人生いろいろ⑦
一年越しの志望校合格!
「ニンジン」、「ニンジン」と書いてきましたが、まあ包み隠さず正直に言えば淡い恋心によるモチベーションアップ。
「怨恨」よりも「恋」は強し(笑)。
小論文の先生が私に最初に課した課題「愛とは?」というのが何となく運命的・暗示的・示唆的にも思えます。
そんなことよりとにかくご報告です!
とはいえ何度もお邪魔する訳にもいかないので、御礼の手紙を認めて久々にK塾に行き、チューター室を訪ねました。
「あの、Fさんは?」
クラスのもう一人のチューターHさんがいらしたので笑顔で尋ねると、「Fさんねぇ、退職したの」。。
頭の中が真っ白になりました。
どういうこと??
今まで励ましてくれたのは何だったんですか?
この喜びをあなたにどう伝えればいいのですか?
もしあなたがいてくれなかったらこの結果はなかったかもしれないのに!
さすがにそれはないんじゃないですか!?
クラスメートが集まっていたのですが、皆一様にその話題。
中には花束まで用意してきて、肝心な手渡し先がなく困った表情をしているヤツも。
まあ、こんな状況じゃあFさんが身の危険を覚えたとしても不思議じゃないですね(笑)。
とはいえ、思い返せば時折りチューター室にふらっと立ち寄ったとき、特定曜日、確か木曜日か金曜日のFさんはなんていうんでしょう、艶っぽいというか、恋している女性という感じでした。普段は髪をおろしているのですが、その曜日だけはポニーテール。お化粧も少しいつもと違ったんですよね。私は当時19歳男子なので細かいことはわからないのですが。そして、周りのチューターさん達からちょっと浮いていた感じもするんです。私がお邪魔したときにも、ヒソヒソ声が聞こえてきた記憶があります。もちろん内容までは聞こえませんが。生徒からの人気も高かったし、ましてや彼氏とゴールイン間近ということもあったとしたら周囲の嫉妬を買っても仕方のない運命だったのかもしれません。
そんな感じで、クラスメートの花束よろしく、私の手紙も「お蔵入り」となりました。家探ししたら案外出てくるのかなぁ、やりませんが、たぶん(笑)。
という訳で、会えなかったんですよー。センター試験終了時に顔を出した後は一切。ご縁があればその後の人生でお会いすることもあるかと思ったのですが、もうずいぶん時が経過しましたが今のところないです。さすがにもうないでしょう。いずれにせよ、私の志望校合格、そして悲惨な高校生活でひん曲がった心をまっすぐに矯正してくださった大きな存在でした。
そういうちょっとした心残りを胸に抱いたまま、京都の地で第二の人生を歩み始めます。
ボストンバッグを肩から下げ、京阪電車出町柳駅で降りて地上に出た瞬間に満開の桜が私を迎えてくれました。
私が桜の花を毎年愛でるようになったのはこの時以降です。それまではなぜ関心すらなかったのか今では理解に苦しむのですが、あの圧倒的に咲き乱れる桜色の花々。あまりの美しさに息をのみました。
生まれ育ってひとときとして離れなかった広島から初めて移住し、間違いなく素晴らしい人生が訪れたと確信した春のヒトコマでした。
さて、次回からは大学生活編に突入します。(続く)
※終わりが見えなくなってきました(笑)