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豆島 圭
2024年3月11日 00:02
卒業の季節、イコール絶望。卒業式って何だろう。結局一度も参加してないから分かんない。ただ通う場所が変わるだけで、毎日やることは変わらないじゃん。一体なにから卒業すんの。一体なにが おめでとう なの。新宿に向かう夜行バスの、カーテンをそっと開けて外を覗く。景色は真っ暗で何も見えない。こんなド田舎だからダメなんだ。腐った人間ばっかりだ。すれ違うヘッドライトの数も多くはない。こんな時間だもん
白鉛筆
2024年2月10日 07:45
チョコレートの包み紙を渡してきた奴がいてよ。その時に俺は感動したんだ。恍惚とした表情で、《物乞い》は語り始めた。「銀行員をやっていると、いわゆる『金の亡者』とも言える客に出会う。金は金を増やすための手段であり、金を増やす目的もまた金である。そんな連中だ。俺は投資を担当していたからな、そういう客との遭遇率は高かった。そんな奴らの相手をしていると、次第に感化されちまうんだよ。この世の中のものは
ネコハル
2024年2月25日 23:54
閏年の2月29日の夜には、村はずれのお社の扉が開く。お社と言っても、何を奉っているのかは知らない。赤黒い鳥居の奥に小さな祠があるだけで、神主さんも誰もいない。ただ、村長さんが毎日怖い顔で掃除をしたり、お酒を供えたりしているみたい。大人たちはもっと知っているのかも知れないけど、誰に聞いても教えてくれないのだ。「ねえ、ちいちゃん。今年、お社に行くの?」1学年に1クラスしかない学校で、となりの席のさ