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妄想リスニング#1 Miles Davis "Agharta"×My Bloody Valentine "Loveless"

妄想リスニングという記事の記念すべき第一稿目。
はじめに注意書きとして言っておきますと、この文の内容は、間違いだらけの、デタラメなものばかりです。
世に出回ってる正しい評論や系譜、相関図には全く当てはまることなく、ときにはウソばかりとなることもあるでしょう。
なぜ、そんなことを書くのか。
それは僕自身がありとあらゆるレビューから遮断されたスペースを作りたいがためであり、ただただ好きなもの同士を個人の見解で繋げて、自分の創作活動に活かしたいと思うがためです。
よって、この場では誰からの批判も苦情も受け付けることなく、ただ妄想においてのみ音楽探求をしていこうと思っています。
もう一度言いますよ。
ここにはデタラメしか書いてありません。
でも、もしかしたら、新たな道を見つけることに繋がるかも知れないね。

本来ないはずの道に踏み込んでみるワクワク感というのは誰にでもあるもの。
誰かが"この道は歩きやすいよ"と示してくれた道は、確かに歩きやすいでしょうね。
ところが冒険をしたい人にとっては、それではあんまり刺激がなく、楽しくないかもしれません。
自力で探求した結果、示された道にたまたま辿り着いたとしても、探求の過程が楽しかったわけで、はじめから誰かの歩いた道を歩くのとは大きく意味が異なるでしょう。

音楽雑誌が示した評論文を読むのは、僕はとても好きでした。
それをもとにして、さまざまな音楽、音楽家の繋がりを知り、たくさんの音源を買い漁ったものです。
が、あるときふと思います。
"自分が知っているのは、興味のあるジャンルのものばかりの繋がり"なんじゃないか、と。
読む本というのは、なかなか自分の好きなものという道から逸れられないものですね。
だから、音楽雑誌もそうしたものの繋がりでしか読んでいないということに気づきます。

踏み込んだことのないところに足を踏み込むきっかけは突然訪れるんです。
学生時代、サークルのテーブルに"自由に聴いていいよ"というメモ書きとともに、一枚のCDが置いてありました。
当時の僕の好きなものといったら、ヘヴィメタル全般、プログレ(とくにYES)、そしてGrateful Deadと、とにかくそれらのエレキギターの音が好きでした。
浮遊感や壁のような音圧、ありとあらゆる音の表現ができる可能性をエレキギターの音に感じていたんです。
置かれていたCDは、My Bloody Valentineの名盤"Loveless"でした。
僕はそれまでにマイブラを聞いたことがなかったんです。
早速借りて帰ってうちで大音量で聴きます。
そりゃ、もう、凄かった!
洪水のように広がる音は、ほんとにエレキギターので作った音なのかと疑うほど。
シューゲイザーという言葉を知らない僕は、その音楽をかろうじて"サイケデリックロック"と位置づけました。
前述のYESやDEADに求めていたものも、まさにそのサイケ感だったんです。
こういう音楽が聴きたかった!

福岡の田舎で育った僕には、こんな情報を手に入れる術は当時は皆無でした。
大学に行くために上京して、いきなりの知らない音楽の洗礼。
マイブラはその時点で僕の最強のサイケアルバムになったんです。

そうなるとそういう種類の音楽をたくさん聴きたくなります。
通学途中にあった、高田馬場のレコード屋に入ったとき、ものすごいサイケな音楽がかかっていました。(今ならわかるんだけど、当時誰の演奏かはわからなかったんだよね、、、で、それはアーチーシェブだった。)
サックスの音がしてるので、ジャズだろうということは分かったんですが、そこにはギターが入っていません。
で、田舎者の僕は、店員さんに訊ねました。
"こういうサイケな音楽で、エレキギターがめちゃ入ってるのってありますか?"と。
いやー、20歳って怖いもの知らず、、、僕はアホだったなぁ、、、。
そんな僕に店員さんが優しく教えてくれました。
"そこのマイルスデイヴィスって書いてあるところにアガルタってアルバムがあるから、2枚組だし、たっぷり楽しめるんじゃないかな?"。

マイルス、ふむ、なんとなく名前は知ってる。
じゃ、これで。
ジャケットも横尾忠則氏の、見るからにサイケなデザイン。
家まで我慢できないので、電車の中でたまらず開封して、持っていたポータブルプレイヤーに突っ込んで一聴。
もう、悶絶ものでした。

あのマイブラのときとおんなじ衝撃、、、。
これは夢だろうか、、、。
サイケの王様やないか、マイルス、、、。
(この時点で僕は大きく間違っていますが、マイルスは言わずと知れたジャズの帝王とのちに知るのです。)

"Only shallow"と"Prelude"なんかはちょっと乱暴かもしれないけど、僕には同一直線上にある音楽に思えるんです。
ケヴィンシールズがマイルスのアガルタを愛聴したかどうかはわからないけど、僕の中ではこの2枚のアルバムには確かな繋がりを今でも感じます。
聴いたときのインパクトがかなり関係しているかもしれないけど。
音像、音楽の種類も全然違います。
だけど、空間に漂う音の配置、手触りに似たものを感じるんです。
あらゆる色が混じって、ぐにゃりと歪む、その感じが。

どちらか好きなら、どっちも聴くのもありだね!
と、いうことで、第1回はマイルスとマイブラの妄想連結。
連結の謎は、そうだなぁ、"聴けばわかる!"、、、かも。

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