記事一覧
『わが投資術 市場は誰に微笑むか』(清原 達郎)
清原さんの本、大変に売れ行きが良いようです。私も気になって、出てすぐに買いました。
昨今、コロナにおいて、株式投資を勧めていた方々がガンになられることが多く、大変に悲しんでおります。先日の大江英樹も亡くなってしまったし、山崎元さんも亡くなってしまった。で、清原さんはご無事であるものの、咽頭癌を患って、声を失っているそうです。
山崎さんが書かれておりましたが、ウィスキーをストレートでのむのは喉に
書評:『オランダ商館長が見た 江戸の災害』(フレデリック・クレインス)
この本は、本の位置付けが面白い。
時代は江戸時代、場所は長崎の出島である。鎖国の日本の中で、数少ない国として日本との交易をしていたオランダ。その東インド会社の商館が長崎の出島に置かれていて、そこのボスの日誌を振り返るというのがこの本なのである。
アンネの日記のように、日記なのではない。これは、おそらく日誌である。日本出張所の長として、業務として日誌をつけることになっていたのが、日本支社長である
書評『感染症の日本史』磯田 道史
実学としての歴史。今の時代、それを追求している一番有名な人が、磯田さんであることは間違い無いだろう。
コロナウイルスのワクチンが開発される前の本であるのだが、今読んでもさほどその価値は落ちないと思われる。愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ、とは言いますが、自分の生きていない昔も含めた人類の経験を、歴史書から学ぶということは有益だということです。まあ、たかだか人の人生など100年も無いわけで、数世
書評『バフェット帝国の掟』(ローレンス・A・カニンガム, ステファニー・キューバ, 岩本 正明)
バフェットさんが公認するバフェット本というのが少ない中で、こちらは公認の本ということで、早速買って読みました。
個人的にはつまんなかったですね。いや、よくまとまっている本なんですよ。内容も悪くない。でも、ほぼ全部知ってたって感じで、Nothing Newだったんですよね。
だから、印象もあんまり残っていない。
この本はですね、バフェットからの手紙を作っているカニンガムさんが書いている本なんで
書評『ビジョナリー・カンパニーZERO』 (ジム・コリンズ, ビル・ラジアー)
ベストセラーは面白いですね。やっぱり。
HBR(ハーバードビジネスレビュー)を読んでいて面白いと思っていた記事って、多分、ジム・コリンリズの記事だんだろうなと思うんですが、その最初の頃の論文を、追記して後で出したのが、ビジョナリーカンパニーZEROというこの本。
原題は"Beyond Entrepreneurship 2.0"で、"BE 2.0"のようです。まあ、ゼロになっちゃいましたが。
書評:『人口から読む日本の歴史』(鬼頭宏)
随分前に亡くなった大正生まれの祖母が、昔言っていた言葉が以下である。
「日本という国の人口が減るって大騒ぎしているけど、おかしいのよ。昔の人口なんてずーっと今より少なかったのにうまくやっていたんだから、少し人口が減るぐらいで日本はおかしくなりません」
そのことが気になって、日本の人口のことを気にかけると、小学校で習った、日本の人口は、1.2億人というのからあまり動いていない。一方、世界人口のそれ
書評:『習近平が尖閣を占領する日』(日高義樹)
米国共和党に近い日高さんの2021年の著書。Kindleで読んでみた。
まあ今回も刺激的な内容であるのだが、日高さんの著書の怖いところは、過去のものを見てもあながち間違っていないことである。おそらく、CIA系の米国の世論操作も混じっている(米国の共和党系シンクタンクからすれば、それが仕事であるし、ポジショントークでしかないが)とはいえ、米国の外交姿勢や、米国の軍事を考えるに日高さんの本を時々読む
書評:『宿無し弘文 スティーブ・ジョブズの禅僧』(柳田由紀子)
スティーブ・ジョブスのメンターが日本人で、それは乙川弘文さんと言った。スティーブ・ジョブスが慕っていたのが、曹洞宗のお坊さんだったと聞いて、スティーブ・ジョブス好きとしては、読んでみようとこの本をkindleで買ったわけだ。
私は少し放浪癖があるので、こういう宿無しとかいう言葉にも弱いのだ。
まあ、しかし、この本はちょっと危険な本である。
私、この本をあまりちゃんとチェックせずに買って読み出
書評:『決定版 大東亜戦争(上下)』(波多野澄雄, 赤木完爾 , 川島真, 戸部良一, & 3 その他) その1
天皇陛下が、「先の大戦」として振り返る戦争を大東亜戦争とすべきであると言うようなことを含めて、総合的に先の大戦を振り返っている本である。結論すごくよかったので、今回、全体の書評を書きつつ、詳細の部分も力が及ぶ限り書いてみようと思う。
最初に、先の大戦をこの書評上、大東亜戦争と呼ぶことにする。 Greater East Asia War と書けば、間違っていないことがわかるであろう。この解説自体も
中国バブルが順調に崩壊中。中国の外貨準備高は大丈夫なのか?
承前
中国の不動産バブルの崩壊が、華麗に始まったようですね。
まず、中国恒大ですが、習おじさんとは、違う派閥だったようで、チーン、という感じです。
で、苦しい中国の不動産屋は、恒大だけじゃなかった。
日本では、不動産屋の崩壊が、未払金を通じてゼネコンなどに波及したり、値上がりする土地を担保に金を貸していた銀行の不良債権につながり、銀行が不味くなったわけですが、日経新聞さんはその辺の言及も忘
書評:『情報と国家 憲政史上最長の政権を支えたインテリジェンスの原点』(北村滋)
はっきり言って、この本、つまんねぇNSS 国家安全保障局の局長さんだった人の著書ということで、安全保障のことを学ぼうと思って買ったんだけど、がっかり。まあ、価値ないですね。
書いてあることといえば、警察の歴史ぐらいなもので、北村さんのこの著書は、まさに警察官僚。NSSの仕事など、センシティブすぎて書けないのか、ただの警察官僚がNSSをやっていただけなのかはよくわからないけれども、官僚が書いた本を
中国バブル崩壊は、不動産バブル崩壊から始まった様子
とうとう、始まったようです。Japan as no1 からの日本のバブル崩壊を辿るchina as no1 からの中国バブル崩壊の路線。
中国恒大と言う大きな不動産デベロッパーが崩壊しつつあり、株価の下落が止まらないと言うことらしい。で、その原因は30兆円を超える負債がデフォルトしそうと言う話。
利払いが9月末から続いて、日別で40億円とか80億円とか100億円とかそう言う単位でお金が飛んでい
中国、バブルの崩壊中か?観察しよう
まあ、色々習近平さんはやってくれているわけですが、規模が大きくなってきました。
2兆円のドル建ての社債がデフォルトつーことで、社長も代わり、共産党の人が送り込まれてリストラ。
中国で進むのが国有企業化ということらしいです。民間で成り上がってきた鄧小平政策の申し子たち、企業家・起業家たちを否定して、色々なものを召し上げて、国有企業に移転し、共産党でそこを支配していくという見事な共産党主義的な独裁
書評:『自衛隊最高幹部が語る令和の国防』(岩田清文, 武居智久, 尾上定正, 兼原信克)
日本の安全保障について学ぼうと、兼原さんの本を読んだ続きがこちら。どうも、安全保障論を読んだけど、軍事方面の内容が薄いのが不満。餅は餅屋ということで、陸海空の自衛隊の一番上だった人たちがOBになっていて、対談しているのがこの本である。この本は、自衛のリアルがわかってよかった。
ここで此処で対談している人たちは全て良いのだけれども、結論、日本の安全保障はかなりまずい状態であることがよくわかったし、
書評:『安全保障戦略』(兼原信克)
日本の安全保障って大丈夫なんだろうか、と日々不安に思っている中、amazonさんがこの本を勧めてくれたので、ポチってみたのだが、結果、さらに不安になるという事態が生まれました。
著者の兼原さんは大変に活躍した外務省出身で、内閣府で働いた官僚のようです。日本の安全保障分野の第一人者だったのでしょう。
本の内容を辿っていくと不安になることばかりでした。まず、安全保障なのに、霞ヶ関から半径3km程度