短編小説『面倒なんて言ってたって』
「恋愛とか面倒って言ってなかったっけ?お前」
「言った…言ったけどさ、うん。誰か好きになるって理屈じゃねえじゃん」
「うわ。恥ずいな、今の」
「恥ず……忘れて!コーヒー奢るからさ。な!」
今日の仕事帰り、後輩に告白した。その場で返事はもらえなかった。
1人ではいられなくて、カフェに親友のカズオを呼んだ。2人共お酒はあまり好きではない。
奢るためのコーヒーを買いに、再びレジに来ている。なんてザマだ。
でもまあ、事実なんだよな。理屈じゃない。
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「はいよ」
「おぅ、