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「約束は守る」ではなく「守れない約束はしない」と教えられた。でも、決意のために「あえて約束する」のも面白いなぁ……と夫を見てて思う話。

 今回は、ちょっと視点を変えて(?)書いてみたいと思います。夫の話なんですけどね。毎日、毎時間か?というくらい、暇さえあれば私に「大好き」と言ってくっついてくる、ちょっと面倒くさい人なんですけど。

 「大好き」というこの呪文を唱えることで、夫は夫自身に暗示をかけているのではなかろうか?と思った日々もあります。疑心暗鬼。本当に私のこと好きで言っているの?何かごまかそうとしてるんじゃない?みたいな。

 でもね、話していくと見えてくるものもあったのです。

私が幼い頃は、

「守れない約束はするな」が父の教え

だったわけです。

 幼い頃って、友達と簡単に約束しちゃいますよね。「遊園地に連れて行ってあげるね」とか「あのおもちゃ買ってあげるね」とか、自分一人で勝手に決めてしまって。自分一人ではどうにもできないことなのに、それを分かっていなくて約束してしまって。

 で、帰宅して親に話すと「ダメです」とか言われて、翌日それを友達に言うと、「ウソつき!」とか「もう絶交ね!」とか怒られちゃうやつ。そしてそれを父に話すと言われてしまうのが、この言葉……みたいなサイクル。

 今となっては、父が言いたかったのは、自分で責任が果たせないことを、約束するんじゃない!ってことも分かります。自分がその人に「してあげたいこと」と「してあげられること」は違うんだぞって話をされていたのだと思うのですが、当時はそんなことわからないわけで。

じゃぁ、そもそも約束ってなんであるの?

って話になるんですけど。

 結局、約束って「ルール」なんじゃないかなと感じるんです。自分の中だけの話じゃなくて、他者と自分が心地よく過ごすために必要な「ルール」。

 法律とか校則とかもそうだけど、私達にとってルールがあるってことは、不自由なこと。だけど、同時に、安心できる面もあって。だって、ルールがあったらそれに従えさえすればよいわけで。自分で考えなくても良いんだもの。ルールに従えば、自分が守られるのだから。

 だけど、ルールがない状況で、「自ら考えて動く」ってかなり大変な労力を要するもので。簡単なようで、実は難しい行為なですよね。自ら考えて動くって。

 そこで思ったのが、

自ら考えて動くために必要なのが「約束」なんじゃないか?

と。今私が考えているのは、「自分」と「他者」で交わすものではなく、「自分」と「自分」で交わすもの。自分の中のルール。

 誰かと約束をした場合を考えてみると、約束を破った時にはその人からの信用を失い、同時にその人を失うことになると思う。これはとても寂しいことで、人間だれしも避けたいことなんじゃないかな。

 自分と約束をした場合を考えると、約束を破った場合、ほとほと自分が情けなく、嫌になると思う。だけど、決して自分という存在を失うことはできなくて、逃げ切ることもできなくて、その嫌だと思った自分とこの先も一緒にいなければならないわけで。ある意味、「生き地獄」な状況。切っても切れないんだもの、一生付きまとうんだもの。

 これを踏まえると、「約束」は交わした以上守らなければならないけど、逆に守れない約束を交わすことは自滅行為にもつながってしまうのではないかって思うのです。自己嫌悪に陥ると、誰だって苦しいじゃない。自分にも逃げ道を作ってあげなくちゃ。(そうだ!「逃げ道」について、また別の機会に書きたいと思います。)

 だから、自ら考えて動くために必要なのが「約束」だけど、それに縛られる必要はないと思うのです。これが、父の言っていた「約束は守る」のではなく「守れない約束はしない」ということなんだろうな、と今、ふと思いました。

 じゃぁ、

「大好き」の呪文を唱えることは何のため?

って話に戻りますが。これはね、夫自身の中での約束事であり、決意表明でもあるのだと思います。

 夫が私に「大好き」と伝えることは、「この先もずっと好きでいるからね」という誓いを、日々立てているというか。夫の、夫の中での日々の「約束」。夫本人の言葉を借りますと、「あなたを悲しませることはしないって決めたから」とのことらしいのですが。

 実に、面白いなぁと思います。「好きだから幸せにする」のではなくて、「悲しませないと決めたから好きと言い続ける」……という。(私の解釈はこんな形ですが、あってるよね?)

 「守れない約束はしない」という父の教えの元育ってきた私にとって、「自分の決意を守るためにあえて約束をする」という考え方は、とても魅力的で、夫らしいなぁと思います。そして、それはそれでとてもありがたいという話です。


~追伸~

なぜ「幸せにする」ではなく「悲しませない」なのかについて、いつかこちらも書けたらと思います。

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