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生活保護を受けず中学生が働く、これが許されていいのか

皆さまこんにちは。

こちらの本を読みました。

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タイトルの通りで、たしかに「希望が死んだ夜」です。ここまで「希望が死んだ」と思わされる物語はなかなかありません。

しわ寄せが子どもに行くのはやむを得ないですか

子どもの貧困問題を取り扱った小説で、複数の貧困家庭がそれぞれ違った環境下での話が盛り込まれ、筆者の取材力や資料を活かす力を感じます。

今は正規雇用がとても難しくなっている時代です。

そして、シングルマザー、シングルファーザーの家庭も増えている時代です。

正規雇用が崩れ、シングルの家庭になったことで仕事の時間も減り、収入が減ったり働けなくなったとき、その「しわ寄せ」は、子どもに行きます。

しわ寄せは、子どもに行きます」ということを当たり前のように私たちは受け入れてはいけないと思います。これは日本独特のシステムなのかもしれません。いわゆる「先進国」は、これが当たり前ではないのかもしれないのです。

以前、デンマークの教育方式について書かれた本を読みまして、このシステムはぜひ日本も参考にしてほしいと思いました。

フィンランドは税金が高い代わりに教育費はかからないと聞いています。

高い学費に苦しむ一般家庭

教育のチャンスは平等であるべきです。だから義務教育が設けられたわけですが、今、中学生までの義務教育で足りていると思う方はほとんどいないと思います。ほとんどの人は高校は出るべきだと思っているでしょう(学び方は人それぞれであるとは思いますが)。そして実際のところは大学にも進学させたいと考える親も少なくはないでしょう。

ですが、高校・大学で学ばせるとなればその費用はとてつもなく高くなっています。だから学生本人が奨学金制度(返還)を利用しなければいけない、という流れができつつあります。しかし、これが当たり前のようになっていいのでしょうか。私にはそう思えません。社会人になっても給与が保証されるという社会ではなくなりつつあります。定額の給与が保証されていないのに奨学金は返還が義務づけられるのは、極めて危険です。

この物語の「解説」のところで、

「希望はすでに死んだのか。絶望しかないのか。そんなことはない。なぜなら作者が、絶望の先にある何かを信じ、それを読者に託しているからだ。あえて書かなかったラストのセリフに、天袮涼の願いが込められている」

とあります。しかし、「読者」である私は、「絶望の先にある何か」をまったくといっていいほど想像できません。私はラストのセリフを書けません。

子どもが貧困によって機会が不平等になっているのであれば、この国の病魔は限りなく根深いと言わざるを得ません。

これは教育の「細部」ではなく、構造を変えなければいけないと思います。日本人の考え方も変える必要性があるのかもしれません。

子どもを持つ方、孫を持つ方に読んでほしい1冊です。

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

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