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活用!経営セーフティ共済のオモテウラ[2022.7月号]

こんにちは。オモテウラといえば、昔はCDあるいはレコードの収録曲のA面、B面なんて呼び方しましたね。
カセットテープも両面使えたり。思えばこの20年でアナログメディアってかなり少なくなりましたね。私の青春時代はMD~iPod世代でした。
これだけECやサブスクが発展しているので、買う前から中身も分かる、体験も出来る。故にジャケ買い(※)という事も少なくなりました。

ジャケ買い(ジャケがい)とは、レコードCDVHSLDDVDなどのメディア商品を内容を全く知らない状態で、店頭などで見かけたパッケージデザインから好印象を受けたということを動機として購入すること。ジャケット買いとも言われる[1]
同様の過程を経て借りるときにはジャケ借りという言葉が使われる[2]。音楽や映像について内容確認が難しかった1990年代までは頻繁に行われた。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

そんな中でも衝動的な共感が起こりやすいのは、やはり飛び込んでくる情報がきっかけとなる様な気がします。週末、家族でショッピングしていても、衝動的に欲しい物が出てきたりします。

ヒト・モノ・カネ+はニュースレター誌面としても、毎月担当のお客様にお届けに伺っているのですが、
私のニュースレターでは「へえー!顧問の先生にコレ聞いてみよう!」と思って頂く事で、貴社における経営の在り方について改めてお考え頂く事が目的です。そういった意味では約半年で「アノ件、税理士先生に相談したら
実は該当していて…」「弊社でも準備してみる事にしたんです!」のお声や、「ヒト・モノ・カネ+さんだったら、どういう保険の提案して下さるのかなと思って」といったお声を少しずつ頂けるようになった事で、意外とお役に立ててるのかなと。

前置きはさておき、今回は経営セーフティ共済のお話です。

経営セーフティ共済とは?

取引先が突然、倒産・・・。
そんな「もしも」に備える安心のセーフティネット。

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。
無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入れでき、掛金は損金または必要経費に算入できる税制優遇も受けられます。

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経営セーフティ共済の安心の4つのポイント

ポイント1 無担保・無保証人で、掛金の10倍まで借入れ可能
共済金の借入れは、無担保・無保証人で受けられます。共済金貸付額の上限は「回収困難となった売掛金債権等の額」か「納付された掛金総額の10倍(最高8,000万円)」の、いずれか少ないほうの金額となります。

ポイント2 取引先が倒産後、すぐに借入れできる
取引先の事業者が倒産し、売掛金などの回収が困難になったときは、その事業者との取引の確認が済み次第、すぐに借り入れることができます。

ポイント3 掛金の税制優遇措置が受けられる
掛金月額は5,000円~20万円まで自由に選べ、増額・減額できます。また確定申告の際、掛金を損金(法人の場合)、または必要経費(個人事業主の場合)に算入できるので、節税効果があります。

ポイント4 解約手当金が受けとれる
共済契約を解約された場合は、解約手当金を受け取れます。自己都合の解約であっても、掛金を12か月以上納めていれば掛金総額の8割以上が戻り、40か月以上納めていれば、掛金全額が戻ります(12か月未満は掛け捨てとなります)。

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経営セーフティ共済のオモテ面

外部から資金調達をする為の「借り入れ手段」としての機能

経営セーフティ共済では、取引先事業者が倒産したことにより売掛金債権等の回収が困難となった場合に、「回収困難となった売掛金債権等の額」か「納付された掛金総額の10倍(最高8,000万円)」のいずれか少ないほうの金額を借り入れる事が出来る。
 こういった経営やキャッシュフローが極端に悪化している事が考えられる状況においての「借り入れ手段」は、事業継続性を高める為に選択肢が一つでも増えるという事は、経営者にとっても心強いものではないでしょうか?

急場を凌ぐ解約手当金の95%を上限とした「一時貸付金」

一時貸付金は、取引先事業者が倒産していなくても、共済契約者の方が臨時に事業資金を必要とする場合に、解約手当金の95%を上限として借入れできる制度です。

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返済期間は1年、年率0.9%(一括前払い)
事業資金(運転・設備)を解約手当金の95%の範囲内で借り入れる事が出来る為、担保・保証人不要で短期の資金調達が出来る手段としては、まさに急場を凌ぐ手段としては、生命保険の契約者貸付の様な性質がありますね。

経営セーフティ共済のウラ面

掛金総額が800万円に達するまで積み立てることが出来る

掛金月額は、5,000円から20万円までの範囲(5,000 円単位)で自由に選択できます。

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掛金が法人の場合、全額損金算入可能である

払い込んだ掛金は税法上、法人の場合は損金、個人の場合は必要経費に算入できます。また、1年以内の前納掛金も払い込んだ期の損金または必要経費に算入できます。前納の期間が1年を超えるものは、各事業年度末(決算期)において、期間の経過に応じて、必要経費または損金の額に算入できます。

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掛金納付月数40か月以上で全額戻る解約手当金

解約手当金は、解約の理由によって3種類に分類され、種類によって支給率が変わります。解約の種類および支給率については下記をご参照ください
1.任意解約
共済契約者が任意でいつでもきる解約
2.みなし解約
個人事業主の死亡や法人(会社など)の解散・分割の際に、その時点で解約されたものとみなす場合
3.機構解約
12か月分以上の掛金の滞納や共済金の貸付けなどに不正行為があった場合に中小機構が行う解約

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オモテ面とウラ面をまとめて解説

経営者の方に経営セーフティ共済について分かりやすく教えてくれと言われた時にオモテ面の「外部からの資金調達手段」についてをお話しすると
「何だ、借りられるだけか」「取引先の倒産でお金をくれる訳ではないのか」というお話になります。
しかし一方、この経営セーフティ共済のウラ面では「全額損金算入可能な掛金」と「掛金総額800万円の解約手当金」は簿外資産として、ある種の自己資金としてプールしておく事が出来る訳です。

つまり、税引前のキャッシュを積み立てていく事が出来る訳です。

税引き前のキャッシュとは?

ここで税引前のキャッシュという考えについて補足します。
例えば、法人では現預金をプールしていく場合、基本的には法人税等の納付をした後のお金が現預金としてプールされていきます。

その視点については下記の記事をご参照下さい。

損金(経費)というのは、税引前に遡って計上するお金の種類になります。
つまり、経費算入段階で貯める事が出来る800万円というのは、税引後に貯める800万円とは全く価値が異なるものとなります。

例えば、法人に現預金800万円を貯めるには、法人税等の納税後に800万円残るだけの税引前当期純利益がなくてはならないという事です。
※法人税等を30%と見積もったとしても、1,142万円の税引前当期純利益がない限りは、現預金に800万円を残す事は出来ません。

そういった意味でも、経営セーフティ共済は性質上、税引前のキャッシュを
プールしているという捉え方も出来るかもしれません。

全額経費計上してきたお金。解約手当金を法人に戻す場合、税務上どうなる?

Q.解約手当金は税法上どのように取り扱われますか。
A.解約手当金は税法上、法人の場合は益金の額、個人の場合は事業所得の収入金額となります。

経営セーフティ共済 >よくあるご質問 > その他

解約手当金は全額益金である為、結局の所、法人税等を支払わなければ、法人の財布の中に現預金としての組み込みは出来ない事に注意が必要です。
但し、このいつでも戻せる益金のプール(課税の繰り延べ)に価値があるという考えのもとであれば、40か月以上の納付で掛金全額が戻る経営セーフティ共済は利便性の高いものになるでしょう。

お金の出口(受け皿)に何を置くか

税金について拙い知識の私が言うのも矛盾しているかもしれませんが、経費算入可能なもので貯めていく金策は
入口時点でどれだけ目先の利益圧縮が出来たかもさながら、出口時点でどれだけの受け皿を準備できるかが重要だと感じます。

私の業界でいえば、全額損金算入可能で高返戻率であった、かつての法人の生命保険なんかもそうです。
1年1年は小さな掛金・経費でも、時間経過の力で受け取り時には大きな益金に膨張していきます。

それ故に、金融商品は入口から出口までのロードマップを設計して、考えていきましょう。経営セーフティ共済は40ヶ月以上の経過後、掛け金に対しての価値(レート)が変動する訳ではないので、出口対策がしやすいのも嬉しいですよね。

ここまで読んで頂きまして、ありがとうございました。
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いつもこんな調子で発信していますので、また遊びに来てください。


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