豚蕪 出汁と酒塩 葱生姜。
野菜の煮物には、醤油や砂糖をいれる事が多い。
もちろん、それも大好き。
けれど、蕪、冬瓜、大根、玉ねぎ、などの淡白な野菜は塩味で炊きたい。(野菜自体の味が薄いから塩味の方がわかりやすい)
でも、家庭では、塩味の炊き物は敬遠されている。
理由はいくつもあると思いますが
・醤油が入らないから旨味が弱い。
・ご飯が進まない。
この2つが特に理由だと思います。
和食屋で賄い作りをしていた頃
コレを作ってたら、先輩方に砂糖は?濃口醤油は入れねえのか??
って言われた事があります。
賄いは米が進むって事が重要なので気遣ってくれたのだろう。
が、しかし、この煮物塩味だけど米が進む。
理由は何でだろう??
肉が入るのと、とろみをつけるのと、生姜の香りと、出汁の旨味かな。
とにかく、食べて貰えば分かると思う。
じゃ、まずは材料を。
・材料
蕪(今回は直径10cm位):5玉
豚切り落とし:400g
しめじ:1/2p
出汁:1リットル
酒:大さじ1
塩:小さじ1/2
醤油(あれば薄口):小さじ1
みりん:小さじ1
以上、シンプル。
しめじは無くてもOK、別のキノコでもいい。
豚の部位は、少し脂がある部位が良い。
バラ肉やロースが良いな。もも肉なら薄めなら固くなりにくて良い。
豚の代わりに鶏肉でも美味い、もも肉や手羽が合う。
白身魚も合う。
サワラ、鯛、穴子、甘鯛などでやれば京料理みたい。
まずは、蕪の処理。
今回は小さめの五点カブ。
小カブはサイズごとに、1束に何玉入れるかが決まっており、三点カブや五点カブなどと呼ばれる。
が、場所により規格の違いがあるので注意。
まずは葉と実で分ける。
葉は別の料理で使うので、別に取っておいて。
葉と皮を炒めたり、菜飯にするのが美味いんだなあ。
砂とか汚れ多いからよく洗う。
んで、ヘタ周辺の砂とかを巻き込んでる部分は切る。
洗って使えそうだったら取っとく。
皮をむく。
物によっては皮を厚く剥かないと筋が残る場合があるので気をつける。
小玉の物は比較的柔らかいので、こんな感じで剥いた。
カブの皮は別の料理で使うから、とっておいて。
今回は4つ割り。
カブのサイズや、調理時間、好みで切り方は変えてよし。
面取りするのも素敵だけど、家庭料理でそんなことしてらんない。
味に大差は無いしね。
カブを下茹でする。
塩を少し入れて、弱火で10分くらい。
串を刺してスッと通るくらい、と言いたい所だが、カブは元々柔らかくて分かりにくいので、10分って事で、サイズや状況で変えてね。
レンチンでも下茹でみたいにできるけど、カブの臭みを少し取りたいので、茹でるのがオススメ。
茹でた後は水に取る。
コレが大切。
下茹で→冷ます。してから炊くと味の染みが段違い。
染みやすいと何が良いって、煮込み時間が少なくて済む。
崩れにくい、あと臭みが減る。
冷ましたときに透き通った白色が理想。
お次は豚も茹でる。
カブを茹でたお湯でに、酒を少し入れて火が通るまで。
よほどの高級肉でない限りはアクが出てくると思う。
下茹でで、アクやら臭みやら、余計な脂を落とすイメージ。
全体に火が入るくらい茹でたら、コレも水に晒す。
表面に付いてるアクとかを落とす感じ。
そしたら、熱くした出汁に、豚、カブ、しめじ、酒、塩を入れ弱火で10分。
今回の出汁は、根昆布、煮干し、鰹節で引いた物だが、市販の和出汁でも良い。
この料理は、肉の旨味が加わるので、出汁自体は薄くても良いので、練習をかねて出汁を引いてみても良いかも。
出汁に関しては→出汁note
そうそう、市販の出汁を使うときに、少し昆布を入れてあげるとグンと美味くなるから、あったらやってみて欲しいな。
醤油、みりんを入れて更に5分。
好みでとろみをつけ完成。
とろみが強いとご飯が進む傾向がある。
もちろんサラッとしてるのも美味い。
余裕があれば、とろみをつける前に一回冷ますと更に味が染みる。
が、しなくても十分に美味い(今回はできなかったし)
・完成
今回は、仕上げにネギと生姜を少しずつ。
柚子の皮、三つ葉、カブの葉、木の芽、春菊、芹、七味、などの香り物もあうのでお好みで。
生姜は今回の料理にとっても大事なので、仕上げに使わない場合は煮るときに少し入れてあげて。
あの香りが生姜とカブと合うんだ。
今回の比率ではおかずだけど、汁の量を増やせばお椀物にもなる。
・大根と蕪の違い。
この料理はカブじゃなくて大根でもできる。
そして、大根の方が使い慣れている人が多いだろう。
でも、試しにカブでやってほしい。
やれば分かる。
カブの方が柔らかくて、甘くて、優しい香りで、きめ細かくて、ジューシーなんだ。
これから、少しずつカブやダイコンの季節がくる。
寒くなればなるほど甘くて美味くなる。
たまには、大根じゃなくてカブで、煮炊き物をしてみては?
・菜飯について
今回の料理で使わなかった葉や茎、皮の部位は菜飯にするのが好きだ。
滋味深いを体現したような料理。大好きになった。
でも、その話は長くなりそうなんで、また次回。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
では、また。
いつもありがとうございます。 書くの大好きだけどやっぱ大変だから、サポートして貰えると持続性が増します。