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気兼ねなく『サプライズお手紙』を送れる友達がいるか

『サプライズお手紙』
それは私から突如届く、謎の封筒である。


自粛期間中、暇すぎて「友達に手紙でも出そう〜」という思考に至った人は多いのではないだろうか。私もその一人だ。
しかし普通に送るのはつまらない____私は変なところにエンターテインメント性を持たせようとするきらいがあるので、そのお手紙にも相手を楽しませられるような仕掛けを作りたかった。

これは「そろそろ自粛期間も終わるけど、お手紙文化も悪くないと実感した私がその作り方のコツを書き留める」記事だと思って読んで欲しい。


1:本文|うっすいうっすい

まずレターセットを用意する。
せっかくなら可愛い、オシャレな手紙にしたいので、メルカリで見つけたお気に入りを開封した。
もちろんこれは私個人の好みなので無印良品でもダイソーでもなんでもありだ。

早速本文に取り掛かろう。
しかし冒頭に書いた通り、これはおうち時間を潰すためだけの手紙だ。つまり何の用件もない。私の場合は便箋に宛名を書いてからそれに気づいたので、必死に書くことを絞り出した。

「元気?会いたいねー」

「最近散歩中に猫を見ました」

「体調気をつけてね」

大体こんなような中身だったと思う。
一応、便箋2枚以上というマナーは守ろうとしていたので、ただでさえ少ない内容をさらに薄めて延ばしていくような感覚だった。薄っぺらいことこの上ないし、それは書いている最中にも自覚していた。

とはいえこれは暇つぶしの手紙なのである程度スカスカなのはまあよしとする。


2:特典|なんでもあり

書いてあることが極限まで薄いならどこにエンタメ性を持たせられるのか。
そこで私が編み出したのが「ランダムフォトシール封入特典」だ(長年オタクをやっているとこの手の特典の引き出しも増えると分かった)。

方法は至って簡単である。
Twitterから保存したいい感じの画像をフォトシールにしてしれっと同封し、手紙の末尾で「○○のフォトシールを入れてあります」とだけ説明するのだ。

参考までに、以下が私が実際にフォトシールとして同封した画像である。

・ちょっと前のぺこぱ松陰寺
・1人オードリー
・牛と一体化した猫
・溶けて概念になったムーミンパパ
・プラダを着た春日

文面で見ても伝わらないのは覚悟の上なのであまりじっくり考えないでほしい。
選ぶ際のポイントは、見た瞬間にフフッとさせられるかどうか。それだけである。

そして、ここで大切にしたいのは「サプライズ感」。一番理想的なのは、アポ無しで来た手紙の封を開けたらちょっと前のぺこぱ松陰寺がいるというシチュエーションだ。個人的には文面だけですでに楽しい。


3:宛先|その人に送って大丈夫?

ここまでの薄っぺらい内容やランダムフォトシールは我ながらしょうもないと思っている。

この手紙の最重要条件はそれすらも楽しんでくれる人に送ること

送る相手を選ぶというか、早い話が"私がそういうことをする奴だ"と認識してくれている人にしか出来ない。

私には、住所を把握しており、かつ突然の手紙も笑って許してくれそうな友達が複数人いる。高校時代の部活の仲間。ありがたい。
まずはその子たちに手紙を書いてみることにした。


【結果】

笑ってくれた!

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インスタのストーリーに載せて、つっこんでくれた。
写真のチョイスも良かったらしく、楽しんでくれたみたいだ。誰に何のフォトシールを送るかは5年目に突入した付き合いをもとに決めたので、刺さる自信があった。


応用|調子に乗る

気を良くした私は他の友達にもやってみることにした。
今度のターゲットは大学の同期。高校時代の友達に比べて付き合いがまだ浅いので、少しの勇気を要する。
ただこの時の私はテンションが上がっていたので、アポ無しとかも最早どうでもよかった。LINEで住所を聞いて、中身の薄い手紙を書いて、変なフォトシールを刷って、投函。
楽しい作業だった。


【結果】

お返事が来た!

これまで手紙が届いたという報告は全てLINEかインスタ。もちろんそれも安心するし嬉しかったが、まさか手紙形式の返信が来るとは思っていなかったので大興奮してしまった。
「自分宛の不意打ちの封筒」ってこんなに嬉しいものだったのか。最近の私宛の郵便といえばAmazonかメルカリばかりだったのでその感覚をすっかり忘れていた。

大学の同期で手紙のお返事をくれたのは5人中3人。あとの2人はLINEで連絡をくれた。
3人の手紙のお返事を読むと、私のあの薄い、ヨーグルトの上澄みくらい薄い文章にひとつひとつ返してくれていた。
よく考えたら、付き合いは1年になるが彼女たちの手書きの文字をこんなにじっくり見たのも初めてかもしれない。こういう字書くんだ、としみじみしてしまった。
もうなんか一周回って泣きそうだった。わざわざ返事をくれるなんて、優し過ぎないか?(むろん、LINEで連絡をくれた子たちもマイベストフレンズである)

さらになんと、そのうち2人はフォトシールへのお返しまでくれたのだ!

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一人は『何かで使ってくださいな』という言葉とともにお花のフレークシールを同封してくれた。健気すぎる。もったないないので多分一生使わず手紙と一緒に保存すると思う。

もう一人は『良かったら使って!(笑)』と添え、翡翠で作られた白菜のしおりをくれた。光るセンス。しかもまあまあ大きいので見るたびにじわじわ笑えて、めちゃくちゃ良い。

このまま文通みたいになると相手方も面倒だろうと思ったので手紙のやり取りはその1ターンで終わらせたが、その1ターンが想像以上に良いものだった。


収穫|いい子しかおらんかった

今のご時世、手紙はただ送るだけでもじゅうぶん新鮮味のあるツールだ。しかし文章だけつらつらと書き進めても、ちょっと物足りない。
どうせなら届いた相手がつい笑っちゃったり、ついシェアしちゃったり、そんな手紙を書けたらよい。

紙一枚でも立派な贈り物になるのだ。

それと今回の収穫は、こういうくだらない手紙を出せる友達が意外といたという事実だった。
最終的に私が手紙を出したのは合計10人。数だけ見るとそうでもないとか、一般的にはもっといるんじゃないかとか、そういうことは今は一旦どうでもいい。

正直なところ、もっと少ない気がしていたのだ。
「私は友達が少ない」とラノベのタイトルみたいな謎の自己卑下を感じていた。

だから、10人に手紙を出せたというそれだけで相当嬉しかった。結構な手間がかかったが、幸せな手間である。

ここまで書いてみて、この記事は読んだ方に手紙を書くことを勧めるものではないと気付いた。

手紙は書かなくてもいいので、そういうちょっとくだらない手紙を出せそうな友達を思い浮かべてほしい。親戚でもいい。それが何人だろうが、そこに多い少ないの尺度は持ち込まず、ひたすらにその人を大事にしよう。

私はその人が一生の付き合いになる人なんじゃないか、と思う。


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