souvenir【パリ】vol.3
「souvenir」、
旅のお土産。
南極からやってきたペンギンが、
世界を旅して、旅先からのお土産をあなたのもとへお届けします。
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さて、
2つの教会を見たあと、ペンギンはぶらり街歩きへ出かけるようです。
「パサージュ」
パリの中心部は、その多くが街区ごとに建物が塊のようになっています。
1〜2階はお店、上の階はアパルトマン(住居)……という場合が多く(もちろん、建物全体が住居の場合もままありますが)、
パリは、もちろん歴史ある古い街ではあるのですが、おそらくなんとなくイメージで思い描いているよりも、ずっと整備された街です(19世紀後半に「パリ大改造」と呼ばれる大きな区画整理がありました)。
さてそんな街並みの中で、ときどき、こんなふうな門や、建物の塊に空いた口、のようなものと出会うことがあります。
これらは、「パサージュ」と呼ばれる所への入り口。
なんと訳せばいいでしょうか、
直訳すれば「小径」、「通過(するところ)」なのですが……
19世紀、鉄とガラスの建築が興隆した時代。
それら新しい技術を駆使して、美しい遊歩道が次々に作られました。
ガラス張りの天井に、美しいタイルの床、ガス灯やときには噴水、
そしてこの道の両脇にショーウィンドウを備えた店々が立ち並び、
18〜19世紀のパリジャン、パリジェンヌたちがそぞろ歩いたのです。
それらは、今は昔。
今も美しい建築やその装飾の数々が人目を楽しませ、観光地となっているパサージュもあれば、
時代に沿って形を変えつつ、地元の人々が日常の道として使い、カフェでのんびりと過ごしているような場所もあれば、
店々はすっかりと扉を閉し、人の影も消え去ってしまったパサージュもあります。
こんな本があります。
『パリのパサージュ ー 過ぎ去った夢の痕跡』。
この本の副題が、まさにパサージュというものの、
それを現代の私たちがパリで通り過ぎ、眺めるときの魅力をひとことで言い表していると思うのです。
かつてあった夢。
夢のような美しい場所……ということでもあり、
その場所そのものが、輝かしい未来を夢見ていた……パサージュに立つと、まるでそんなふうにも思えます。
それらはすべて過ぎ去り、
今はその痕跡だけがそこに残っている……。今も栄えているパサージュであっても、失われた過去の名残はそこかしこに発見することができるように思います。
その郷愁、
過去の誇り高さ、栄華の甘い残り香、
そういったものもの……。
「私家版パリのパサージュ」
パサージュ巡りの写真を集めて、
小さな写真ZINEを作りました。
神保町の本屋さん(その名も「PASSAGE」!)に置かせていただいていました(2022/6/16現在、在庫あと1冊なので、少し早めに過去形にしておきます)。
そのうち増補改定してまた何か作るつもりです。
「パサージュのランプ」
パサージュのこの美しさ、甘やかな思い出、
そういうものを風景に込められたら……と思いながら、
パサージュの"おみやげ"としてランプを製作しました。
いつもの「手のひらサイズのランプ」よりも、ふたまわりほど大きめです。
実際のパサージュは、建物の塊の中にいわば入り込んでいる構造ですが、
そこは少し改変し、パサージュの構造を横から見ることができるようにしました。
灯りを点けると、タイルの構造を刻んだ床が光り、
ガラス天井を支える鉄の骨組みや、周囲の建物(アパルトマン)の窓、フランスらしい建築装飾などの陰影が浮かび上がります。
実際のパサージュをモデルにしていて、
そのパサージュ名が記された看板(パサージュには大抵門扉の上に掲げられています)も再現しているので、ぜひ何処なのか確認してみてください!(数mmの文字ですが、目を凝らせば読んでいただけるかと……)
さて、
街の片隅で、ペンギンは何か楽しいものを発見したようです。
"souvenir"シリーズ、
この後もどうぞよろしくお願いします!
告知・販売について
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