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「ふるさと」を読み解く


雑談


勤労感謝の日ですね。皆さん、日ごろのお仕事お疲れ様です。また、勤労感謝の日にも関わらず勤労頂いている方々には頭が上がりません。本当にありがとうございます。そういった持ちつ持たれつの社会ってポジティブに捉えると素敵だなって思うのです。だから、多少理不尽な教員という仕事もやっていけます。あ、悲報ですが、勤労感謝って今年最後の祝日みたいですよ。

ふるさと


日本を代表する歌の一つである「ふるさと」。皆さんも一度は歌ったことがあるのではないでしょうか?この曲って6年生で教科書に登場するんですけど、小学校で習う音楽教材の中で一番といっていいほど好きな曲なんですよ。今ではAmazonのCMでも使われていますよね。

Amazonの「ふるさと」を読み解く


教科書に出てくる「ふるさと」の歌い出しは皆さんもご存じの通り、次の通りです。

「うさぎ 追いし 彼の山  小ぶな 釣りし 彼の川」

では、Amazonの「故郷」はどうかというと…

「彼の山 彼の川」

なんですよね。これ、おもしろいなあって思って。教科書の方は昔から歌われている歌詞通りなので、解釈としては「うさぎを追いかけたあの山、小鮒を釣ったあの川」という感じですね。けれども、令和の時代を生きる我々にとってはあまりにかけ離れた故郷の風景です。だからこそ、「うさぎ 追いし」と「小鮒 釣りし」をカットして、より多くの日本人の故郷風景にある「山」と「川」にしたんじゃないかなって…。おもしろいですね~

教科書の「ふるさと」を読み解く


では、教科書の「ふるさと」の歌詞の意味ってご存じですか?実はストーリー仕立てになっていておもしろいんです。多様な解釈も可能ですが、一個人として解釈したものをお届けいたします。

1番


うさぎ追いし かの山
小鮒つりし かの川
夢は今も めぐりて
忘れがたき 故郷



解釈
まさに昭和の故郷の様子ですよね。うさぎを追いかけた山や小鮒を釣ったあの川。当時の夢は今も変わらず自分の中にある。そんな忘れられない故郷。こんな感じでしょうか。視点は大人ですね。子どもの頃を思い出している様子が描かれています。
 

2番


いかにいます 父母
恙なしや 友がき
雨に風に つけても
思いいずる 故郷



解釈
当時共に過ごした「人」に焦点を当てています。お父さんやお母さんは元気だろうか。当時の友は今何をしているのだろうか。雨や風に打たれても思い出される故郷。親離れをし、一人暮らしをして一生懸命働いている。でもうまくいかない時(雨や風)もある。そんな時にふっと思い出される両親や友人を懐かしく思う心。ちょっぴり共感できますよね。
 

3番


こころざしを 果たして
いつの日にか 帰らん
山は青き 故郷
水は清き 故郷

 
解釈
きっと親離れして一生懸命働き、自分の夢を成し遂げたい。社会人になれば誰しもが抱く夢。お金持ちになりたい。結婚したい。会社を作りたい。出世したい。そんな一人ひとりがもつ志を果たし、いつかよい報告をもって帰りたい。うさぎを追った青い山や小鮒を釣った綺麗な川のある故郷へ。どこか令和を生きる僕たちにも通ずる思いがあるんじゃないかなって思うのです。
 
 

名歌には訳がある


今でもずっとずっと歌い続けられている名歌には、時代を超えて共感を生む歌詞のよさがあると思うのです。どこか古臭い歌だけど、どこか今の時代にも共感できることがある。僕はこの曲が大好きです。だからこそ、子どもたちと歌い続けていきたいなあと思います。

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