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マティーニの生春巻きを面白いと思うか。

そう、カクテルの王様“マティーニ”を生春巻きにするのだ。
何となく察する人もいると思うが、マティーニの材料を食材に置き換えて料理にする訳です。
まぁ今日はそういうちょっと風変わりなnoteです。
好きな人は覗いてってね。

・ジン会への誘い

ジン会しませんか?という誘いを受けたのは数週間前。
趣味で?バーテン的な事をしている人と一緒に、ジンの飲み比べ及び料理とのペアリング会をするらしく
まぁ「もちろん行く!料理もしたい!!」となるわけだ。

趣味でバーテンって本業とはまた別の変態感が滲み出てて気になるし、ジンという飲み物も詳しくなりたいと思っていたので行かない理由は無いのだ。

さて、ジンに合う料理とはなんなんだ?
と思い、色々考えたり調べてみる。


日本酒に合わせて料理をする、逆に料理に合わせて日本酒を呑むは何度もやってそれなりに得意。
ビールやウイスキー、ワイン、など特徴的な香りや味がある物は合わせやすいし比較的馴染みがある。

日本酒に和食、ビールに揚げ物、ウイスキーに燻製、白ワインに白身魚、赤ワインに赤身肉、みたいな定番があるし、なんとなく傾向がある。
だけどジンはそんなに定番が思いつかない。
そんなに飲んだ経験が多くないのも原因だが…

我が家は俺以外ほとんど飲まないが、餃子の日だけはビールを開ける。


定番が無いって事以外にもいくつか理由があって
・ジンは材料が一定じゃ無い。
ジンといえばジュニパーベリーくらいしか定番の香りが無く、それも昨今のクラフトジンでは他の香りが強かったり独自の材料だったり多種多様なのだ。

・繊細すぎる
まぁ居酒屋感覚でグイッと飲んでもいいんだけど、せっかくなら香りや味を楽しみたい。
ジンの香り成分は様々あるが、他のお酒と比べて繊細で合わせれる料理が限定的になる。(気がする)

・最初から最後までというタイプでは無い。
日本酒やビールなら最初から最後まで同じジャンルで飲めるが
ジンは少し難しい気がする。
ジンソーダやジントニックは軽めだし、カクテル系は料理と合わせるというより単体で飲む物だしね。

かなり悩みました。
どんな流れにすっかな~~って。

けど何となく話してて決まった。

俺と主催者の諸田さんの2人で料理をするから、お互いに作りたい物、合いそうな物をアイデアとして出して
話し合って流れを作っていく。

合うか合わないかは正直そこまで気にしない、それを探るのが目的だから色んなタイプの料理を作ろう。

そして、そのアイデア出しをしている内に俺は閃き、速攻で連絡した
『一品目は俺にやらして下さい!!』ってね。

それがマティーニ生春巻き!!

・マティーニ生春巻きまでの思考つらつら

まず、ジンに合う料理とは?と思い
ジンの材料や香り成分、ジュニパーベリーの近縁種、ジンを使ったカクテルなどを片っ端から調べる。 

飲んだ中で特にお気に入りの二本、面白い香り。

ジンの香りの定番ジュニパーベリーを料理に使いたいと思い、色々考えてみた。
ジュニパーベリーをいれた煮込みなんかは定番、山椒をジュニパーに置き換えるのも面白そうだな。
とか考えてたら思いついたのが

ジュニパーの香りを水に移して、それで生春巻きの皮を戻したら面白そう!

というアイデア。
馬鹿げてるかもしれないけど、こういう突飛な発想は大事だし大好き。

じゃあ何を具にしよう?
ジュニパーの香りを殺さない優しくて相性のいい物、ブドウとモッツァレラとか?
んん?ブドウとジュニパーならマティーニっぽくなりそうだな!!

・どうすれば食べるマティーニになるのか。

マティーニは、ジンとベルモット、あとはグリーンオリーブが定番。
ベルモットは白ワインにハーブ。つまり白ブドウと生ハーブ。
これは?合うのでは??と考えてそっから発展させる。

白ブドウ、生のディル、グリーンオリーブは確定。
けどこれだけじゃ巻きにくいし足んないからタンパク質をなにかいれよう。

ううむ、モッツァレラかホタテ。
チーズは他の料理でも使うしホタテにしよう。
あとはベルモットの苦味と酸味が欲しいからグレープフルーツなんかどうだろう。
ディルとグレフルはいい組み合わせよね。

む、ちょっと香りのパーツが多すぎて分かりにくいな。
1個減らそう。うーーーん
この会はジンがメインで飲むのは決まってるんだから、料理にジュニパーベリーを入れなくてもいいか?

なんか本末転倒っぽいけど、この発想を経てこの組み合わせにたどり着いたからいいでしょう。うむ!
一緒に飲んで口内でマティーニになるってのも面白いべ!!
単品ならジュニパーでやってみるのもアリだな~

・で!できた!!

味見の段階ではこの形じゃなくて、味だけを確認してた。
そこまでガチな会じゃないからある程度はその場で決めようとしてた。
が、いざ巻こうと思うと思うとなんだか可愛くない。

うーーーーどうしよーーー
まずはブドウを半分にして、6個並べてみよう。お、可愛い。
後はオリーブ2粒とホタテを切って3切れ。
間を埋めるようにディルとほぐしたグレープフルーツをいれよう。


うん、中々可愛らしい。
お、透けるとこにディル入れる方がよさげやな?
そうしよう!!

うん!!可愛いじゃーーん!!となった。
冴えてた。よっしゃあ。

ちなみにブドウは種なしのそんな高くない酸味のある物を、ホタテは刺身用のを塩と昆布で軽く〆た
オリーブは市販の種なしの瓶のやつ、グレープフルーツは黄色の物を薄皮まで剥いてほぐしました。

マジで美味いマティーニと合わせて食べたの口福だった~
合う~~~~これがペアリング!これがマリアージュ??
ってなった。

・あとがきというか脳内というか

ここまで2,000字程度で表現したけど、実際もっとアッチコッチ考えてるし独り言をボソボソ言ってます。
散歩したり、農産物直売所で野菜を眺めたりしながらアイデアを広げてってます。

食べたり作ってきた経験、その材料の関連する物や事、本やネットを使った情報収集などなどを元に
おもちゃ箱をひっくり返したようにドッサーーっとアイデアを広げまくって
なんか良いかも?と思うのを展開して組み合わせていく。
それが今の俺のこういう時の料理の作り方。なのかな。


自分は飽き性だと思う。
けどそのおかげで様々なジャンルの料理に出会えてるのも事実。
ひとつのジャンルに搾って深く学ぶのがいいと言うのも分かるけど、いろんなのを混ぜるのも面白いもんです。

この一品だってかなり混ざってるしね。
和食だけをやってた頃の俺には作れ無かっただろう。うん。
焦る時も多いけど(というかずっと焦ってるけど)、きっと少しずつ成長出来てるさ。
そんな料理ができてよかった。

またカクテルを参考に料理作ろう。
いいでしょこのアイデア。秘密にしたいくらい。

・ジン会コース

の備忘録。
主催者の諸田さんが作った料理と、俺が作った料理が混ざってます。

マティーニ生春巻き

コレは、もう充分書いたので割愛。
おいしーーーーーーーね


ブリのからすみ大根

諸田さんの九州土産。
ジンと飲むと生臭さが目立つかもと心配してたが、大根のおかげか良い相性。
大根の青臭さや爽やかな苦味が、ジンやトニックウォーターの香りや苦味と合う。

炙ったからすみバージョン

キャビアにウォッカって言う王道の組み合わせがあるんだから、この組み合わせも合うわな~となんか納得した。

ワイルドライスと焼き野菜のサラダ

俺の作った料理2品目

マコモダケの種で、最近はスーパーフードとしても注目されているワイルドライス(ヒジキみたいに見える黒い奴です)
この食べ方が好きなのと、こういう箸休め的な優しい料理が一品くらい欲しいなと思ってサラダに。

茹でたワイルドライス

ワイルドライスは普通の米とは全然違い、例えようが無い食感。
強いて言うなら硬く炊いた玄米みたいな?
ムチッとしてて、香ばしくて、ワイルドな味がする(ミネラル分が多いという感じ)

ので、野菜もワイルドに。
パプリカ、人参、トマト、は真っ黒に焼いて冷水に落として皮を剥いて使用。
スモーキーで甘くなるんです。

そら豆はサヤごと丸焼き、ホクホクになる~
薄皮ごといけます。

あとは塩揉みしたキュウリとラディッシュ、茹でたスナップエンドウ、水煮大豆を合わせてオリーブオイルと塩のみで味付け。
様々な野菜の味が混ざり合って面白く、ジンとの相性も良い。
ラディッシュの辛味とトマトの酸味が特に合うな~


ブルーチーズとキヌアの白和え

諸田さんの料理
強烈なブルーチーズをふわっとした豆腐の衣で。
はたしてジンに合うのか?う~~ん、コレは悪い組み合わせじゃ無いけど、そこまでしっくりはこないかなぁ…難しい。

ちょっと残ってたカラスミをかけたら酒との相性がグッと上がった。
ブルーチーズとお酒は合わせ方選ぶなぁ~

ヤゲン軟骨の甘辛燻製

これも諸田さん料理

いわゆるウイスキーやビールの相棒っぽい料理。
だけど、ジンソーダやジンソニック、ジントニックとの相性が良い!!
味わうってよりサッパリと流し込む感じ。ビールっぽい飲み方。

トニックの爽やかさが肉によう合うわ~

美味しい国産のアブサンも少し飲んだり…
アブサンに合わせるのも面白そうだ。

だし巻き卵 あさりレモン餡かけ

コレは俺の料理

ただ、巻き鍋と仲良くなれなくて、、、かなり巻くのが下手だった。
けど巻き簀でエイヤッと形にして、なんとか。
猛反省、、、、

アサリの酒蒸しに昆布出汁、九条ネギ、レモンの皮と果汁、塩、薄口醤油で作った餡を、昆布出汁の淡いだし巻きにたっぷりかける。
前にイベントでやってから気に入ってる料理。
鰹節を使わない方が相性よさそうでね。

ジンに合う料理を考えてて1番相性がよさそうと思ったのはコレ。
柑橘とジンは定番、アサリの旨味も合うだろうし、卵は良くも悪くも淡いしね。
その想定通りめっちゃ良い相性でした。そりゃそう。


ペルーのパプリカ肉詰め焼き

本来はロコト・レジェーノという料理だが、今回はロコトという唐辛子の代わりにパプリカを使っているのでピミエント・レジェーノだそう。
ロコトを使う時は辛味を辛味を抜くために何度もゆでこぼしをするそうだが、パプリカなら1回で良いそう。
どことなく知ってそうな料理なのだが、食べると違う料理。

火の入った肉を詰めるのも、仕上げに卵と牛乳を混ぜたのをかけるのも馴染み無い調理法だもの。
めちゃ美味かった!!そんでもってコレはアブサンとの相性が最高だった。

アブサンソニック美味い。。家でも作ろう。


肉寿司 柚子胡椒

俺の作った料理ラスト。

ちょっといい赤身で作る寿司。
ワサビじゃなくて柚子胡椒が美味いねん、特にジンとの相性が良い!!
糸島のJAで買った柚子胡椒、めっちゃ辛いけどめっちゃ美味い!!
自家製っぽい粗い刻まれ方がお気に入り、唐辛子の種も入ってるからめっちゃ辛いけど旨味も爽やかさもしっかりしてて良い。

生の状態で握ってから炙る。
前半は炙ってから醤油、後半は醤油を塗ってから炙る。
こうすることで普通の醤油と焦がし醤油という2種の楽しみができる。

色んなとこで肉寿司を握るけど、メンバーの年齢や好みで肉質は変えている。
今回は品数が多いのと、年齢層的に20後半がメインだったのでほんのりサシのはいった赤身。
これくらいが丁度良い。

ペルー唐辛子の味噌担々麺

諸田さんワールド全開。
ペルー料理をやってるだけあって本当に唐辛子使いが絶妙。
唐辛子って旨いんじゃ!!
アヒパンカという旨味がメインの唐辛子と、アヒモリという涼味のある冴える辛さの唐辛子の2種使い。うーむ面白い。

セビーチェに使うことが多いアヒモリを温かい料理に使ったのは挑戦的だそうで、正直そこまで唐辛子の種類を気にしてない俺は驚き。
食文化って面白い。

いっぱい飲んだあとの麺類ってなんでこんな美味いんかね~


ルクマのケーキ&ルクマのパンナコッタ

これまた諸田さんの料理、ルクマって知ってますか??
いや、俺も知らなかったんですよね~
ペルーなどで食べられるフルーツらしくて、丸みのあるツルッとしたアボカドみたいな見た目、味はスイートポテトとか栗とかカスタードっぽい感じでまったり。

今回はそれをパウンドケーキとパンナコッタに、特にパンナコッタとの相性は絶妙!
クリーミーなフルーツっていいね。

・また新しい沼に一歩。

さっきもあげたけどこの2種が特にお気に入り。
ただし、飲み方がや混ぜ方が俺の技術や知識ではそこまでハイクオリティーにできる自信がないので、これも勉強します。
ちょっと良いマドラーを買おうかしら。


あとこのアブサンめっちゃ美味しかったので早速買いました。
過去に飲んだアブサンはフランスのアブサント55のみで、その頃の俺にはハードルが高すぎた。
が、こりゃ美味い!!
アブサンソニック(ソーダとトニックで割る方法)も美味いけど、ロックで呑むのが最高です。

あ~沼が深そうだ。こわいこわい。怖いけど楽しい。

けどこれから蒸留酒の世界はにはしっかりハマっていきたいもんだなぁ。

うん、いい会だった。


ツイスト&シャウト!

いつもありがとうございます。 どこまでも美味しい料理の為に使わせてもらいます、ありがとう。