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鑑賞ログ「母性」

221123

最初の情報解禁のニュースを見た時からマークしていたんだ。
永野芽郁と戸田恵梨香の共演で、湊かなえが原作なら品質は問題ないだろう。
監督は廣木隆一監督。調べてみたら「さよなら歌舞伎町」ぐらいしか廣木監督の過去作品見てないな。

観たいと思ってはいたけれども、前日同様観たい映画とタイミングが合わずに先にこちらを鑑賞。

母という存在が大きく3つ出てくる。主人公ルミ子の母性はもちろん、大地真央演じるルミ子の実母の母性、高畑淳子演じるルミ子の義母の母性。一方で、ルミ子と清佳という2人の娘の存在。
ルミ子の判断基準は常に母がどう思うかで、それは自分の娘よりも母が優先される
そして、それぞれの思いが一方通行なことが切ない作品でもある。
一方で夫側から見えている家族はどういう形なのかということもちょっとだけ描かれる。彼は妻を認めているのか、それとも…。ここが切ないところ!

タイトルの母性ということについて、もっと主人公の心の中を掘り下げてもいいのかなと思ったな。意外とそこは短く、外的要因の部分に割く尺が長い。
戸田恵梨香と永野芽郁の2ショットシーンをもっと期待していたから、ちょっと肩透かしだったかも。

なぜルミ子がああいう人間に育ってしまったのかが気になる。ん〜。真面目でいい子すぎるということなんだろうか。ああいう人間って決して珍しくない存在ではあると思う。
誰もが愛情深く自分が産んだ子どもを育てられるわけではないだろうし、子どもが最優先っていうわけではない人はたくさんいるだろうし。ま、ルミ子は極端なのかもしれないけれど、それはエンタメってことで。

あとキャストのバランスがいい。
まずは戸田恵梨香の演技を味わう作品。主演の2人を除くと、個人的には山下リオがとってもいいなと感じた。この人こんなによかったっけ?と思うぐらい。10代の女子が触発される親戚とか近所のオネェちゃんってこんな感じだよね、っていうのをすごい体現してる。
戸田恵梨香演じるルミ子の夫役・三浦誠己のチョイスも渋くていい感じ。主人公・ルミ子の母役が大地真央っていうのもインパクトあるけど、高畑淳子の義母というのがインパクト大。怖い。そして中村ゆり。清佳の高校の同級生役の高橋侃も個人的推し。顔つきのいいキャストが揃ってるなという印象。
そして、高畑淳子の慟哭のシーンから出る母性がこの作品の中で一番強い気がしたのは私だけじゃないはず。

多分、70年代と90年代、2000年代が物語の舞台だと思うんだが、美術も凝ってる。特に、ルミ子が新婚家庭を送った小さな家。なんていうんだろ、今ある世界から当時なかったものをトリミングした美術じゃなくて、ちゃんと時代考証をしているような気がする。とあるシーンでラタンの家具が出てきた瞬間、懐かしすぎて声が出るかと思った。

あと、時代が飛んだりするからかもしれないけれど、テンポがいい作品だなと思った。久しぶりに時計を気にせず最後まで作品を観た。

ところで、作中で「愛」というワードが頻出するんだが、大地真央の顔を見るたびに某CMを思い出してしまったんだが、それは作品にとってプラスなんだろうか…笑。大地真央の美しさも怖い。

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