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なんでもないようで、嬉しいこと。

昨晩から今朝にかけて、とってもとっても嬉しいことがあった。


その夜、珍しく彼と2人でテレビをみていたのだが、

それどころじゃなくなるぐらい、とっても素敵なことが起こったのだ。


生命の営み


またかまじいの身体の色がオレンジになっている。


大概、脱皮間近か、星になる前かのどちらか。


もうだいぶ大きな個体だし、いつ寿命がきてもおかしくないな。


心配だけど、そっと見守ることにする。



ところが。

夜になると、水槽の中のエビたちが泳ぎ回ること泳ぎ回ること。


水槽の中で大運動会を始めたのである。


全員が全員暴れている訳ではないとすると、

抱卵の舞と呼ばれる物だろうか。

(うちの水槽は圧倒的にオスが多い)


しばらくほかっておこうと目を離すと、

水槽を見ていた彼が「あ!」と大きな声を出したので

慌てて水槽に戻る。



身体が大きいのでもがいていて、今にも死にそうに見えるが、

これは紛れもなく脱皮


彼は初めて目の当たりにするので不安そうな目で見つめていたが、

殻から勢いよく飛び出すかまじいを見て大笑いしていた。


と、同時にオスエビたちの動きがますます激しくなること。


これはもしかして交尾するのでは…と引き続き2人で水槽を眺める。


すると。

ほんの数秒の出来事ではあったが、したのだ、交尾を。


2人で「えっ、嘘ー?!」と言い合いながら、

これで朝起きて卵を持っていたら成功だね、と眠りについた。


廻る命

来たる翌日。

わたしよりも早く起きる彼は、またもや水槽を眺めていた。

大あくびをするわたしの様子に気付き、そそそ…と駆け寄ってくる。


「卵、持ってるよ!」


「えっ、嘘ー?!」を連発しながら水槽に慌てて近寄る。


確かに、しっかりとお腹に卵を抱えたかまじいの姿が確認できた。


そして、彼は宝箱の中身をそっと見せてくれる時のように、

心底嬉しそうにもう一つの出来事も教えてくれた。


「稚エビも生まれてるよ!」


なるほど、隔離水槽を覗いてみると、たまちゃん(抱卵した個体にそう名付けた)の近くに、肉眼でやっと確認できるほどの数匹の稚エビが確認できた。


こんな短時間に、たくさんの嬉しいことがあって

幸せな気持ちになった。


大家族になったね、と少し困り顔で笑う彼を送り出し、

今日も彼とエビとささやかな日々を送れていることに感謝した。



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