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私の好きなもの【それは洋服】VOL03

以下リンクの記事の続きになります。

前回、大学生のときに、古着を契機にプロダクトとして洋服が好きになり、洋服の購入基準が、そのプロダクトの背景などが興味をそそるものであり、かつ、身に着けて印象の変化を感じ、高揚感を得られるものとなったという話でした。

ここから、大学生時代の話に戻りますが、きっかけは古着であったものの、実際は、古着ばかりを買っていたわけではありませんでした。
というのも、現行品でもストーリーもあって、昔の製品にない良さを持っているものは当然あるし、ブランドによっても様々な背景があることが理由にありました。

結局、興味を持ったものは、王道の古着だけでなく、海外ブランドやドメブラ、アウトドアブランドの製品など種々様々なジャンルに及んでいました。
(数こそ決して多くないですが一例をあげると、championのリバースウィーブや、Barbourのオイルドジャケット、COMME des GARÇONSやauraleeなどのドメブラ、supreme、gosha rubchinskiyなどの海外ブランドに至るまで、ミーハーですが、ジャンルレスにいろいろな製品を着た記憶があります。)

当時はお金より時間があったので、古着屋からリユースショップ、セレショからアウトレットまで、とにかく足を使っていろいろな場所に行って、いいものを探し回っていたことを今でも鮮明に覚えています。

話は変わりますが、洋服好きは、その方向性が人によって分かれると思っています。中には学生でも高いもの(究極には、ゴリゴリのヴィンテージやハイブラなど)に手を出す人も少なくないと思います。

ただ、私は、一見、明確な方向性があるわけでもない、上述の購買行動を繰り返す中で、高いものに手を出すことはありませんでした。

もちろんお金の問題や、貧乏性な性格もあったかもしれませんが、それ以上に、”洋服はどこまていってもリアルクローズである”という価値観が自分の中にあったことが要因の1つでした。

洋服は、身に着けるものである以上、日々の何気ない瞬間に経年劣化やダメージを受けてしまう機会が潜んでいます。そんな中で、高価なものを身に着けたら、どうしても過剰に気を遣ってしまうこともあるかと思います。そうすると、本来普段の生活を豊かにできるはずの洋服が、逆に日常を楽しめなくなる要因になってしまい、それは本末転倒ではないかと考えるようになっていました。

加えて、価格と洋服を天秤にかける思考を繰り返していったからか、”洋服そのものの本来的な価格とは”ということも意識するようになってしまっていました。

賛否両論あることを承知で書きますが、ヴィンテージのデニムやTシャツは、本来的には作業着や日常着であり、当時は必ずしも高級品ではなかったはずのものが、現代になって価格的に超高級品になっています。
価格は当然需要と供給により決まるので、値付けがおかしいとは決して思いませんし、売る側・買う側どちらもそれぞれの立場・理念で正しい経済活動をしていると思っています。
一方で、当時から見ると相対的にかなり高額になっている洋服に対して、洋服をリアルクローズとしてとらえている私からすると、洋服そのものに変に緊張してしまい、好きなものとして楽しめないのではとつい考えてしまいます。あくまで個人的なものですので、皆様の思想を否定するものではありません。

まとめると、私自身、”洋服は身に着ける以上は、どこまでいってもリアルクローズであるので、日常を豊かにするには、価格の絶対値が高すぎない、あるいは当時や現在の用途を考慮して相対的に高価すぎない洋服を、そのプロダクトの背景を嗜みながら気負わず身に着けて、自身の印象の変化を楽しむのが、趣味として現実的であるという価値観”を持つに至りました。

こうして、とある1人の洋服好きの独特な価値観が大学生の間に形成され、
社会人になっても基本的な考えは変わっていないところです。
社会人になってから変わった点があるとすれば、仕事では、いわゆるサラリーマン的な服装をする必要があったので、オフィスカジュアルにもつかるものに興味が寄りがちになり、私服への関心がかなり薄れるというような波が生じたこと、大学生より使えるお金が増えたので少しだけ価格帯の高いものを買うようになったということくらいです。

こうして、社会人になって時が経ち、いわゆるカジュアルな洋服からのフェードアウトも近いかなと思っていた矢先に、自分の洋服観に合致するブランドに初めて出会い、思いもよらない衝撃を受けることになります。
そして、現在進行形で、そのブランドの沼にはまってしまい、社会人になって波のあった洋服への興味を完全に取り戻すことになってしまいます。

次回はそのブランドについて触れようと思います。

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