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解夏《海鳴りvol.3》

体が火照るほどに息苦しい
手足は切り落としたいほどに熱を帯びる
私が愛を掬う計りの程を知る頃
君が可愛がる犬のこと憎らしく思う

小さな町に提灯の明かりが瞬く
点滅はされど燦々とそう悠々と

あなたの声は聞くと静謐になれる
耐えきれず堅牢となる日々はもう
息ができないほど

冷たい水がほしい
冷たくて終わりに向かう
今その一瞬、求めたら
体がそっと前を向く

向日葵が綺麗に伸び咲く庭
蝉は集まらないのに
あんなにも共鳴する
ああそうだあなたが
帰ってくるのが見えるから
氷を砕いてアスファルトに撒こう

息を吹き返すほどの
冷たい水がほしい
冷たくて終わりはどちら
今その向こうを求めても
体がまたね、前を向く

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