未来の常識は誰にもわからない

都市部や郊外でもマスクや消毒液・消毒ジェルといった製品をドラッグストアなどで見かけるようになりました。

一時期品薄になっていたティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの紙製品はスーパーやドラッグストア、コンビニなどでも普通に入手できるようになっています。

そんなわけで、先日ドラッグストアで消毒ジェルを見かけたので500mlボトルのものを購入してみました。

マスクを着けて出歩くこともなければ、自宅に消毒液の類もまったく置くことのない生活をずっとしていました。

一昨年から昨年の秋頃までの間、約1年ほど食品工場で働いていたときは、それこそ消毒まみれな環境でしたが、プライベートだと消毒液を使った記憶があるのは、猫カフェに遊びに行ったときくらいじゃないでしょうか。それも何年も前のことです。

花粉症でもないので、本当に自分が風邪などにならない限りマスクを着ける習慣はまったくなかったです。

そんな私が2020年の4月下旬、マスクをして買い物に出かけ消毒ジェルを買って少し嬉しそうに帰るなんてどうしたことでしょう？ｗ

▲喜んで買ったのはいいけどひとりで使い切るにはいったいどれくらいの期間がかかるのでしょうかｗ

我ながらの行動の変化に驚いたり、人間の順応性に改めて気づかされたりする日々です。

新型コロナウイルス感染症によって世の中の常識が今も変わり続けています。

常識という言葉ですが、
大辞林 第三版では、
（1）ある社会で、人々の間に広く承認され、当然もっているはずの知識や判断力。
と解説されています。 

「ある社会」と、あくまで限定的であるところがポイントです。

私は学生時代から、飲食店や販売の仕事をすることが多かったのですが、いわゆる接客業では身だしなみや振る舞い、言葉づかいが重要視されます。その一環として、接客時はマスクをしないというのが常識でした。

昨年12月にイオンが従業員に原則マスク着用禁止の通達を出したことで、賛否両論が巻き起こったのは記憶に新しいです。

https://www.news24.jp/articles/2019/12/25/07568303.html

新型コロナウイルスが流行する以前、近年の日本では花粉症やインフルエンザなどの予防からマスク着用の意識は高くなってきていましたが、それでも接客業では身だしなみやお客様からの印象を重んじることで、イオンのように通達まではいかなくても、研修段階や入社時などに基本的には店頭でマスクを着用することを禁止することが伝えられるのはとりわけ珍しいことではありませんし、それこそ昔から接客業に従事している人にとっては常識的といってもよいでしょう。

では一方で、医療や福祉、衛生関連、そして食品関連ではどうでしょうか。接客業とは真逆の常識ですよね。マスクを着けるのは当然であり、アルコール消毒や、うがい、手袋着用、エプロン着用、髪の毛が落ちないよう帽子や頭巾を被ることもあります。

このように常識は環境によって変わり、人はその環境の常識に順応するようになっています。

そして、今回の新型コロナウイルスの流行によって日本という社会だけを見ても、外出自粛、非常事態宣言の発令などにより、つい数カ月前までの常識の多くが変わってしまいました。

疫病の感染拡大をさせないという観点から、できる限り外出をしない。こんなこと、今までの常識ではあり得ません。でも、今はもう常識です。不用意に出歩いたり、旅行をしたりしている人は容赦なく叩かれる世の中になってしまいました。こんな短期間でそんなことあります？っていうレベルです。

だって、人々が出歩いて色んなものを消費しなければ経済が回らないじゃん！という常識も既に崩壊しつつあります。

この数カ月であっという間に変わってしまった常識ですが、その影響は計り知れません。

人々が移動しなくなったことで、ガソリンの需要が大幅に減り、原油の価格が下落、さらに売れなくなっており原油があまりまくっているとのことです。

https://media.moneyforward.com/articles/4679

日本では大富豪の代名詞としてしばしば使われる石油王という言葉も、この先の未来では常識ではなくなってしまう可能性があります。そんなことになる日がくるなんて誰が想像していたでしょうか？

ただちに変わってしまった常識、今まさに変わった常識、今後変わるであろう常識、そして、なんだかんだいいながら変わってしまった常識に順応していく人々。

常識やルール、マナーといったものを必要以上に重要視してしまう人にとっては、この急激な変化には大きなストレスを抱えてしまっているかもしれません。

しかし、こんなにも世界的に大きな変化を迎えているときだからこそ、少しだけでも考え方を変えてみるといいかもしれません。


常識は常に変わるもの

変わったときに素早く順応できるかが重要


という風に。