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センス

「自分よりJazzやBluesのセンスがある」


そう言われたのは25年も前。その人は海外のコンクールで入賞するほどのtubaの腕を持った人だった。
その時は「まさか」と思いつつも嬉しく思って、演目の「ふたりために」と「On the Sunny Side Street」の練習にさらに熱が入った。

Jazz

思えば大学の近くにJazz喫茶があった。どんな曲でも心地良くて、そこで何とはなしにお茶を飲むのが好きだった。

ポップスとクラシック

もともと私の中に、音楽を仕分けるものはない。習っていたのはクラシックピアノだけど、先生は「好きな曲を楽しんで弾くのがいい」といつも言ってる優しいおばあちゃまだった。
アイドルやアーティストの雑誌を買っては、伴奏を弾いたりしていた。ロックもポップスも私の中では「音楽」であって別物ではない。同じようにJazzもBluesも「音楽」という一括りの中にあるみたい。

吹奏楽

中高生の時は吹奏楽部でトランペットをやっていた。決してうまくはなかったけど、ある時、「そりすべり」を演奏した時、当時の某交響楽団の指揮者に「最高校級の演奏だ」と我が校はお褒めをいただいた。あの時の演奏は今でも私の中で「ワクワク」を伴って残っている。

そう思うと、色んな分野に触れることで、私の中にどんな音楽も受け入れる素地が育ってきたのだろうと思う。

千里Jazz

最近、やっと千里Jazzに触れるようになって、最初は随分変わったなと感じたりもしたのだけど、知らないうちにピアノの音やベースのリズムに身を任せている自分に気づいた。

そこで片っ端から、Youtubeなどで千里Jazzを聴き回った。

そこでよくわかった。ポップスからJazzに転向したからと言って、頭で考える必要はない。あの時のようにただ音に身を任せればいいってことを。敷居は頭で作ったもの。私の中には「音楽」というジャンルが生きている。

最初のあの言葉も、私の中のその感性に向かって言われたものだろう。

曲を知らなくてもいい。
ただ、音に身を任せるためにLiveに行くのもあり。

そう思うと、なんだかまた私の中に「ワクワク」が生まれてきた。

いつか行こう。
そして千里Jazzに身を任せてみよう。

そう思うだけで、あの「そりすべり」を演奏した時の興奮と恍惚感と周りの音や友人たちとの一体化を思い出して、鳥肌が立ってきた。

私の中の準備は整った。
あとは、その時を待つのみ。
舞台の袖でスポットライトの下の自分を思い浮かべて「ワクワク」していた…そんな気持ちで、一歩踏み出す、その日を……

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