Tomohito Yoshijima

吉島智仁 音楽家、ドラマー、エンジニア、作曲家。 SKY TRIO、きつねのトンプソン…

Tomohito Yoshijima

吉島智仁 音楽家、ドラマー、エンジニア、作曲家。 SKY TRIO、きつねのトンプソン、富山優子トリオ、Tomo Tomo Club、AppleDay、maikotobranco、深夜廟など。師は池長一美師匠、メイト音楽学院小岩ドラム講師、SONOR、SJC。

最近の記事

In the Pocket #1

いち演奏者、音楽家として、ちょっとした気づきを残していこうかと思ったのは、実は随分前になるかもしれません。 ちまちまFacebookに書き込んでいる僕のメモは、もとはちゃんと紙に書き残していた"練習日記"なる僕の日々の練習による気づきの僕自身へのリマインドと、自分自身のためだけの新たな練習法の開発の種のストックの役割を果たすものでした。 ただ、それだと僕の思い違いも多々あり、閉鎖された日記空間は単なる僕の妄想で、その間違いに気づくのにも膨大な時間がかかるとわかったとき、僕はこ

    • 妄想リスニング#7 Beck "Sea Change" × Trygve Seim "Helsinki Songs"

      管弦楽、弦楽隊、ホーンセクションとロック・ポップミュージックとの組み合わせは今では多く聞かれるようになりましたが、そんな中にも個人的にすごく好きな作品があって、そのうちの一つがBeckのSea Changeです。 シンプルなアコースティックギターの刻みから始まるこの作品は、徐々にいろんな楽器が加わってゆっくり姿を変えていき、2曲目には弦楽隊が登場して、海のような広がりを見せてくれます。 小さなグルーヴの揺らぎもそのままに、まさに今、目の前で演奏をしているかのような生々しさを感

      • 妄想リスニング#6 Nine Inch Nails "And all that could have been / Still" × Sachal Vasandani "Still Life"

        20代の頃に観に行って強烈なインパクトを残したライヴのひとつとして、NINの"Fragile"のライヴがあります。 気合いの入った友人と2人で観に行き、オールスタンディングで、ステージのど真ん前に陣取った僕らは、ライヴが始まるや否や揉みくちゃになって、友達は気づいたらオーディエンスを上をサーフしてるし、僕は体がちっこいので、周りの屈強なファンに押しに押されてズルズル後退。 ステージが全く見えない状態だけど、音だけは鮮明に聞こえてきて、そのサウンドシャワーに度肝を抜かれていまし

        • 妄想リスニング#5 Wayne Shorter "Footprints Live!" × Autechre "NTS Sessions"

          偉大なジャズサキソフォニスト、ウェインショーターが亡くなってしまったのはつい先日。 アートブレイキーのジャズメッセンジャーズでの活躍から、マイルスデイヴィスのグループで音楽的パラダイムシフトを起こし、ウェザーリポートでフュージョンブーム、そして最後は自身のカルテットでまるで魔法のような音楽を構築して、天へと昇っていきました。 僕はどれだけウェインの音楽を聴いて影響を受けただろうなぁ、大きすぎてわかりません。 "魔法のような"という彼の音楽に対する形容表現は、その音楽が常に聴い

          妄想リスニング#4 Black Midi "Cavalcade" × UA "Sun"

          ポップであることって、何だろうか。 わかりやすくても何か物足りない感じがしたり、難しいものだとわかっていてもなんだか好きで、ずっと気になってしまうものがあります。 どんな要素がポップであることの中核なのかを明言することはなかなかできないものです。 ある決まった要素によって物事がポップになることはなく、でも確実に目に見えない奇跡のバランスのような形で存在し、人を魅了します。 もしかしたら狙わずしてできた偶然かもしれないし、磨きに磨いて構築したものかもしれない。 それすらわかり

          妄想リスニング#4 Black Midi "Cavalcade" × UA "Sun"

          妄想リスニング#3 Thompson the Fox "Foxology" × Helloween "Dark Ride"

          ラグタイムは1868〜1917年という短い期間を生きたキング、スコットジョップリンの音楽といっても過言ではないでしょう。 バウンスするメロディーとマーチのような2フィールを特徴とするこの音楽は、20世紀初頭に大流行し、まさにブラックミュージックの礎となりました。 流行の原因は、そのズレたようなタイム感にあったとは思うんですが、改めてこのラグタイムを聴くと、その要素には実はとんでもないことが含まれていることに気づくんです。 バウンスするメロディーのリズムにばかり耳がいくと見落

          妄想リスニング#3 Thompson the Fox "Foxology" × Helloween "Dark Ride"

          妄想リスニング#2 Jonsi "Go"×Jamire Williams "Effectual"

          世の中に、"ドラムの音だけを延々聴いていたい"と思う人はどれほどいるだろうか。 まぁ、間違いなくそんなに多くはないでしょう。 で、その多くない人たちの中のほとんどがドラマー、もしくは打楽器奏者なんじゃないだろうか。 鍵盤打楽器のように、しっかりした音階があるなら、そこにはリズムと同時にメロディも聴き取れるでしょう。 ところが、ドラムって、、、基本的に音階らしい音階はなく、高い音低い音、硬い音柔らかい音、その他諸々の、いわゆる"非音楽的"な音の数々が出てくることがほとんどです

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          妄想リスニング#1 Miles Davis "Agharta"×My Bloody Valentine "Loveless"

          妄想リスニングという記事の記念すべき第一稿目。 はじめに注意書きとして言っておきますと、この文の内容は、間違いだらけの、デタラメなものばかりです。 世に出回ってる正しい評論や系譜、相関図には全く当てはまることなく、ときにはウソばかりとなることもあるでしょう。 なぜ、そんなことを書くのか。 それは僕自身がありとあらゆるレビューから遮断されたスペースを作りたいがためであり、ただただ好きなもの同士を個人の見解で繋げて、自分の創作活動に活かしたいと思うがためです。 よって、この場では

          妄想リスニング#1 Miles Davis "Agharta"×My Bloody Valentine "Loveless"