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【完結】日曜日、悲しんでいるあなたが好き

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逆噴射小説大賞2019参加作品/私と彼の半径30キロ圏内のこもごもの話
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日曜日、悲しんでいるあなたが好き 総合目次

私と彼の半径30キロ圏内のこもごも マロンパイ ボタンチャレンジ わたしはあなたにふさわし…

高野優
3年前
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マロンパイ

 家のどこかで鍵が開く音が響いて、痛みのある夢から目が覚めた。ソファでうとうとするのに、…

高野優
3年前
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ボタン・チャレンジ

前回  もうそろそろ頃合いだと感じてクローセットを総ざらいして、衣替えをしていく。秋用の…

高野優
3年前
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わたしはあなたにふさわしい

前回  私たちのあいだでは月に1度、1輪だけお花を買うという決まりがある。ただし赤や黄色で…

高野優
3年前
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思い出すこと

前回  彼と初めて顔を合わせたのは、今からだいたい1年前のこれぐらいの時期ことだ。もうす…

高野優
3年前
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私と似ている誰か、誰かと似ている私

前回  バレンタインデーを間近にしたデパートの催事場はチョコレートの香りに満ちていて、ち…

高野優
3年前
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ゴー・ノース

前回(先月のアルバイト)  海。私の記憶が正しければ、それは地球上における生命誕生の幕が開いた場所。海。私の記憶が正しければ、とある地域の言語では女性名詞として表現される。しかし別の地域では男性名詞として登場する。海。私の記憶が正しければ、そこには、あらゆる宗教儀式により川から流された厄災が流れつくはずだ。  私と彼はそんな海に来ていた。とはいえ高速道路で行けるような近場の、温暖な海域ではない。テレポートで北の方をずっと上っていったところにある冷えきった海だ。先月のアルバ

『我ら』

彼の前職  ここ最近、彼はじっとしていることが多い。椅子に座った……あるいはソファに横に…

高野優
3年前
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カウンセリング

前回  ある日の朝のことだ。まだ日が登りきらない時間に目が覚めたので、二度寝をしたら妙な…

高野優
2年前
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バラ科酒類/料理

今までの ギザブロー登場回  近所の人から青梅をもらう。庭に大王梅(遺伝子編集で大きくさ…

高野優
2年前
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ギザブローの冒険―アボカド熱闘編―

ギザブローとは誰か? 「ンッミミミミーッ!」《なんだこれーっ!》  ギザブローは憤慨した…

高野優
2年前
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シアター

前回  アボカドの傷がいまだ冷めやらぬなか。荻原メイから映画館の電子チケットが3枚、私宛…

高野優
2年前
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解放祭 前編

前回 「――では今より梅酒、および梅シロップ開封の儀を執り行います」  長雨の朝、解放祭…

高野優
2年前
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解放祭 後

前回  いつまでも朽ちない、美しいままのものがどこかにあってほしいと荻原メイは願っていた。わりあいに幼いころから。たとえそんなものが己の目の届く範囲になくとも、世界のどこかに存在すると信じていたかった。そんな彼女に、永遠のものなどないと言った人がいた。  自分と同い年の男の子だ。親同士の仲が良くて、家が近所にあるから何かにつけて遊びにいく。いわゆる幼なじみという間柄だった。  ある一点を除けば、彼はどこにでもいるような子どもだった。絵本の王子様のように特別善いこともしなけ