【ただの日記】早起きは三文の徳
僕は昨日の夜。
あるYouTubeの動画をみた。
それがこれだ。
そう、フェルミ研究所である。
これをみた僕は深夜2時に決意した。
明日は早起きしよう。
僕は何も予定がない日、11時くらいまで寝てしまうことが多いのだが、昼に歯を磨きながら、時間を無駄にしてるなぁと虚無感を感じることが非常に多い。
つまりは、理性的には早起きがしたくてしたくてたまらなかったのだ。
しかし、朝にやってくる悪魔はレベルが高すぎるため、毎回、負けて夢の中へと引っ張られてしまっていた。
この悪魔の力の前では、魔人ブウもフリーザもお手上げであろう。
明日こそは負けない。
この夜、一人でそう誓った。
僕は、目覚ましに起こされるのが非常に嫌いなため、朝日の力を借りることにした。
カーテン全開で寝るのである。
また、時計を見てしまうと「まだこんな時間じゃーん、二度寝しよ。」と悪魔の誘惑に一撃必殺で負けるため、目覚まし時計を見えないところに放りなげた。
そして、検討を祈るとばかりに眠りについた。
朝日がやってきて、目が覚める。
目が覚めた瞬間、自分の使命を思い出し、布団を足で吹っ飛ばした。
そして、勢いよく飛び起きて伸びをする。
悪魔を倒すには、体の行動が重要である。
その日、太陽の光に起こされたことによって、非常に清々しい朝であった。
僕は時計を見ないようにしながら、着る洋服を選ぼうとした。
しかし、洋服は気温と照らし合わせて着ないと失敗するので、仕方なくスマホを開いて、本日の気温を調べる。
すると、ホーム画面に「6:43」と時刻が表示された。
おおぅ、めっちゃ朝じゃん。と思った瞬間、
ベッドが「おいでよ」と誘惑してくる。
僕は、もう一度伸びをして誘惑を無視する。
服を選び、ベッドを見ないようにして、リビングへ行った。
まず水を飲み、グラノーラを食べ、顔を洗って、歯を磨いていると、一匹の猫と目があった。
こいつはどこからともなくやってくる野良猫である。名前は「ニャー」。母親が命名した。
最初出会った時は、人間への警戒心が強く、近づきもしなかったのだが、母親が鰹節を貢ぎ続けた結果、朝・昼・晩に餌を媚びにやってくるようになった。
この猫は、人間を見ると自分の可愛さを存分に生かした芝居をし、うちの家族を虜にする。
一方で、餌をもらうと二度と鳴きはせず、
「貴様らはもう用済みだ」とばかりにどこかへいなくなる。狡猾な詐欺師である。
最近では、猫用のベッドとキャットフードまで母親によって買い与えられ、とことん甘やかされいる。特に、うちの母親はこの猫にとって、最高のカモであった。
僕は、こっちをみて「ニャー」と口を開ける猫を横目に入れるも「朝からお前に構っている暇はない。」と歯磨きを続ける。
そして、靴下を履き、散歩に出陣する準備を済ませる。
さぁ行くぞ。と思う反面、猫が気になった。
残念なことに僕も猫の虜であった。
ベランダの扉を見ると、猫はちょこんと座ってつぶらな瞳でこっちを見ていた。そして、「ご飯くれないの?」とばかりにガラス戸に片手の肉球をくっつけてくる。
最優秀主演女優賞を受賞してもおかしくない演技力である。僕は結局、母親の買ってきたキャットフードをあげてしまった。
しめしめとばかりに餌を食べる猫を他所に、僕は意を決して、外へと繰り出す。
普段ならイヤホンをして音楽を聴きながら歩くのだか、今日は敢えて聴かないことにした。
6時台に外に出るのは、3ヶ月前の年越しの日に友人と初日の出を見に行った時以来であった。
昼と違うのは、朝独特の空気とスズメの鳴き声の多さであった。スズメの鳴き声は「よく起きれたね」というファンファーレに聞こえた。
この時間、イヤホンなしで外を歩くのも悪くないなと感じた。
パーキング付きのコンビニでは、これからどこかに行くのであろう家族が車で朝食を食べていたり、工事現場の人たちがコーヒーを飲んでいたり、様々な景色があった。
僕は市街地を越え、川の土手を歩いた。
この時間は空気が澄んでいて、景色がとても良かった。
また、想像よりもランニングしている人が少ない印象を受けた。土手にはほぼ人がいない状態だった。
ある程度歩いていると、後ろから、おっさんの歌声が近づいてきた。曲は、サザンオールスターズの「TSUNAMI」である。
おっさんは自転車に乗りながら、爆音で音楽を流し、カラオケ張りの声量を発揮しながら僕を追い越した。
そのメンタルの強さは称賛すべきであろう。
僕は心の中でスタンディングオベーションをした。
まぁ「楽しそう。自分もいつかやってやろう」とはならない。
30分ほど散歩をして、家に帰ると、母親と父親が朝食をとっていた。
僕が「おはよう〜」と言うと、バケモノでも見たかのように、「えっ!?」と二人して目を丸くする。まぁわかるけどそんな驚くな。と心の中で思った。
その後、リビングのテレビでYouTubeを見る。
早起きしたからといって、勉強する気にもならなかった。
少しして、母親の「ニャーちゃん、今日も来たのねぇ〜、おはよう〜」という声が聞こえてくる。あいつまた食いに来たのか。と思って見ていると、案の定、母親が餌を貢いでいた。
「ご飯美味しい〜?」「今日はどこ行くの?」と母親が猫にひたすら話かけている。
これは毎日見る光景である。僕はそれに対して、なにも触れないようにしている。
「今日はねぇ、鳥を狩りにいくんだ!」などと猫が答えてくれれば母親も報われるだろうが、生憎にもこの猫は喋りたくないようである。
いずれにしても、僕が早起きして得られたものはこんなたわいもない日常だった。
三文の徳とはよく言ったものである。
しかし、まぁ悪くない朝だと感じる。
この日記を振り返って見ている
いつかの自分に告げたい。
明日は早起きしろ。
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