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Fire, sometimes, blasts
ホールドオープンしたグロックに新しい弾倉をねじ込んで、かと思うと掴んでいた手摺りに銃弾が直撃する。
「くそっ!」
尻込みしている隙はない。先行する敵に向けてグロックを撃ちながら、俺は螺旋階段の段板を蹴飛ばして先へ進む。ゴールは屋上、待機中のベル・エアクラフト212ヘリコプタのもとへ。先着は一名だ。
長い階段を抜け、外気と光が襲いかかってくる。目標の機体と、遠ざかる背中が見えた。これなら直線に
冥土・made・mind
相対するは2つの影。
ひとつは古風なヴィクトリアン・メイドの格好に身を包んだ、眼光鷹を思わせる金髪美少女。
ひとつは猫背、今にも朽ちそうな編笠と襤褸を着けた、浪人風の仮面男。
メイドの得物は王室御用達のロイヤル・ダブルライフル。浪人が携えるは長さ三尺ばかりの鮮血滴る日本刀。メイドの背後には、腰から下を寸断された無残な女性の死体が転がっている。同じくメイド服に身を包んでいたであろうとい