集

    短編の脚本を集めたマガジンです。テーマやジャンルは固定せず様々な作品を載せていきます。閲覧はフリーです。

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【連載】黒煙のコピアガンナー 第一話 バーク・ロックの娘

黒煙のコピアガンナー [第一部]ウェイストランド編 [第一章]ギャングスター  1000万平方キロメートルの広大な国土を誇るイグニス合衆国。そのやや中央より南の内陸部に位置するとある田舎町で産業革命を遥かに凌駕する化学実験が行われていた。  コピアと呼ばれるその物質はナノレベルの微細な粒子の集合体で、人の体を流れる電気信号に反応して様々な効果を発動する夢の化学物質と期待されていた。  だが、今から約30年前。コピアの効果を検証する実験の最中に起きた爆発事故で、大量のコピア

    • 黒煙のコピアガンナー スピンオフ第二弾 夜明けを告げる星 第五話

      夜明けを告げる星 第五話  カズラはアオイとレンを家まで送ることにした。そろそろ日付が変わる頃だった。レンは熱で体が火照っていた。カズラはレンを負ぶった背中が熱いのでこれは早く帰って寝かせないと、と思った。 「レンが風邪引いてて、薬がなかったからこんな時間だけど買いに行くしかなくて……」  アオイは何かを誤魔化すようにカズラにそう言った。レンはカズラに負ぶられて上機嫌だ。 「ねえ、お姉ちゃん。この人、昨日の剣道の試合で優勝した人でしょ?」 「なんだ、レン。大会の中継

      • 【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十四話 前編 ドッキリ大作戦

        [第三十四話 前編]ドッキリ大作戦    カズラ達一行がフレイムシティに来てから1ヶ月が経った。  計画通りにアンドリュー・イーデルステインの選挙応援パーティの会場となるホテルで清掃員と警備員の仕事に就いたパリス、ジョン、コーディは仕事をしながらホテルのバックヤードや警備の配置などの情報を仕入れてくる。  アパレルメーカーの工場で働くニッキーはフレイムシティの流行のファッションに詳しくなり、近所の酒屋で働くアトラスは酒の知識が豊富になっていった。  来た当初はバーク

        • 黒煙のコピアガンナー スピンオフ第二弾 夜明けを告げる星 第四話

          夜明けを告げる星 第四話  カズラ達を乗せた飛行機は日が落ちた頃にハプサル州に到着した。2週間ぶりの故郷は出かけた日より涼しくなり、季節の移り変わりを感じさせた。剣道部の貸し切りのバスは先にソウヤの自宅アパート前に止まり、その後カズラも自分の家の前で降ろしてもらった。 「おかえりなさい、カズラ!」  母がカズラを出迎える。庭では父がバーベキューを始めていた。兄達はバーベキューの手伝いをしている。3人共、既に酒が入っていて、楽しそうに話しながら肉を焼いていた。 「それで

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        【連載】黒煙のコピアガンナー 第一話 バーク・ロックの娘

        マガジン

        • 【連載】黒煙のコピアガンナー
          80本
        • 役者志望者のためのセルフプロデュース講座 資料集
          2本
        • 【連載】ヒーローは遅れてやってくる!!
          61本
        • すきま時間の掌編小説集
          2本
        • 【脚本】様々なシチュエーションにおける短編集
          6本
        • イラスト集
          16本

        記事

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十三話 後編 新生活

          [第三十三話 後編]新生活  2ヶ月後に控えたアンドリュー・イーデルステインの市長選応援パーティに潜入するため、ソウヤから女性的な振る舞いを叩きこまれることになったジェシー。一方のアトラス、ジョン、コーディ、ニッキー、パリスの5人はカズラと共にアパートに入居し、アルバイトをして生活費を稼ぎつつ、フレイムシティでの暮らしに慣れることとなった。  ソウヤの邸宅に取り残されたジェシーは気まずい雰囲気の中、まずは着替えを、と別室に通された。藤色の清楚なワンピースを着せられ、紫色の

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十三話 後編 新生活

          黒煙のコピアガンナー スピンオフ第二弾 夜明けを告げる星 第三話

          夜明けを告げる星 第三話  フレイムシティの最大規模を誇る国立競技場は数年に一度の熱気に包まれていた。各テレビ局の報道陣が入口付近を陣取り、これから始まる試合への関心を高めている。 「さあ、とうとうやってきました。国立競技場です。これからここで行われるのは“高校剣道イグニス全国大会決勝戦”です」 「アケボシ国との国交が開かれて100年目の今年からは新しい時代に見合った剣道の在り方を示すという方針を掲げ、男女混合部門が創設されました」 「アケボシ国からイグニス合衆国に剣

          黒煙のコピアガンナー スピンオフ第二弾 夜明けを告げる星 第三話

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十三話 前編 協力者

          [第三十三話 前編]協力者  バークヒルズの面々はカズラに言われるがままに真っ白な高級車に乗せられ、どこぞへと運ばれていた。質のいい革の座席シートと赤絨毯が妙に落ち着かない。窓にはカーテンがされていて通りを眺めることさえできなかった。 「ねえ、ジョン。この車、どこに向かってるんだろう」 「わからない。でも、多分普通の所じゃない」 「だよね」  ジョンの口調が堅いのでニッキーは安堵した。何やら普通じゃなさそうだという緊張はニッキーだけのものではないとわかったからだ。

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十三話 前編 協力者

          黒煙のコピアガンナー スピンオフ第二弾 夜明けを告げる星 第二話

          夜明けを告げる星 第二話  アオイの両親はアケボシ国の商人の家系の出身だった。地方都市の小さな商家に生まれたアオイの両親は互いの家業を継がずにイグニスに行くことを夢見た。若いうちに移住できればよかったが、2人は両家の親から反対され、その間にアオイが生まれた。アオイの両親はアオイが大きくなるまで待ち、イグニスへの移住準備を進めた。だが、今度はレンがお腹にいることがわかり、さらに延期した。そして、今回ついにイグニスの地へ足を踏み入れることができたのだった。  カズラとアオイは

          黒煙のコピアガンナー スピンオフ第二弾 夜明けを告げる星 第二話

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十二話 後編 手掛かり濃厚

          [第三十二話 後編]手掛かり濃厚  アマンダがバークヒルズの近況に心を痛めている頃、カズラ達一行はフレイムシティに到着した。  山岳鉄道の始発駅から終着駅まで1週間、その他のローカル鉄道を乗り継いで3日間、計10日間の長旅だった。 「わあ、広―い!」 「綺麗!」 「でけえ……!」  フレイムシティの中心地のとある駅で降りたニッキー、パリス、ジョンはそれまでの駅とは比べ物にならない立派な駅舎にはしゃぎまくる。 「お前ら、迷子になるなよ」 「おい、あんまり目立つな

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十二話 後編 手掛かり濃厚

          黒煙のコピアガンナー スピンオフ第二弾 夜明けを告げる星 第一話

          黒煙のコピアガンナー スピンオフ第二弾 夜明けを告げる星 第一話  車の心地よい揺れに身を委ねて、カズラ・コガはうたた寝をしていた。車内で流れているラジオは父親の友人が立ち上げたローカルラジオ局の番組だ。カズラの先祖の出身のアケボシ国の流行曲が流れている。イグニスのポップミュージックの影響を受けた今風の曲だが、歌詞はアケボシ語でとても不思議な耳心地がした。カズラはその曲で使われているアケボシの伝統楽器がどんな形をしているか知らない。腹の底に響いてくる振動そのもののような打楽

          黒煙のコピアガンナー スピンオフ第二弾 夜明けを告げる星 第一話

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十二話 前編 訃報

          [第三十二話 前編]訃報  朝の通勤ラッシュの喧噪も届かないフレイムシティの一等地のペントハウスでは、和やかに朝食が作られていた。 「アマンダ、コーヒーはできたか?」 「今できました。ライラックさん」 「それじゃ、これと一緒に運んでくれるか?」 「はい!」  ライラックの指示に従ってアマンダがテキパキとテーブルに料理を運んでいく。今日のメニューはスクランブルエッグとベーコン、ミニトマトとレタスのサラダだ。 「おはよう、諸君!」  アンドリューが寝室から出てくる

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十二話 前編 訃報

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十一話 後編 始発駅

          [第三十一話 後編]始発駅  カズラ達一行は早朝に起き出した。標高2000kmの朝は極寒だ。周囲の山々に遮られ、太陽の姿は見えない。  軽く身支度を済ませ、山小屋を出る。白い息と周囲の霧が同化する。視界が不鮮明な中、先を歩くジェシーの勘だけが頼りだった。  やがて、山頂に到達し、山脈の反対側へと出る。すると、そこは全くの別世界だった。  およそ300m眼下に赤や黄色に染まった山々の景色が広がっていた。 「わあ……」 「綺麗……」  パリスとニッキーが初めて見る雄

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十一話 後編 始発駅

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十一話 前編 山小屋

          [第三十一話 前編]山小屋  カズラ達は日没直前に山小屋に到着した。 「おい! 着いたぞ!」  先頭を歩いていたカズラは後ろに向かって声を張り上げる。 「本当?」 「よかったぁ!」 「つっかれた~」  クタクタになったパリス、ニッキー、コーディが安堵する。その後ろをジェシーとジョンに引っ張られながらアトラスが必死に岩山を登っている。 「アトラス兄さん。もうすぐ着くってよ」 「やっとか……!」  ジェシーがそう伝えるとアトラスは少し元気を取り戻した。ジェシー

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十一話 前編 山小屋

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十話 後編 エルムス山脈越え

          [第三十話 後編]エルムス山脈越え  ウェイストランドの北西から南東までをぐるりと囲むようにしてそびえるエルムス山脈。  それはかつてリヴォルタの旧研究所の爆発事故によるコピアの流出から他の地域を守る役目を果たした。標高平均2,000kmの高い壁が爆風を閉じ込め、ハプサル州の一部の地域のみにコピア汚染の被害を抑えた。  そのエルムス山脈の西端を今まさにカズラ達は越えようとしていた。  ゴツゴツした岩肌をジェシーが先頭に立って皆を引っ張る。 「ニッキー」  大きな岩

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十話 後編 エルムス山脈越え

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十話 前編 出立

          [第三十話 前編]出立  バークヒルズの小高い丘の上を朝日が昇っていた。カズラはそれを黙って見つめていた。  ジェシー・ローズが町角から姿を現す。細かい刺繍が施された布製の古びたショルダーバッグを担いでいた。 「来たか」 「当然だ」 「何だそのバッグ?」 「医療器具が入ってる。現地で何があるかわからないからな」 「そんなノスタルジックなカバン持ってたら一発でバークヒルズの人間だってバレるぞ」 「そうなのか?」 「これに詰め直せ。入らなかった分は現地調達する」

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第三十話 前編 出立

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第二十九話 後編 任務内容

          [第二十九話 後編]任務内容  勤務先へと向かう車の中で、アマンダはこれから与えられる仕事に思いを馳せていた。新品のスーツを着て初めて暮らす都会のど真ん中で働く自分を想像してみる。バークヒルズにいた頃は体力仕事も頭を使う仕事もこなしてきた。勝手は違うだろうがきっと役に立てるはずだ。ピートはどう思っているのだろうか。アマンダはピートに自分の意気込みを話してみようと隣を見た。 「ねえ、ピート……って、ええ!?」  ピートはガチガチに緊張していた。 「な、何だ、アマンダ……

          【連載】黒煙のコピアガンナー 第二十九話 後編 任務内容