クロエ刑事、ソーメンする3

クロエ「ダイガクインセイ。オオメニ、ミテ」

村田「見れないね」

クロエ「ソンナ、【メ】デ、ミルナラ、モウイチド」

   電光石火、村田の片方の手首に、また手錠をハメてしまうクロエ。

村田「まさか! そんな! 2度までも」

クロエ「スゴイダロ」

村田「うわー、やられたー」

クロエ「ハハハハハ」

   今度は、手錠をはずさないクロエ。

クロエ「ソンナ【テ】ニ、ヒッカカルモノカ」

村田「手?」

   カチャカチャと、自分の片方の手首にハマった手錠をゆする村田。

クロエ「(手錠は)プラスチック、ダゼ」

   手錠は、プラスチック製のオモチャである。

   手錠のカギを、胸ポケットにしまうクロエ。

クロエ「オマエハ、フクロノ、ナカノ、ネズミダヨ」

村田「そんな馬鹿な」

クロエ「バカハ、オマエダ。タイホスル!」

村田「もうしてるじゃないか」

  みじめに、手錠をゆする村田。

クロエ「コウサン、シタカ?」

村田「した」

クロエ「エッチ! 【シタ】ナンテ、ソンナ、プライベートナ、コトヲ、

 ヒコーキノ、ナカデ、シャベッタラ、ダメ」

村田「【した】というのは、【降参した】という意味だ。もっと日本語を勉

 強しなさい」

クロエ「タクサン、シテル」

   クロエは、ポケットから、【やさしい日本語会話】と書かれた、小型

   のテキストを出して見せる。

クロエ「レッスンワン。コレハ、ペンデスカ? ハイ、ソウデス。コレハ、

 ペンデス」

   と、【やさしい日本語会話】テキストの第1ページ、LESSON1

   の、例文を読んで、村田に聞かせる。

村田「…………ペンは、いらん」

   むずかしい顔になる村田。


(4話につづく)



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