青春の笑顔

お久しぶりです。そして初めまして。髙木春楡です。
新しい短篇を書きました。人からインスピレーションを得て小説を書くことが多い私ですが、今回の作品もそんなものになっています。人の人生って美しいんですよね。私好きなんです。生きている人間達の、死んだ人間達もですが、生きづらさを多少抱えながら生きている全ての人達が大好きです。

生きていれば、様々な選択に悩まされることがあります。楽な方へと流されることもあれば、茨の道へと足を進めていくこともあるでしょう。今回の物語は、自身の想いや自身の理想と違う道を歩んでしまった女の子の話です。
寂しさを埋めるために、誰かに縋ってしまう。誰でもいい誰か、誰かとは個人を指しているのではなく、全ての人を指している。穴さえ埋めてもらえればそれでいい。そんな存在。その存在と関わっている自分と、過去の自分との乖離に苦しんでしまう。そんな女の子を描きたかった。
今の自分は美しくないのではないか。こんな自分は過去の自分に誇れないのではないか。そう思って生きてしまう。それは、とても悲しいことで、私にとっては美しいことです。そんな心が美しく、抱きしめてあげたくなるものです。
ただ、人の美しさは変わりません。誰かと関わったとか、してきたこととか、そんなことで変わらない。人は生きているだけで美しいのだから。誰かの偶像になれるのだから。私は、全ての偶像を愛したい。今の自分が嫌いだとそう言ったとて、それを美しいと思う誰かがいるのだから、自信を持って笑えばいい。悲しめばいい。進めばいい。今は自分の心に従って、どこまでも落ちて、どこまでも後ろ向きになって、そして、いつか前に進めばいい。いや、前に進まなくたっていい。あなたはどこまでも美しいのだから。
そんな思いをもってこの物語を書きました。

人間は弱い生き物です。人と関わらないと生きていけない。誰かに縋ってしか生きていけない。一人で生きていける人がいるのだとすれば、私はその存在を羨ましく思い、憧憬の念を持ちます。
私は、人間の弱さが好きです。自身の行動も想いも制御出来ずに動いてしまう、そんな人間達を愛しています。全ての人は、物語になりえる。全ての人の些細な行動が物語になりえる。普通と呼ばれるような人の葛藤、それこそが美しい物語だと思います。そうやって、私はその場面を切り取りこれからも物語を書いていこうと思っています。

悩める全ての人々へ、愛をこめて。

青春の笑顔


髙木 春楡

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